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韓国進出の成功事例

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メルクコリア(Merck Korea)
作成日
2016.12.05

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単なる利潤追求を超えて協力と革新を生み出すメルクコリア(MERCK KOREA)


1668年、ドイツのダルムシュタットでフリードリッヒ・ヤコブ・メルク(Friedrich Jacob Merck)が起業したメルク(MERCK)は世界で最も長い歴史を有する医薬品、生命科学、機能性素材の専門企業である。現在、66の国と地域に進出しており、従業員数は約5万人にも上る。科学研究と生産のための最先端システムからスマートフォン、LCD TV用の液晶に至るまで、私たちの暮らしをより改善できる技術を開発しているメルクは生命科学と機能性素材事業を拡大すべく韓国に進出するようになった。最近では、韓国仁川の松島に「M Labコラボレーションセンター」の開設を通してバイオ製薬会社の抱えている問題を解決し、新薬の開発・生産をよりスピードアップできる環境を提供している。

KOTRA Expressはメルクコリアのミヒャエル・グルント(Michael Grund)代表に「韓国に技術開発に対する最適の環境が整っている理由」を伺った。

韓国で事業を拡大しようとお考えになられたきっかけは何でしょうか?

韓国では少数の大企業が絶対的な影響力を行使しています。こうした大企業は韓国のみならず、グローバル市場でも高いプレゼンスを確立し、各分野をリードしています。メルクは韓国に初めて進出した約20年前からこれらの大企業と協力を深め、韓国経済の発展を後押ししてきました。韓国のディスプレー産業が成長した時期に、ディスプレー素材のグローバルリーディングカンパニーであるメルクも共に成長したのがその代表的な例と言えるでしょう。メルクは韓国企業と共同成長を目指し、サプライチェーンと製品生産はもとより、研究開発分野にも投資を行っており、応用センターと教育センターを設立しました。

また、メルクは韓国政府の持続的な支援と安定的な経済環境はもちろん、韓国人の「成せばなる(can-do spirit)」という考え方を高く評価しています。

韓国が外資系企業にとってより理想的な投資・ビジネス環境を作るためには何が必要だとお考えでしょうか?

税金や規制などの条件が変わりやすいと長期投資計画を樹立することが困難になるので、安定的かつ予測可能な事業環境が必要です。また、メルクグループ内で各国の事業所が競争し合っているので、本社から必要な資源を確保し、韓国での事業を引き続き進めていくためには現地政府の支援がとても重要です。

韓国企業とは深い協力関係を保っているのでしょうか。

メルクは事業の殆どを韓国のグローバル企業と一緒に進めています。韓国企業とメルクはお互いに信用し連携しながら、研究開発の初期段階から深い協力関係に基づいた輝かしい結果を出しています。こうした関係は事業が発展する上で強い基盤になっています。

韓国や東アジアの市場に対する目標やビジョンがあれば教えてください。また、韓国に追加投資の計画はあるでしょうか。

メルクはお客様のおられる場所に存在します。アジア太平洋地域の売上がすでにヨーロッパの売上を上回っているだけに、メルクにとってアジア地域は大変重要なマーケットです。また、メルクは未来成長エンジンに積極的に投資を行いたいと考えており、そのための準備もできています。韓国では電子、ディスプレー、バイオ分野の新技術が有望な成長エンジンになると見越し、そこにウェートを置いています。昨年OLED応用センターを設立したのに続き、松島に「M Labコラボレーションセンター」を開設し、仁川経済自由区域庁(IFEZ)と了解覚書(MOU)を締結したのも未来の成長エンジンに対する事前投資の一環でした。

最近、松島にM Labコラボレーションセンターを設立されたのですが、松島を選んだ理由とM Labにかけている期待について説明してください。

仁川松島はバイオ産業の中心地であり、同分野でグローバルに活躍している韓国企業の研究開発と事業活動の基盤でもあります。メルクはその企業らがさらに発展できるよう最大限の努力を払っており、最近には既存のM Labコラボレーションセンターを松島に移転しました。M Labではメルクの製品とサービスを直接利用でき、講義室で実際に体験を通して教育を受けることもできます。さらに、工程の最適化のための装備が揃っているので、顧客社はバイオ工程を開発でき、製品発売にかかる時間を短縮できます。仁川市とIFEZからも持続的に支援を頂いているので、バイオ生態系の構築の追い風になると思います。

アジアに進出しようとする外国企業にアドバイスをお願いします。

韓国は今まで数多くの成功事例を通して競争力の高さを証明し、様々な産業をリードしています。しかし、激変する経済環境を考えると、過去の成功公式が未来にも有効だとは断言できません。ですので、未来の変化に備えるためには企業や組織間の国境を超えた協力が不可欠です。こうした協力はお互いにとって長期的な利益にならなければならず、その関係はお互いに対する尊重と信頼に基づいて築かれることが重要です。未来の繁栄のためには、こうした関係構築が必須と言っても過言ではないでしょう。


By Esther Oh (estheroh@kotra.or.kr)
Executive Consultant/Invest Korea



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