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韓国進出の成功事例

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フィンエアー(Finnair)
作成日
2017.08.01


世界で最も安全で歴史の長い航空会社「フィンエアー」 ~韓国を拠点に地盤を固める~


長距離飛行は息苦しく感じられることが多い。よく飛行機に乗るという人も狭い座席やお荷物の紛失、運行遅延などを経験すると疲れ果ててしまうだろう。機内食が口に合わないとその疲れは増す。それに毎日のように報じられる顧客サービスをめぐるメディアの否定的なニュースも重なれば、大手航空会社は利益減による損失を埋めるためより必死になる。さて、ここにそれとは違う道を歩む企業がある。顧客感動のために常に上を目指す「フィンエアー(Finnair)」だ。

1923年に創立された「フィンエアー」は、世界で最も長い歴史を誇る航空会社の一つで、フィンランド・バンターに本社を置いている。アジアと欧州を結ぶ路線を中心に、北欧でしかできない特別な思い出を作ってくれる。多くの航空会社が乗務員の定員縮小に追われる中、同社は2015年に過去最多となる採用に乗り出し、2018年まで350人の客室乗務員を雇用する計画だ。顧客満足と安全改善のため走り続けた結果、「パリ航空ショー(Paris Air Show)」で発表されるワールド・エアライン・アワードで8年連続、北欧最高に選ばれた。これは105カ国の1900万人の乗客を対象に行ったアンケートに基づいた実績だ。また、今年1月にはオフィシャル・エアライン・ガイド(OAG)が毎年発行する「定時運航率ランキング(Punctuality League)」では2016年の定時運航率が84.2%と世界16位になった。

同社では定時到着を重視するほど目的地に着くまでの時間も大事に考えている。2015年に新鋭大型エアバスA350を導入した同社は、最新技術が取り入れられた旅客機で先進的な機内サービスを提供している。お客様に空の旅を楽しく安全に楽しんでもらうため最先端のエンターテインメントの「Nordic Sky」とWi-Fi(無線LAN)など様々なコンテンツとサービスが提供している。「Nordic Sky」の特別プログラムはビジネスクラスの16インチスクリーンとエコノミークラスの11インチスクリーンに表示され、機内食、機内照明、機内販売など離陸から着陸までの間、乗客へお知らせを案内する。このサービスにより、乗客は飛行中にもスケジュール管理を行うことができる。

欧州とアジアに住む人を主なターゲットにする同社の目標の一つは、2020年までアジアの運航機数を2010年の2倍にまで増やすことだ。「我々の戦略は地理的優位性と右肩上がりの成長を遂げているアジア・欧州区間の航空旅客市場で最も早い乗り換え便を確保すること」と、同社のキム・ドンファン韓国支社長は語る。さらに「弊社はアジアの主要航空に24時間以内に循環できる路線を持つ唯一の欧州航空会社」と説明した上で「つまり、これは旅客機1機で定期路線をつなぐ両地域を24時間以内に行き来できることを意味する」と述べた。

こうした効率の高さゆえに同社は長距離路線において記録的な運効率を達成し、運行時間の制限による人材の追加確保の手間を省き、短くなった飛行時間のおかげで燃料消費と排ガスを削減することができた。

韓国発着の旅行客が増えるにつれ2007年1月同社は韓国に支社を設立し翌年6月から仁川・ヘルシンキ間の直行便の運営をスタートした。キム支社長は北欧の文化や教育制度、美しい景観に関心を示す韓国人が増えているという。

世界ではすでに確固たる地位を確立した同社だが、韓国に始めて進出した際には現地人を満足させるためには更なる努力が必要だと認識していた。最高のサービスと心地よさを実現するため同社は韓国人の乗務員を雇いヘルシンキ空港に韓国語の案内板を設置。機内食として韓国料理を提供したりもした。特に注目に値するのは、貯まったポイントを韓国デパートの商品券に引き換えてくれるマイレージシステム「Finnair Plus」を導入したことだ。その結果、韓国は同システムの利用客が2番目に多い国となった。

また、2012年からはフィンランドのデザインブランド「マリメッコ(Marimekko)」と協力し、機内食に使われる食器や毛布など機内のアイテムをデザインしてもらっている。キム支社長は「弊社のためにマリメッコのオリジナルデザインや落ち着いた青、緑、グレーの色は北欧独特の平穏さや心地よさを機内でも存分に感じさせる」と話し、「ビジネスクラスに提供される食器に使われる軽量の焼き物をはじめ、すべてが機内用として特別に作られた」と述べた。

韓国は同社にとってビジネスしやすい国だと判明されたが、まだまだ規制緩和が必要だとキム支社長は指摘する。他国との規制の違いにより、外国人投資家が韓国市場に参入するのを妨げているからだ。彼は韓国が公正競争の足かせになる市場保護政策をとれば、より魅力的な市場になると加えた。

フィンエアが進む次のステップは何だろうか。多くの韓国人にとってフィンランドはまだ慣れない国。そのため同社はフィンランド観光庁と共同で最短5時間~最長5日までのフィンランドを体験できる「StopOver Finland」プログラムを運営している。キム支社長は同社がさらに早いスピードで成長できるよう、持続的な投資を通してビジネスやデジタルの変化を積極的に受け入れていくと意気込んだ。


By Esther Oh (estheroh@kotra.or.kr)
Executive Consultant/Invest Korea



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