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韓国進出の成功事例

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大韓貿易投資振興公社(KOTRA)CEOの特別寄稿文
作成日
2020.08.11


コロナ禍、大韓民国の方向は

- 危機に揺れないグローバル先端・革新ハブ –


大韓貿易投資振興公社(KOTRA)のCEO(クォン・ピョンオ)は、KOTRA Express8月号特集を記念して
コロナ禍に直面している韓国経済の現状を診断し、グローバル先端・革新ハブとして飛躍するための方向性を提示する。


急変する国際貿易、投資秩序


KOTRAは、84カ国127館の貿易館を稼働し、グローバル市場の動向をリアルタイムで把握しています。これによって、新型コロナウイルスの以前と以後で大きく変わったことを実感します。巨大な台風の真ん中にいると感じます。

OECDによると、今年第1四半期に大多数の国がマイナス成長を記録し、WTOが今年の世界貿易規模を12.9%減少すると見込んでいます。UNCTADも2020年から2021年にかけて、グローバルFDIが30%から40%減少すると予測しています。世界経済がいつ、どのように回復するのか予測が難しい状況です。

新型コロナウイルスの感染拡大は、国家間の貿易品目と方式にも変化をもたらしました。世界的に衛生・防疫用品の需要が増加しました。レトルト食品の消費が急増し、エンターテインメント支出が増えるなど、いわゆる「ホームコノミー(Home+Economy)」商品やサービスの需要も高まっています。インターネットとモバイルを活用した非対面流通と消費がニュー・ノーマル(New Normal)として定着しています。

グローバル企業は効率性(Just-in-Time)のみならず、リスク分散(Just-in-Case)戦略を重要視するようになりました。国ごとにリショアリング(国内回帰)政策を積極的に推進し、地域レベルのバリューチェーン(Regional Value Chain)が分化するなど、グローバル・バリューチェーンに変化が起きた理由です。
 
韓国の対応戦略と方向性

コロナ禍の影響にもかかわらず、韓国は企業活動を中断することなく交易と投資を持続しています。IMFは今年の韓国の経済成長率を-2.1%と予想していますが、これは世界経済の成長率(-4.9%)を上回り、先進国のうちで最も高い水準です。

韓国の貿易・投資振興機関であるKOTRAは、コロナ禍の中でも揺るぎないグローバル先端・革新ハブとして発展していくための戦略と方向性をバイヤーの皆様と共有したいと思います。
 
世界的な需要変化に注目

新型コロナウイルスは、グローバル市場で衛生・防疫用品とホームコノミー製品に対する需要を増加させています。世界各国が診断キット、洗浄剤、マスクをはじめ医薬品と医療機器全般にわたり安定的に物量を確保しています。家庭で過ごす時間が増える中、加工食品、ホーム・トレーニング、ホーム・ビューティーケアなど、いわゆる「ホームコノミ」製品に対する需要も急増しました。

新型コロナウイルスを迅速に克服したK-防疫革新力を基盤に、韓国は衛生・防疫用品の安定した供給基地として注目を集めています。今年5月の韓国のバイオ・ヘルス品目の輸出額は、前月比59.4%増加するなど、9ヶ月連続で増加傾向にあります。加工食品、掃除機などホームコノミーの輸出も30%以上増加しました。韓国輸出業界のフレキシブルな需要対応能力が立証された結果と分析されます。

世界的に流通と消費の方式も変わりつつあります。実際に、顔を合わせて直接購入する代わりに、インターネットとモバイルを活用するアンタクトが新たなトレンドとなっています。国境移動が制限されている状況で、国際取引のオンライン転換も急速に進んでいます。

貿易環境の変化に対応し、KOTRAは様々な非対面国際取引支援事業を推進しています。需要が増加している品目の韓国の優秀企業と海外バイヤー間のテレビ相談を常時提供しています。毎日100件以上の購入相談が行われています。

B2Bグローバルe-ビジネスプラットフォームである「buyKOREA(www.buykorea.org)」の機能を高度化し、取引先の発掘から代金決済および配送まで、安全かつ便利に使用できるよう改善しました。また、展示会や博覧会もオンライン方式で開催しています。


KBS 特別企画「ポストコロナ、大韓民国の方向は」に出演したクォン・ピョンオKOTRA社長



グローバル・バリューチェーン再編に対応

ご存知の通り、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、世界各国はグローバル・バリューチェーンのリスクを最小限に抑えるために様々な対策を検討しています。海外に進出した自国の企業を復帰させたり、特定の国に集中しているサプライチェーンを各国に分散させる戦略が適用されています。企業レベルでもグローバル・バリューチェーン運営の際、安全性とリスク分散対応力を重視する傾向が見られます。

大手コンサルティング会社であるマッキンゼー・アンド・カンパニー(McKinsey & Company)のケビン・シュニーダー(Kevin Sneader)会長は、今後の世界分業の様相について、オフショアリングとリショアリングが混在したマルチショアリングになると言及しました。韓国はこのようなグローバル・バリューチェーンの再編に対応し、先端産業の供給地として跳躍するための努力を強力に進めています。

まず、半導体、ディスプレイ、石油化学など既存の主力製造業のバリューチェーンを高度化し、先端素材、部品、装備の供給地としての役割を強化する計画です。韓国政府は、企業の経営環境を改善するための努力とともに、持続成長のための果敢な投資と支援を行っています。

また、コロナ禍への対応過程で立証されたバイオ・ヘルス、情報通信の融合・複合などの新産業分野への投資誘致を積極的に推進する計画です。韓国政府はデジタルインフラの拡張、非対面産業の育成などを柱とする「韓国版ニューディール政策」を策定し、大規模な財政投入を予定しています。

最近、ビル&メリンダ・ゲイツ財団(Bill&Melinda Gates Foundation)は、韓国の情報通信技術を活用した次世代防疫に対する研究を行うことを決定し、SKバイオサイエンスのワクチン研究・開発にも投資しました。新産業分野でも革新能力を持つ投資先として注目を集めていることが確認できます。

KOTRAに設置された国家投資誘致機関(IPA)であるInvest KOREAは、革新・先端分野のグローバル企業の韓国進出を容易にするため、支援を強化しています。投資家の計画をプロジェクトで具体化し、立地提供および現金支援などを企業に合わせて提示しています。

危機をチャンスに 怪我の功名

「The future belongs to thosewho change it」という名言があります。コロナ以降の私たちの姿は、私たちがどのように努力するかにかかっていると思います。韓国は過去の数々の難関を突破してきたように、今の危機をチャンスに変えていきます。

グローバル貿易、投資環境が不確実な時期にバイヤーや投資家の皆さんの困難も大きいと思います。先端・革新ハブとして発展を続けている韓国で新たなビジネスチャンスをつかんでください。KOTRAがともに歩んでいくことを約束します。


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