本文のショートカット メインメニューのショートカット

韓国進出の成功事例

  • Home
  • Why KOREA
  • 韓国進出の成功事例
ロバート・ウォルターズ・コリア(Robert Walters Korea)
作成日
2019.04.30

ロバート・ウォルターズ韓国支社長であるダンカン·ハリソンは,韓国のHR業界に対する知見と韓国での事業経験を共有してくれた。


イギリス出身のダンカン・ハリソンは、ロバート・ウォルターズ日本支社の商業金融チームを7年間率いた後、2014年7月、韓国支社長に赴任した。

代表的なグローバル採用コンサルティング企業であるロバート・ウォルター・コリアは、ハリソンのリーダーシップの下で持続的に成長し、2018年まで5年連続二桁収益率を記録した。また、雇用市場の動向や主要採用関連の報告書を提供し、外国語ができる人材採用の部分において先導的な役割を果たしている。

本紙はハリソン支社長から韓国のHR産業に対する彼の見解と韓国での事業経験を聞いてみた。

ロバート・ウォルターズとその歴史について説明してください。ロバート・ウォルターズはどんなサービスを提供しますか。

ロバート・ウォルターズは1985年にロンドンで設立されて以来、速いスピードで成長してきました。2010年に韓国に進出し、来年は韓国進出10周年になります。私は2014年に日本支社から韓国支社に移しており、今年7月には韓国に来てから5年目になります。

サービスについて説明すると、私たちの顧客の多くはグローバル企業です。顧客の中では、英語能力を持っている志願者を必要とする韓国企業も一部存在するが、顧客の80パーセントはグローバル企業です。ロバート・ウォルターズは英語ができるグローバル機関に勤務した経験のある韓国人専門家の採用に特化しています。中間または高位職人材の採用を専門とし、新入社員には該当しません。

組織構成は、専門分野別の担当チームを運営し、技術部分に2チーム、消費財およびリテール、化学、ヘルスケ、自動車および半導体、工業、財務および会計、金融サービス、HRの分野など、それぞれのチームを保有しております。各チームはマネージャとコンサルタントで構成されており、彼らは各担当分野で完璧な専門家です。もし会計士を採用しなければならない場合は、当社の会計担当チームに連絡してください。彼らはすべてを知っているので、実力のある志願者を早いうちに紹介できます。彼らは元会計士であったり、会計分野において相当の知識を保有している専門家です。

韓国支社を設立した理由と韓国で事業をするメリットは何でしょうか。

私は2010年韓国支社の設立後、数年が過ぎて合流しましたが、当時、当社はアジア内で相当の影響力がありました。アジアの主要拠点である日本と香港にもっと大規模の支社があったが、そこの顧客から韓国の雇用に対する要請が多かったです。しかし、韓国に支店がなく、韓国人採用に特化していなかったため、そのような要請を断らなければならなかったです。2009年になってこそ、当社は韓国を訪問し始めました。現地の顧客と話し合いながら市場調査を行った結果、韓国が最適のマーケットになれるという結論を出しました。2010年、ただ4人の職員で韓国支社を開設して以来、現在の規模に発展しました。

韓国の代表的な強みは、とても熟練し、才能のある人材です。教育や技術水準が非常に高い人材がおり、特に20代と30代の資源者らの多くは立派な英語の能力を持っています。韓国に来る前、7年間日本にいるときは外国語ができる十分な資格を持つ志願者を探すのがとても難しいでした。一方、韓国では適切な技術と高いレベルの英語力を持っている志願者を探すことがあまり難しくありません。特に、日本や中国と比べると、韓国の最大の強みは高いレベルの英語力を備えた人材だと思います。

また、韓国内の外国企業の立場から、次第に多くの外国企業が韓国市場に進出していることもメリットを受けられる点です。昨年、韓国の外国人直接投資(FDI)は過去最大であり、韓国に進出した外国企業の数も最高水準です。市場に進出し、人材雇用を必要とする外国企業を顧客としている当社には、非常に有利な環境です。

韓国のHR産業は他の国とどんな違いがありますか。

韓国には中間あるいは高位人材の採用に特化している大型グローバル採用企業があまりありません。実際に、数千の小規模現地採用会社がありますが、当社が進出している他の国々のように、多くのグローバル採用企業と競争する状況ではありません。

例えば、イギリスでは、採用代行企業を通じた求職活動が当然のことで、求職の際に考慮する最も優先的に行われる方法です。アメリカでも同じですが、韓国ではそうではありません。大部分の人々が依然として人脈、血縁、学縁などのネットワークを通じて仕事を求めていますが、言い換えればこれは当社のような採用代行企業を通じて求職活動をする人々の割合を拡大する機会とも言えます。

韓国の人的資源分野の現在の動向はいかがですか。

全般的な動向は、前述の通り、FDIの増大および韓国に進出する外国企業数の増加があります。

また、韓国や世界で共通する採用関連のトレンドは、あらゆる産業分野においてほぼ前例のない変化を経験している点です。これは採用市場に大きな影響を与えるが、一例として、人々は2年前には存在すらしなかった職種に従事しています。例えば、企業のデジタル競争力を高めるためのコンサルティングを提供するデジタル革新専門家を採用するニーズが高いです。この職種は、数年前までは存在さえしていなかったが、現在はこの専門家に対する需要は多すぎる反面、適した志願者は制限的です。また、他の例としてビックデータの専門家も挙げられます。全ての企業が大量のデータを活用しようと思います。しかし、多くの企業は公開されているビックデータを活用する方法も知らないのが現状です。今も、ビッグデータ専門家に対する要請は多いですが、実力を持っている専門家は不足な状況です。

