原産品判定
税番変更基準による原産品判定
概要
税番変更基準とは、域内における生産工程によって非原産材料の税番が変更になった場合、非原産材料を原産品として認める基準です。この基準では、税番がどの程度の範囲で変更になれば原産地基準を満たしたものとみなすのかという点が重要ですが、通常6桁、4桁、2桁基準の3つの類型があります。
税番変更基準の例
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税番変更基準の例 区分 品名 原産地 原産地
確認書HSコード 原材料名 ABS樹脂 中国 X 3926.10 HAC8270 KR O 3926.10 PP樹脂 KR O 3902.10 HSP-375 不詳 X 3902.10 HDC HL125 KR O 3902.10 M1252 不詳 X 3902.10
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原産地不詳または非域内産原材料のHSコード4桁が完成品のHSコード4桁とすべて異なる
6つの原材料を投入し生産した自動車ドアトリムは原産地決定基準(CTH)
を満たすため、域内産製品として認める
税番変更基準は製品及び原材料に対するHSコードの管理が大切ですが、これは通関士などの専門家を通すか、分類に対する異見がある場合は関税評価分類院の品目分類事前審査を通してその立証書類を用意しておくことが望ましいです。
付加価値基準による原産品判定
概要
域内で一定水準の付加価値が創出された場合に原産品としての資格を認めるための基準であり、計算方法によって控除方式、積上方式、純原価方式、MC方式の類型があります。
付加価値基準の例
付加価値基準の適用は原材料台帳、製品台帳及び社内の原価政策などに対する情報が裏づけされなければ、その後の検証に対応しにくくなります。
加工工程基準
域内で協定により定められた工程を経た場合に原産品としての資格を認めるための基準であり、主に石油製品、化学製品、プラスチック、繊維製品などに採用されます。加工工程基準は実際にその工程を経て生産したという立証書類をもって裏づけされなければならず、工程を行える施設リスト及び生産日誌などが必要となります。