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韓国進出の成功事例

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プレステージ・バイオファーマ・コリア(Prestige Biopharma Korea)
作成日
2021.08.12

테이라이왓 프레스티지바이오파마 코리아 CEO



KOTRA Expressは、プレステージ・バイオファーマ・コリア(Prestige Biopharma Korea, PBK)のテイ・ライ・ワット(Tay Lai Wat)CEOとのインタビューで、韓国におけるビジネス展開と韓国がバイオ医薬品分野で潜在的な外国人投資家と対韓投資企業に提供するチャンスについての談論を共有する。

プレステージ・バイオファーマ(Prestige Biopharma Limited、PBP)は、2015年に設立されたシンガポール企業としてバイオシミラーと抗体治療剤の開発に集中している。今年2021年にシンガポール拠点のPBPグループが韓国の完全子会社を合併して、プレステージ・バイオファーマ・コリア(Prestige Biopharma Korea、PBK)が誕生し、今年2月に韓国の有価証券市場(KOSPI)に上場した。

テイ・ライ・ワットCEOは、金融・経営専門家として35年以上の経験を持ち、スコットランドの公認会計士(CA)の資格を取った。2020年にはPBPグループの常務(Executive Director)として合流した。

テイ・ライ・ワットCEOとのインタビューで、韓国におけるビジネス展開と韓国がバイオ医薬品分野で潜在的な外国人投資家と対韓投資企業に提供するチャンスについての談論を共有する。

自己紹介をお願いします。

私は様々な人種と文化が共存する英国、オーストラリア、シンガポールで40年以上働きました。このような経験のおかげで、多文化業務環境をより理解することができ、グローバル企業PBKのCEOとして、新しい旅路を始める機会も与えられました。

PBPグループに合流する以前は、シンガポールに上場された2つの企業で最高運営責任者(COO)を務め、2,500人以上の従業員を有するホスピタリティ(hospitality)および海運事業を運営していました。

戦略的な企画と実質的なソリューション提供、この双方をバランスよく達成したため、経営および金融ソリューション提供で成功に導くことができました。



테이라이왓 프레스티지바이오파마 코리아 CEO



PBPについて紹介してください。

現在、当社は様々な研究および開発段階にある17種類の生物医薬品(biologics)およびバイオシミラーパイプラインを保有しています。最も開発が先行するハーセプチン(Herceptin)バイオシミラーである「HD201」は第3相治験を成功させ、欧州医薬品庁(EMA)の審議を受けています。アバスチン(Avastin)のバイオシミラーであるHD204は、第3相治験を進めており、ヒュミラ(Humira)バイオシミラーのPBP1502は第1相治験を準備中です。PBPのパイプラインには、膵臓がん抗体新薬PBP1510も含まれており、アメリカ食品医薬品局(FDA)と韓国食品医薬品安全処(MFDS)から希少疾病用医薬品の指定を受けました。

プレステージ・バイオファーマは2021年2月に韓国総合株価指数のKOSPIに上場され、新規株式公開(IPO)で約4億1千万ドルを調達しました。

PBPは、ロシアワクチン「スプートニク(Sputnik)」の生産のためのコンソーシアムに参加しています。韓国のバイオ技術企業であるヒュオンス・グローバル(Huons Global)がコンソーシアムを主管し、当社はバイオ原薬(Drug Substance:DS)生産の供給業者として参加します。現在、韓国の五松に約1億1千万ドルを投じてワクチン生産工場を建設中です。工場は2021年8月に試験稼動が予定されています。

また、今年中に釜山に革新研究開発センター(Innovative Discovery Centre、IDC)を設立する計画です。釜山市と韓国土地住宅公社との協力の下、今後5年にわたってIDCに約1億5千万ドルを投資する計画です。



プレステージ・バイオファーマが韓国に投資する理由は何でしょうか。

KOSPIに上場した最初のシンガポール企業として、PBPは韓国の株式市場が非常に活発でダイナミックなバイオ技術や医療分野を保有しており、韓国での上場に魅了されました。

画期的医薬品(First-in-class、ファースト・イン・クラス)である膵臓がん抗体新薬のPBP1510は、釜山の東亜大学のコ・サンソク教授によって開発されました。

