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韓国進出の成功事例

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サフランコリア(Safran Korea)
作成日
2017.01.03

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協力と革新に持続的に投資し発展につなげているサフランコリア


韓国とフランスは地理的には遠く離れているけれど、強固なパートナシップを維持している。1886年に国交を正常化した両国は様々な分野において深い関係を保ってきた。最近では国交正常化130周年を迎え、両国間の交流を深めるべく「2015-2016韓仏相互交流の年」を指定し、イベントを開催した。このように両国が長年にわたり友好関係を築いてきた背景には、民間レベルの交流の深さに負けないほど両国の過去と未来の歴史を共にしているサフラン(SAFRAN)のような企業の努力がある。

世界的な先端技術を誇るサフラングループは航空宇宙、防衛およびセキュリティが主力事業であり、業界をリードしている。フランスに本社を置き、グローバルに事業を展開しているサフランの従業員数は7万人で、2015年の売上高は174億ユーロにも上った。サフランは世界の主要市場において独自に、またはパートナシップを通して首位を堅持している。KOTRA Expressはサフランコリアのアレクシ・ド・ペルポール(Alexis de Pelleport)代表理事に航空・防衛産業の世界のトップを走る秘訣について伺った。

サフランの事業についてご紹介お願いします。

航空宇宙分野では固定翼や回転翼1)の民航機と軍用機に搭載されるエンジンの設計・製作・テスト・販売・メンテナンスまでのサイクルをすべて管理し、事業を展開しています。また、システムと装備の生産も行っています。弊社の製品は最新のリージョナル・エアクラフト(座席数が90席以下で中短距離向け)と業務用航空機、ナローボディやワイドボディ2)のメインラインジェット機(座席数が90席以上で長距離向け)に利用されています。なお、様々な分野の技術力に支えられエンジンやエンジンルームの統合推進システム、民航機の電子・着陸システムなどを民航機メーカーと航空会社に一つのパッケージとして提供しています。

防衛産業ではオプトロニクス(光学(optics)と電子工学(electronics)を融合した複合先端事業)、航空電子工学、航法、電子・安全に必須なソフトウェアなどの主要分野で民間・軍用装備とシステムを供給しています。弊社の製品は国土安保と警察、税関、海洋、山岳救助チームの業務の効率化に貢献しています。また、世界各国の空軍、陸軍、海軍の国防活動にも役立っています。

セキュリティ分野においては爆発物や違法薬物の検知、マルチモーダル生態認証、機密文書、インターネット取引など多様な分野のアプリケーションと技術を確保しています。

サフランの技術によって個人はもとより、企業と国家の安全とセキュリティが向上しています。弊社の技術は運送手段、社会インフラ、安全な取引に役立ち、人と製品を守ります。

サフラングループは数年前、韓国に「サフランコリア」を設立されましたが、韓国に進出した理由は何でしょうか。

サフラングループの子会社の製品が韓国市場に進出してから30年余りが経ちました。

現地に進出しなければ、お互いの信頼に基づいた関係は形成されにくいと思います。そこで弊社は韓国に子会社を設立しようと思うようになり、光栄にも私が初代CEOを務めることになりました。

韓国人は優れた生産能力はもちろん、技術力と生産力を発展させる上で常に大きな力量を発揮します。そうした高い競争力が故に、先端技術を持つサフランにとって韓国は潜在力の高いパートナと言えましょう。韓国の航空宇宙産業と防衛産業の未来はとても明るいと思います。

サフランコリアが韓国に進出してまだ間もないため、最初は難しい点も多かったと思いますが、いかがですか?

チュルボメカ、サジェム、スネクマ、メッサー・ブガッティ、ラビナルパワーシステムなどといったサフランの子会社は韓国でかなり知られていますが、「サフラン」というブランドの知名度はそれほど高くありません。また、政府や多くの韓国企業はそれらの子会社がサフランが全額出資した子会社だということを知らないことが多くあります。

そこでサフランはグローバルなリーディングカンパニーとしての存在感を高め、グローバル市場での成長に拍車をかけるべく、子会社にサフランの統合ブランドを適用することにしました。現在は全グループ会社がサフランのマークを共通して使用しています。

弊社は顧客、関連会社、株主、従業員など、皆様の利益を高めるためにサフランのブランドイメージを大きく向上してきました。単一のブランドに統合したことで、韓国内におけるサフランの知名度はより高まると期待しています。また、弊社が進めている事業はもとより、製品やサービスも注目を集めるとみられます。

韓国とフランスは特に事業分野において多くの成長を遂げてきました。両国の事業協力をより強化するために、サフランはどのようなことに取り組んでいるのでしょうか。

サフランはオプトロニクスシステム、慣性航法装置(inertial navigation system, INS)、ヘリコプターのエンジンや着陸装置を韓国軍に調達しており、この事業に関しては殆どを韓国企業と協力しながら進めています。

例えば、慣性航法装置はハンファディフェンス、ヘリコプターエンジンはハンファテックウィン、ヘリコプター飛行制御システムはヒュニードと協力しています。

セキュリティ産業においては仁川・プサン空港の手荷物内にある爆発物を検知するシステムを提供しています。

また、民間空港産業では韓国で使用されている商用航空機のエンジンを供給しています。

サフランは韓国と長らく協力関係を築き、発展と成長を遂げ続けている韓国の潜在力と韓国人の底力を考えると、今後より多くのことを共に成し遂げていけると考えます。成功に向けたパートナシップはこれからです。


By Esther Oh (estheroh@kotra.or.kr)
Executive Consultant/Invest Korea




1) 固定翼や回転翼:飛行体の作動方式の違いによる分類で、翼が回転し飛行に必要な揚力の全部または一部を発生させるヘリコプターやドローンなどを回転翼といい、一般の旅客機や戦闘機など翼が固定しているのを固定翼という。

2) ナローボディやワイドボディ:航空機胴体の幅による分類で、通路が一本で幅が小さい航空機をナローボディ、通路が2本で幅が大きい航空機をワイドボディという。

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