韓国により限られた動向は、最高の人材を採用しようとする競争がますます激しくなっています。多くの外国企業が韓国に進出し、FDIも増加傾向を見せている状況で、雇用の性格もあらゆる分野で速く変化しています。その結果、より多くの企業がさらに採用を進め、その中で特定の職種に適合した志願者が不足する場合が発生し、ある部門では、転職をする際に年俸が大きく引き上げるケースもあります。

また、昨年最低賃金の引上げなどの変化により、全般的なコストが増加したため、企業はコスト削減のための方策を模索しています。このような状況に対応するため、新たに浮上している職種は、スマート工場運営コンサルタントです。韓国では大きい市場であり、韓国はいつも新技術分野をリードしているので工場自動化に有利な状況です。すべてが本当に速く変わっています。

韓国で事業する間、経験した困難はどのようなものでしょうか。

外国企業として採用進行過程で最も重要なことは信頼を得ることです。当社は資源者と企業の両方から信頼を得なければなりません。韓国のような国では特にこのような部分にたくさんの努力を傾けなければならないと思います。韓国での採用は、相当部分で関係に依存しており、外国企業に対しては韓国に進出した意図が何なのか、なぜ支社を設立したのかなど、ある程度疑念を抱くからです。したがって、私たちは信頼関係を構築し、企業と求職者の価値を高めるために、さらに努力しなければなりません。

韓国がロバート・ウォルターズのような外国企業に、より理想的な事業環境を提供するためにはどうすれば良いでしょうか。

韓国はすでにビジネスを展開するのに有利な長所が多いです。戦略的な要衝であり、中国に近接し、有能な人材が多いです。さらに、もし人材の構成がより多様化すれば、企業にもっと理想的になるだろうし、韓国にも理想的になると思います。例えば、韓国では女性役員の数が少なく、女性の参加率が全般的に低いレベルであり、この部分がより理想的に変化する可能性があります。日本と韓国で完全に同一の職種についての採用を進めば、日本では半分を女性が占めるが、韓国ではその割合が32パーセントしかなりません。

また、性別だけでなく外国人人材により開放されればいいと思います。韓国が直面している最大の挑戦課題は、今後10年以内に人口が急速に減少し、競争力維持に必須な雇用を担当する熟練された人材が不足するようになる状況です。もう一度日本を例に挙げてみます。日本では、人口が減少しつつある状況のため、また女性を労働人口に投入し、外国人人材を増やして乗り越えようとする積極的な措置をとっています。日本で行われている雇用の約23%を外国人人材で構成されている反面、韓国では約2%に過ぎません。

ビジネス・パートナーシップを強化するために、韓国のどのような企業や政府機関と協力しましたか。

各機関では、多くの外国商工会議所およびコトラと協力します。イギリス企業であるため、自然に駐韓英国商工会議所と活発に協力し、駐韓欧州商工会議所(ECCK)、フランス、ドイツ、スペイン、オーストラリア、駐韓米国商工会議所などとも協力しています。

韓国およびアジア地域の事業においてロバート・ウォルターズの今後の計画は何ですか。

かつては釜山や蔚山のような大規模な製造業の顧客がいる地域に事務所を設立しようかと悩んだりもしました。しかし韓国は地理的に大きい国ではないので、ソウルに集中する方がもっと建設的と判断しました。その代わり、私たちのコンサルタントが地方の志願者や顧客に会うために、時々直接訪問します。事業が地理的には拡大していないが、私たちは人材サービスの種類を多様に拡張しています。その一例として、昨年に3つの新しいチームを新設しました。技術部門で開発者の採用を担当するチームを新設し、B2Bで自動車チームを追加しました。また、化学及びヘルスケアは一つの大きなチームでしたが、私たちがもっと有能なコンサルタントを迎え入れることにより、この部分に対する専門化が増大するようになりました。つまり、今年をはじめ今後も職員を増やし続け、専門性を育てて人材を増大する計画です。

たとえ当社がイギリス企業であるが、企業収益の半分はアジア太平洋地域で発生します。これは同地域が今後も当社の成長分野となることを証明します。

韓国のHR部門で競争力を確保するためのロバート・ウォルターズの方策は何ですか。

人材サービスは激しい競争産業です。韓国に登録されている人材サービス企業は約5,000社に達し、当社は持続的に競争力を高めなければなりません。

当社は何よりも最高の人材を雇用しようと努力しています。外に出て販売できる商品を持っているのではないので、雇用される志願者の能力が当社のすべてです。それで多くの人々と面接を行い、かなり難しい要件を提示します。応募者10人のうち1人も経たない志願者だけが最終求職に成功します。このような厳しい採用手続きを経て、最高の人材を採用しようと努力しています。

また、顧客と志願者に対し、最大限の価値向上に努めます。毎年多数のネットワーキングイベントを進行します。今年1月、フォーシーズンズホテルに約140人のHRの顧客を招いて人材サービス市場に対する具体的な発表を行いました。また、名声のある演説者を招待し、多数の業種別昼食会及びネットワーキングセッションを開催し、毎年クリスマスパーティーや志願者のための様々な産業別ワークショップと教育セッションも行っています。すなわち、当社が共にする人の価値を最大限に高めるために、特定の産業別または総合ネットワーキング・イベントを開催しようと努めます。

当社は「量より質」に集中します。一例として、当社のコンサルタントは英語と韓国語両方とも志願者と直接面談しない限り、顧客に履歴書を絶対に送りません。私たちはできる限り徹底したサービスを提供しようと努力します。当社の目標はランダムに履歴書を伝達するのではなく、関係を強化することであり、これは企業と求職者がロバート・ウォルターズを求めることになるでしょう。


By Grace Park (gracepark@kotra.or.kr)
Executive Consultant
Investment Public Relations Team / Invest Korea
Korea Trade-Investment Promotion Agency (KOTRA)



メタ情報