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産業動向

2016.11.04
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[物流]新流通チャネルの登場に伴う流通生態系の変化

景気と消費者心理の低迷により韓国における流通産業の成長が停滞している。低下し続けた韓国内流通産業の成長率は、2013年以降1.4%台に止まっている。中でも国内流通産業の成長を引っ張っていた百貨店と総合スーパーの成長が横ばいになり、2014年にはマイナス成長に転じた。

流通産業の成長が横ばいになっていることには複数の要因がある。内需減のような外部の要因はもちろん、新規出店制限、休業の義務付けといった規制も主な要因となった。流通産業の中に新たな成長の契機がないのも原因の1つである。流通産業は1990年代半ばの量販店と2000年代初めのネットショップの登場により量的な成長はもちろん構造面における変化を遂げて進歩したが、最近はオフラインの小売が縮小しオンラインショッピングの成長も低迷から抜け出せないでいる。一例に百貨店は2010年から2013年にかけて成長の鈍化が続き、2014年の売上額が29兆ウォンと前年比1.6%のマイナスとなった。




しかし、流通業全体の停滞にもかかわらずモバイルコマースは急激な成長を果たしている。それはモバイル端末の普及と技術発展、消費傾向の変化に起因している。スマートフォンやタブレットPCといったモバイル端末が急激に普及し、とりわけ韓国では全体移動体通信利用者のうちスマートフォンユーザーが世界最高レベルの72.1%(2015年5月基準)に上るほどである。

無線インターネットやモバイル決済の発展によりモバイルコマースの成長における技術的な課題も大分解消された。それに1人世帯と共働き世帯の増加によりモバイルで手軽にショッピングを済ませる消費者が増えている。その結果、韓国内でモバイルコマースの取引額の集計が始まった2012年に比べ2014年の取引額は約600%増の13兆ウォンに上り、2015年には24兆5千億ウォンに達した。こうしてモバイルコマースは流通産業における構造変化を引き起こし、韓国の流通産業に新たな活力を生み出しているのはもちろん、消費パターンまで変えている。




どこにも持ち歩きやすいモバイル端末を使うことにより、消費者らはいつどこでも自由に買い物をすることができるようになった。商品を購入しなくてもモバイル端末からいつでも商品情報を取得し、ショッピング情報を得る消費者が増えることにより流通業者と顧客の接点が飛躍的に増加した。さらに流通チャネル間の移動が容易になり、オフラインでショッピングをする際にもモバイルから商品を購入・決済したり、モバイルクーポンを探してオフラインショップで割安の価格でショッピングをすることもできる。企業らもこうした消費パターンの変化を積極的に活用している。たとえばロッテ百貨店は百貨店の周辺にいる顧客にリアルタイムで店の情報や割引クーポンを提供することによりオフラインショップへの訪問を促している。

流通産業においてモバイルコマースの登場は2つの重要な意味をもつ。まずモバイルコマースの拡大は成長が止まっている韓国の流通産業に新たな活力を与えている。次に、モバイルコマースの登場によりマルチチャネルを利用したショッピングの傾向が強まっている。モバイル端末を使ったリアルタイムでの情報検索と購入、決済が簡単になり消費者が1つの商品を購入する際も複数の流通チャネルを同時に利用し、チャネル間の境界が崩れている。

モバイルコマースへの市場変化を認識した韓国の主要流通業者もモバイルコマースを積極的に取り入れている。ただ、モバイルチャネルの導入により流通業者のモバイル部門における売上は急激に増えたものの全体の売上は伸びず、利益はむしろ減少している。たとえば、最も積極的にモバイル部門を取り入れたテレビショッピング3社の全体売上はやや増えたが、モバイル部門の割引特典や低い手数料、積極的なキャンペーンの展開により利益が減少、一部企業はテレビチャネルの売り上げが少し下がった。モバイルコマースにより新規の顧客を取り込むよりは従来の顧客がモバイルチャネルへと移っただけだど思われる。こうなると従来流通チャネルの立場はさらに狭くなる。