また、韓国政府が広範囲な種類のFDIインセンティブで外国人投資を奨励しているため、韓国は外国人投資家にとって魅力的です。

PBPグループは、5月に釜山市とIDC設立のための業務協約に署名しました。延べ面積4万5000㎡、世界的規模のR&Dセンターを目指して、今後5年にわたって約1億5千万ドルを投資し、約200人以上の博士や高級研究開発人材を採用する計画です。IDCは独自の画期的医薬品(ファースト・イン・クラス)と次世代ワクチン開発に基づいた抗体医薬品(antibody biologics)及び二重抗体(dual-antibody)開発に集中していきます。

釜山とのパートナーシップと世界規模の研究開発センターにより、PBPグループは革新的な抗体医薬品開発を加速化すると同時に、新型コロナや将来の潜在的な感染症に対した世界的なワクチン需要増加に対応できることを期待しております。我々はIDCが釜山市のランドマークとなり、地域経済を活性化させるものと信じています。




韓国バイオ製薬産業の特徴とメリットは何でしょうか。

韓国は世界バイオ製薬産業の成長に重要な役割を果たしており、これは今後も同じことでしょう。特に、韓国はバイオシミラーや遺伝子治療のような生物医薬品分野で莫大な成長潜在力を保有しています。韓国政府の大規模投資に支えられ、韓国バイオ産業はグローバル成長に向けた基盤を構築し、実質的な結果も出しながら、世界中にその競争力を認められています。

コロナ禍の影響で韓国バイオ製薬産業の高い潜在力が証明されました。韓国のバイオ製薬企業は新型コロナウイルスが中国で初めて報告されて以来、直ちに公開された遺伝子配列(gene sequence)を活用した検査キットを開発しました。政府は検査キットの商用化を全面的に支援し、緊急使用承認を得て供給しました。

現在、世界的なコロナワクチンの需要に世界中の委託生産能力が追いつかず、韓国のコロナワクチン製造受託機関(Contract Manufacturing Organization、CMO)が注目を集めるようになりました。また、コロナワクチンを生産するに値する医薬品製造受託機関(CMO)の不足現象もあります。プレステージ・バイオファーマは、最近ロシアのスプートニクVワクチンを生産するコンソーシアムに原材料生産者(DS)として参加しました。韓国は地方のバイオクラスター、先端技術、熟練した高級人材など優れるバイオ基盤施設を保有しているため、世界的なコロナワクチン開発企業が韓国に主要生産地を移動するものと予想されています。

ファイナンシャル・タイムズ(Financial Times)傘下のリサーチ機関が調査した「2021グローバル製薬バイオ産業回復指数(Global Biopharma Resilience Index)」で、韓国はアジアで1位、世界で7位を記録しました。韓国は研究開発(R&D)生態系で高い点数を獲得し、これは韓国バイオ産業の最大の競争力でもあります。学術機関、研究センター、業界の活発な協力は生産的な研究開発(R&D)システムの構築にもつながりました。政府の政策も、製薬企業の革新的な製薬とバイオ医薬製品の開発を奨励します。




韓国でビジネスを展開するメリットは何でしょうか。

韓国政府は2019年にバイオ製薬産業の2030計画を発表し、「政府はバイオ技術(biotechnology)と製薬(pharmaceutical)分野を韓国の新成長動力として育成し、2030年までに輸出及び医薬品と医療機器の世界市場シェアを3倍に拡大する」と明らかにしました。韓国政府のバイオ産業に対する果敢な投資は、バイオ製薬企業が韓国で事業を展開する最も魅力的なメリットの一つです。

韓国政府は財政的支援を通じて外国人直接投資(FDI)を促進し、外国人投資家の誘致にかかる財政的負担や発売費用の減少に役立つ政府のインセンティブが主な役割を果たしました。また、韓国政府の支援を受ける7つの経済自由区域が全国に分布されています。PBKのIDCは、その一つである釜山-鎮海経済自由区域に位置しています。

韓国政府は外国資本の実行と回収環境をより柔軟かつ効率的にしました。政府の支援とともに、韓国の優秀な人的資源、世界最高水準のデジタル基盤施設、発達した資本市場が外資系企業の投資誘致に重要な役割を果たします。




プレステージ・バイオファーマが対韓投資を展開する特別な戦略がありますか。

韓国はがん治療と精密医療の分野で名声が高いです。医師や研究者たちは様々ながん関連の研究および治験を活発に行っています。当社も韓国でファーストインクラスの膵臓がん抗体新薬PBP1510の治験を準備しており、韓国食品医薬品安全処に申請書を提出しました。韓国がん研究所との協力で、革新的な抗体がん治療剤の開発を加速化することを期待しています。

