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韓国進出の成功事例

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ズエリグ・ファーマ・コリア(Zuellig Pharma Korea)
作成日
2016.05.16

社会に健康を届ける

医薬品流通業界をリードする企業「ズエリグ・ファーマ(Zuellig Pharma)」は、

韓国の患者のニーズに応えるために、努力を続けている。


ズエリグ・ファーマ・コリアは「点」と「点」をつなぐような事業を展開している。

ズエリグ・ファーマ・コリアのスタッフたちは、災害発生に備えた事業継続計画を策定するために、多くの時間を投入している。日本東北大震災により福島原子力発電所の事故が発生した2011年、同社は放射性落下物が韓国を汚染させる場合、いかにして韓国国民に医薬品や医療サービスを提供できるかを考えた。

韓国で中東呼吸器症候群(MERS)が流行していた2015年、ズエリグ・ファーマ・コリアは患者に必要な薬だけでなく、有益な関連情報も提供した。情報の間違いや不足を防ぐために、韓国の疾病管理本部が発表したMERS関連情報小冊子6万部を、遠隔地を含む韓国全国の薬局に配布した。

ズエリグ・ファーマ・コリア代表理事のChristophe Piganiol氏は、「社会に健康を届けていきたいと思います」と話す。「単なる医薬品の流通に止まらず、患者さんがより健康な生活を送れるように、私たちにできることを模索しています。これが、ズエリグ・ファーマ・コリアのビジョンです」。

アジアを代表する医薬品流通会社のズエリグ・ファーマはシンガポールに本社を置き、世界14ヶ国に支社を構えている。医薬品・医療機器・臨床研究試料の流通、営業、マーケティングアウトソーシング、患者向けプログラム、医療保健者ソリューションサービス、小売薬局関連事業などを展開する。

フィリピンに移住したスイス人の医者により1922年設立されたズエリグ・ファーマは、アジア太平洋地域を中心に、35万以上の病院、薬局、クリニックなどを顧客として抱えている。

ズエリグ・ファーマは、韓国・多国籍薬剤師からなるコンソーシアムが韓国での事業強化と流通基準改善に向けた協力・協業を要請したことを受けて、1997年韓国市場に進出した。同社は、韓国が高い開発率と成長潜在力を持つ魅力的な市場であると判断した。そこでソウルに事務所を設け、低温流通システムや医薬品管理などに力を入れながら、企業に高品質のサービスを提供し始めた。現在、韓国医薬品流通に占めるズエリグ・ファーマ・コリアの市場シェアは25%に上っており、流通以外の多様なサービスの開発にも取り組んでいる。

Piganiol氏は、「韓国はインキュベーターとしての役割を担っており、当社が開発した多数のサービスを育んできました。そのおかげで、当社は業界で多くの優秀事例を保有することができました」と語る。

韓国で先に開始されたサービスとしては、倉庫貯蔵管理・流通に対する高いサービス基準の策定、ズエリグ・ファーマ・コリアが流通する年間1億2千万の医薬品に対する一連番号・追跡システムの導入、患者の社会経済的背景に基づいて適正な価格を設定するプログラムの実施、パネル検討を通じて職員のキャリア開発を評価する人的資源プログラムの開発などを挙げることができる。

Piganiol氏は、ズエリグ・ファーマ・グループの初の人的資源プログラムが韓国で開始された理由について、「韓国は他の国に比べ、安定した業務構造を持っています。そのおかげで、ズエリグ・ファーマ・コリアは職員をより安定的に確保することができます」と説明する。

韓国の先端技術環境に着目し、ズエリグ・ファーマ・コリアは自社初の電子商取引サービスを韓国に構築した。電子商取引サービスは取引用プラットフォームだけでなくオンライン教育プログラムを提供し、本社のウェブオーダーシステムをモバイルアプリケーションにして、薬局が医薬品を簡単にオーダーできるようにした。このようなサービスは今後、ズエリグ・ファーマの他の支社にも導入される予定だ。

計12ヵ所の事務所(営業事務所6、物流センター6)を運営し、約250人の職員を抱えるズエリグ・ファーマ・コリアは、次第に事業を拡大している。同社は2014年、医薬マーケティング・患者管理専門ソリューションを提供する「ズエリグ・ファーマ・スペシャルティ・ソリューションズ・コリア」を設立し、さらに45人の職員を採用した。

2015年ズエリグ・ファーマが達成した主な成果の一つは、高血圧治療薬の「Kanarb」を東南アジア13カ国に販売できるよう、韓国の保寧(ポリョン)製薬と独占的ライセンス契約を締結したことだ。

「韓国は、国内で生まれたスマートイノベーションを海外に輸出できる能力を持っています」と、Piganiol氏は話す。

米国や欧州連合(EU)など、様々な国との間で締結した韓国の自由貿易協定(FTA)ネットワークと、韓国政府が「2020年世界トップ7の製薬大国」を目指して発表した「ファーマ2020ビジョン」は、ズエリグ・ファーマ・コリアが韓国国内の輸出会社との協力を拡大し、製薬会社の海外進出を支援する上で重要な役割を果たすと期待される。

Piganiol氏は、ズエリグ・ファーマが韓国を重要な市場に位置づけるもう一つの理由として、高いスタンダードと優秀な人的資源を挙げ、「韓国は業務・技術・開発のスタンダードが高いため、当社は新しい優秀事例を創出することができます」と話した。

同氏はまた、「韓国人職員の持つ高い業務能力と職業倫理は非常に印象的でした」とした上で、「計画を実行に移し、迅速に推進する姿は驚異的というほかありません」と付け加えた。


By Chang Young
(元)専門委員 / Invest Korea


ご存知ですか。
ㆍズエリグ・ファーマ・コリアは乳がん予防を目指し、ピンク(乳がんキャンペーンの象徴)バスに乗って、遠隔地を含む韓国全国を訪問している。
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