これらの変化を韓国より先に経験した海外のメジャー流通業者は、流通チャネル間の競争による収益の減少を予防するとともに消費傾向の変化に対応するためにオムニチャネル戦略を採用し始めた。オムニチャネル戦略により従来は別々に運営されたオンラインとオフラインの流通チャネルを有機的に統合することで、流通チャネル間の競争を減らした。また消費者が1回のショッピングに複数の流通チャネルを同時に利用するマルチチャネルのショッピング傾向に対応し、流通サービスの品質を向上させ消費者にロイヤルティを確保した。




モバイルコマースの拡大は流通産業の量的成長を促進し、オムニチャネルにより流通産業または流通企業は内面の有効化を実現することができる。その意味で韓国は現在の流通産業におけるモバイルコマースとオムニチャネルの重要性を認識し、それを成長させるための土台を作る必要がある。

前述したとおり、オンライン・オフラインの流通業者らによるモバイルコマースの拡大努力から、モバイル部門の売上は急成長を成し遂げた。しかし、今の流通業者におけるモバイルコマース部門の成長は、企業全体の売上拡大というよりはチャネルの切替に留まっている。モバイルコマースの成長がチャネル間の移動に留まらず全体流通産業の活性化につながるには企業と政府レベルの努力が求められる。

企業はただモバイルコマースを取り入れるだけでなく、チャネル間の競争を触発せずに共同成長を達成できる新たな流通戦略を策定する必要がある。さらに政府レベルでも流通産業の活性化に向けたモバイルコマースの環境を整えるべきである。グローバル市場への参入も考えなければならない。米国の場合、2014年の感謝祭の時期にオンラインショッピングでモバイルコマースが占める割合が50%を超えた。中国もオンラインショッピングでモバイルの割合が2011年の1.5%から2013年には9.1%と急成長を見せた。中国では昨年から第4世代移動通信(4G)サービスが開始され、中国内モバイルコマース市場の成長はさらに加速すると見込まれる。

世界的にもオンラインショッピングでモバイルコマースが占める割合が高まるなか、モバイルコマースを利用した海外市場への参入も考える必要がある。そのためには外国人向けのオンライン決済システムを改善することが急務といえる。韓国内のオンラインおよびモバイルショップの場合、外国のようなワンクリック決済システムの構築が不十分である。簡便決済システムの導入も議論されているが、様々な規制のため遅れているのが現状である。急激に変化する流通市場に立ち遅れないためには企業と政府両方の速やかな対応が求められる。

なお、モバイルコマースの拡大が独自のモバイルアプリのない中小規模のオンラインショップ業者や伝統市場の状況をさらに悪化させる結果になりかねない。伝統市場の売上は2005年の27兆3千億ウォンから2013年には19兆9千ウォンに落ち込んだ。モバイルショップ利用者の60.1%はモバイルアプリで製品を購入することもわかり、その傾向は段々強まっている。そのためモバイルアプリを構築しにくい伝統市場の小商人やオンラインショップ業者がモバイルコマース市場で取り除かれる恐れが強い。

モバイルプラットフォームを中心に流通市場が早いスピードで再編される今、変化の流れについていくことができなければ伝統市場の小商人や中小規模のオンラインショップが淘汰される可能性はさらに高まる。従って、流通産業全般のバランスよい発展のためには政府レベルで個別店舗および中小規模の事業者を組織化するとともに、モバイルアプリの制作を支援することで消費者のアクセシビリティを高める必要がある。



出展:ク・ジンギョン、イ・サンヒョン、イ・ドンヒ
「新流通チャネルの登場に伴う流通生態系の変化に関する研究:
モバイルショッピングの拡散とオムニチャネルの登場(2015)」、
産業研究院



< 本稿の内容は、筆者の個人的見解であり、 必ずしもKOTRAが所属する組織の見解ではありません。>

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