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韓国進出の成功事例

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バイエル・コリア(Bayer Korea)
作成日
2019.07.02



バイエル・コリアのイングリッド・ドレクセル代表理事が直接韓国の製薬産業と韓国での事業経験を共有してくれた。


ドイツに本社を置いているバイエルは、生命科学分野に核心力量を持つ世界的な企業だ。専門分野はヘルスケアと農業で、革新と成長を通じた価値創造という目標を追求する。

1955年に作物保護事業で韓国に進出したバイエルは、戦後韓国の農業分野の支援のために重要な役割を担当した。その後も64年間、急速に成長する韓国経済のパートナーとして韓国の製薬、動物薬品、作物の保護及び生命科学分野の発展に寄与してきた。現在、専門医薬品(Pharmaceuticals)、消費者の健康(Consumer Health)、作物科学(Crop Science)の3事業部を運営しており、約740人の職員が勤務している。

イングリッド・ドレクセルは2015年1月からパイエル・コリアの代表であり、専門医薬品事業部の責任者を歴任している。  生物学を専攻し、1981年ドイツの製薬会社でキャリアを始め、複数のグローバル企業で主要職責を経た後、バイエルに合流して25年以上の間、ヨーロッパ、ロシア、中東、アフリカやアジアなどで活躍した。バイエル本社で、韓国で働くのがどうなのかを聞いたときに熱烈に「好きです!」と答えた。韓国の生活を楽しんでおり、アジア特有のダイナミズムのためにアジアが好きだと付け加えた。

本紙は、イングリッド・ドレクセル代表から直接、韓国での事業経験と韓国製薬産業に対する考えを聞いてみた。

韓国で事業を行う長所は何ですか。

ご存知のとおり、韓国はGDP基準で世界12位の先進国であり、ここ数年間成し遂げた経済的成長は驚くほどです。したがって、当社のような生命科学分野の企業にとっては、非常に魅力的な国です。韓国の製薬産業により集中して申し上げると、よく発達しているヘルスケアシステムを挙げたいです。韓国は臨床実験の初期段階から常に含まれている国です。韓国での臨床実験が重要視され、臨床実験の迅速性と正確性が認められています。また、革新的な医薬品に接することができる国でもあります。

韓国の製薬産業は他の国とどんな差がありますか。

価格体系に差があります。特に医薬品の価格は低い一方、従事者の年収水準はOECDの平均水準であるため、常にどのように収益性を悩む必要があります。しかし、韓国は革新の価値を非常に高く評価するので魅力的な市場です。

韓国の顧客を対象にしたバイエル商品の開発戦略は何ですか。

バイエルはアスピリンで長い歴史を持ち、脳卒中や心臓麻痺などの防止効果のある抗凝固薬分野で大きなシェアを獲得しています。最近では、最初の第X因子抑制剤として多くの患者に様々な意味を持つリバーロキサバン(Xarelto)にさらに集中しており、韓国はもちろんグローバル市場を先導しています。 また、当社は眼科分野でも次第に活発な活動をしています。特に、高齢による視力低下を感じるお年寄りが、孫娘の写真を見られるようにしたいです!  バイエルは、同市場でも1位を獲得しています。

女性保健分野は、初期から1位を維持してきました。特に、他の国々では、婦人科で経口避妊薬の処方箋をもらわなければならない反面、韓国では処方箋なしにも薬局で購入することができます。それで当社は女性たちが婦人科に行かないため、まだ分からない経口避妊薬の避妊以外の長所、例えば生理痛あるいは多量の生理の時の下血防止など、医師を通じて広報しようとしています。韓国での特殊な状況で、より多くの女性が婦人科を訪れるよう奨励しています。

また、腫瘍学分野も欠かせないです。当社が1位ではないが、肝臓がん部門では最高です。韓国の腫瘍患者は同分野の革新的な発展を通じて恩恵を受けていると思います。幸いなことに、他の国に比べて韓国患者の生存率は非常に高くなっています。当社も最大の支援を提供したいです。

韓国の製薬市場で目立つトレンドは何でしょうか。

韓国企業のバイオシミラー(biosimilar)への接近と活発なスタートアップ生態系のおかげで韓国はもう革新リードすることになりました。治療を支援する機器や医療機器を通じた治療を観察する機器がますます増えています。例えばスタートアップのスカイラブス(Skylabs)はモノのインターネット(IoT)を活用し、慢性心房細動を診断する指輪型探知機である「CART(Cardio Tracker)」を開発しました。心拍の測定は、指が最も正確なので、指輪型ウェアラブル機器として製作しました。心房細動は、あらゆる種類の心血管疾患を誘発するリスクがあります。

スカイラブスは、パイエル・コリアがデジタルヘルス技術スタートアップを発掘して支援するため、KOTRAと共に主催するグレンツ・フォ・アプリ(Grants4Apps)計画に最終選定されました。2016年と2017年連続、全世界のスタートアップを対象とするグレンツ・フォ・アプリで、最終優勝した4チームのうち1チームが韓国のスタートアップであるのを通じて、韓国のスタートアップ環境がどれほど活発なのか確認できます。スカイラブスは韓国でインキュベーションを経て、その後にグローバル優勝者に選定され、ベルリンのバイエル・グローバル本社でドイツの最も優秀な病院の一つであるシャリテ病院と3ヵ月間協業しました。

韓国で事業を行う間に直面した挑戦課題があったとしたら何でしょうか。

規制環境は国ごとに異なり、その面でチャレンジに直面することもありましたが、それでも多くの成果を上げたと思います。

韓国グローバル医薬産業協会(KRPIA)と緊密に協力して、政府、企業、患者が経済的負担を分担する危険分担制度(RSA)を拡大したいです。現在、危険分担制度は腫瘍分野と希少疾患のみ適用されますが、その範囲を広げるために努めています。

韓国がバイエルのような外国企業にもっと理想的なビジネス環境を提供するためには何が必要でしょうか。

何よりも私は韓国人の熱意と柔軟性に驚きます。このような特性が結局、韓国を世界で最も先進国の一つになった要因でしょう。しかし、週52時間労働上限制のような新しい政策が柔軟に適用され、文化に定着して完璧に施行されるまでは、より多くの融通と時間が必要だと思います。

ビジネス・パートナーシップを強化するために、韓国のどのような企業や政府機関と協力していますか。

KOTRAのような機関やスタートアップの以外にも、臨床試験を受託する臨床試験受託機関(Contract Research Organizations;CRO)とも協力しています。バイエルの内部的にも臨床試験を担当する大規模の部署がありますが、CROとの協力も持続的に行っています。また、ブランド広報のための協約も締結しており、今後もどのようなパートナーシップの機会があるか常に期待しております。

今後、韓国とアジアでのバイエルの計画は何ですか。

ここ数年、韓国とアジアで大きな発展を成し遂げました。当社は常に新しいブランドと製品を発表する非常に革新的な企業で、これからもこの点は変わらないと思います。したがって、バイエルの今後の計画は製薬産業全般の持続的な成長と歩調を合わせる計画です。

先に申し上げたように、スタートアップのアイデアはみんなに役立つので、スタートアップとの協力拡大も期待しています。

また、革新を追求するために常に大学及び関連機関と協力しています。一言でいうと、韓国で事業を行うことがとても適切なタイミングであり、これからも明るい未来が期待されます!


By Grace Park (gracepark@kotra.or.kr)
Executive Consultant
Investment Public Relations Team / Invest Korea
Korea Trade-Investment Promotion Agency (KOTRA)



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