また、当社は韓国でのワクチン開発に集中する計画です。韓国の子どもの予防接種率は世界最高水準ですが、韓国はまだワクチン開発産業では比較的に遅い方です。韓国国内の不十分な需要と現在および未来のウイルスに対応して、当社は最終的に国内外の機関と協力してIDC釜山にて独自のワクチンを開発する予定です。最近、合流したウイルス専門家のリュ・ワンシク博士が未来の感染症に対して次世代ワクチン開発分野の研究を進めてまいります。




테이라이왓 프레스티지바이오파마 코리아 CEO



グリーンニューディールまたはデジタルニューディールのような韓国の新しい政策がプレステージ・バイオファーマに与えられる新しいチャンスはどのようなものがあるでしょうか。

韓国政府のニューディール政策は、デジタル・ニューディールとグリーン・ニューディールに集中されており、雇用と社会セーフティネットを強化するための全般的な支援政策が含まれています。この計画に基づき、韓国は今後10年にわたってグリーンバイオ技術産業の規模を3倍に拡大し、未来の経済成長動力として開発するため、関連人材を集中的に育成しています。

PBPグループはこれらの計画から利益を得るでしょう。最近、ヒョン・ドクフン前SAPコリア副社長を、当社のデジタル革新をリードする最高デジタル責任者(Chief Digital Officer)に任命しました。PBPコリアの新しいワクチンセンターは、また、デジタル化および自動化が進行中であり、IoTコントローラーとデジタル化ラボを備えるようになるでしょう。現場のデジタルセンサーは在庫が減少すると警報を鳴らし、リアルタイムでパラメトリック・リリース(Parametric Release)を実現します。このようなデジタル革新は、相当な時間とコスト削減につながり、当社のデジタル化ラボが世界中のPBPグループのR&Dセンターと連携されます。




ビジネスパートナーシップを強化するため、韓国のどのような企業・機関と協力していますか。

私たち医薬品受託製造開発機関(CDMO)専門企業のプレステージ・バイオロジックス(Prestige Biologics、PBL)は韓国企業として、2021年3月にKOSDAQに上場しました。PBLは、高品質生物医薬品とバイオシミラー薬品の開発及び生産にのみ集中しています。PBLの独自ALITAスマート・バイオ・ファクトリー(ALITA Smart Biofactory)は、バイオ生産分野では世界で初めて人工知能に基づいて設計されたスマート工場システムとして、人的・工程に関するエラーを軽減してくれます。このシステムで複数の製品と生産工程に合わせて効率性を最大化する方向へ転換を素早く簡単にできます。このスマート工場の「Single-Use」システムは短期間でワクチンの大量生産を可能にするでしょう。

また、PBPグループはIDC設立と建設において産業通商資源部、釜山市、韓国土地住宅公社など、韓国の政府機関と協力しています。我々は韓国の地域経済を活性化し、学界と産業の同時成長をサポートするバイオクラスター造成にも協力しています。IDCの研究開発資源の約半分は地域大学や地域社会で協力してくれると期待しています。

最後に、KOTRAは最も信頼できるパートナー機関です。対韓進出の初期からKOTRAシンガポール貿易館とソウルのKOTRA本部は当社の事業に必要なアドバイスを提供してきました。KOTRAは、グローバル企業の対韓投資にとって、重要な役割を果たしています。




韓国とアジア全体でプレステージ・バイオファーマの目標は何ですか。

私たちのビジョンは2030年まで抗体とワクチン開発に特化したグローバルTOP10製薬会社になることです。2015年の設立以来、最初の5年間は不可能を可能にする基盤を造成しました。

当社は深いポートフォリオ、迅速な伝達、賢いパートナーシップ及び提携、科学的に興味深く革新的な発見、慎重に考慮された企業の地理的拡張を通じてビジョンを実現していくことを大変期待しています。

PBKは、特に2021年のコロナ禍を受けて、ワクチン産業に拡大させました。絶え間ない革新により薬品開発戦略と企業のビジョン実現を加速化し、世界の健康と福祉に貢献することを期待しております。


By Grace Park
Executive Consultant
Investment Public Relations Team / Invest Korea
Korea Trade-Investment Promotion Agency (KOTRA)

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