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韓国進出の成功事例

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カーボンニュートラルに向けた革新追及(TBD):シェフラーコリア(Schaeffler Korea)
作成日
2022.01.07
シェフラーコリアのロバート・サイデンクランツCFO

KOTRA Expressは、シェフラーコリアのロバート・サイデンクランツCFOとのインタビューで、同社の運営方式と韓国におけるビジネス活動について紹介する。

シェフラーグループは、自動車および産業分野の主要なグローバル供給者として、70年以上のモーション(Motion)とモビリティ(Mobility)分野で革新的な発明と開発を主導してきた。

同社は顧客に信頼される技術パートナーで、パワートレインとシャーシアプリケーション用の高精度部品とシステムを生産し、革新的な技術、製品、サービスで多様な産業アプリケーション用ローリング・プレーンベアリングソリューションを生産している。

同社は2020年に約126億ユーロの売上高を記録し、約8万3900人の社員が勤める世界最大の家族企業として、50以上の国の200地域に進出し、生産、研究および開発施設、オフィスなどで構成されたグローバルネットワークを保有している。

ドイツ出身のロバート・サイデンクランツは2018年にシェフラーコリアのCFO(最高財務責任者)に任命され、企業の財政やIT運営を担当しており、韓国法人取締役会の一員だ。ドイツのマンハイム大学(University of Mannheim)で経営学修士号を取得し、米ニューヨークのクラークソン大学(Clarkson University)でMBA号を取得した。学業を終えてからメルセデス・ベンツのトラック部門で働き始め,2006年にシェフラーに合流した。キャリアの大半をシンガポール、中国、日本、韓国などアジアで過ごし、現在は家族とともにソウルで住んでいる。

シェフラーコリアのロバート・サイデンクランツCFO

シェフラーコリアについてご紹介お願いします。

シェフラーコリアは1953年に新韓ベアリングインダストリーという社名で発足し、韓国機械産業の復興をリードしてきて以来、現在は韓国最大かつ最高のベアリングメーカーとしての地位を確立しました。

2006年6月、業界のグローバル化に対応して、新韓ベアリングインダストリーはFAG(ドイツ)との資本投資協約を締結して合弁会社になりました。シェフラーグループの一員となり、新韓ベアリングインダストリーからシェフラーコリアに社名を変更しました。

シェフラーコリアは、過去60年間の開発による国内技術力とドイツの先進技術を統合し、ベアリングとエンジン部品を生産・販売しており、シェフラーグループのアジア太平洋地域において中心的な役割を果たしています。韓国で約1,808人の職員を雇用しており、ソウルにはオフィスが、昌原、全州、安山、安城には工場と物流センター、そして研究所を構築しました。

シェフラーが韓国支社を設立した理由は何ですか?

韓国は同社の革新的な技術、製品、サービスを活用できる魅力的な自動車および産業市場を保有する非常に発展した国です。私たちは、お客様の近くで安定的な現地パートナーになるため、韓国のお客様と共に世界的に成長、発展しようとしています。

韓国は特に、製造業ビジネスにおいて重要な熟練した人材、優れた産業基盤施設、主要供給品の優れた生態系を保有しています。韓国で運営する同社の工場は、アジア地域のお客様のために重要な役割を担当しています。

韓国の産業環境、特に自動車産業の特徴やメリットは何ですか。

韓国はすでに製造業分野、特に自動車、IT、半導体、機械分野でトップとしてその競争力を認められています。このような長所と安定的な産業基盤を基に、韓国は自動化において最も進歩的な国の一つとなりました。

インダストリー4.0(第4次産業革命とも呼ばれる)では、ロボットが特に、未来ビジネスへの対応がポイントとなっています。幸いなことに、韓国の利害関係者の皆さんはこれをよく理解し、同じ方向に向かっております。大企業と中小企業など、規模に関係なく多くの企業がロボット開発のために努力しています。韓国政府も関連機関を設立してロボット産業に積極的に投資しています。しかも、韓国の国民はこの新しいシステムに非常に好意的な反応です。労働者1万人当たりのロボット密度という基準で、韓国が最も高い水準でロボットを採択しているという事実がその証拠でしょう。

韓国でビジネスを展開するメリットは、政府や顧客企業が主導している未来志向的産業のダイナミックさと変化の中で、新しい革新を実現することができますこれに関連し、シェフラーコリアは韓国で生産・物流分野でロボットを導入しており、5G技術を適用し、伝統的な工場をスマート工場へと転換しています。

シェフラーコリアのロバート・サイデンクランツCFO

韓国でビジネスを展開するメリットは何でしょうか。

伝統的なビジネスのための成熟した市場、新しい分野への迅速な転換、国民の勤勉さなど、韓国はビジネスにとって有利な多くの長所を持っています。

特に、シェフラーコリアが属する製造業分野では、ポスコ、セアなどの優秀な鉄鋼メーカー、斗山、華川、現代ウィアなど世界的レベルの工作機械メーカー、世界最高レベルの価格競争力を持つサプライヤーなどが存在するのが韓国でビジネスを展開する最大のメリットとなっています。

当社は、このようなメリットを基に、先導的企業として世界市場へ供給を拡大しています。

グリーンニューディール、デジタルニューディール、あるいはESG経営のような韓国の新しい政策が示唆する機会は何でしょうか?

韓国政府はニューディール政策を通じてe-モビリティ、再生可能エネルギー、ロボット、インダストリー4.0に大きな投資を行っています。これに対応して市場も急速に変化しており、これはシェフラーコリアに大きなチャンスをもたらしています。

私たちのe-モビリティビジネスは、2025年まで年平均成長率38%に成長すると予測まれ、バッテリービジネスも規模が大きくなっています。シェフラーコリアは、E-Axle(EV駆動モータシステム)、Thermal Management System(熱管理システム)、Axial Flux Motor(軸方向磁束)、High Speed Bearing(高速ベアリング)などの新技術製品を通じてこのような成長をサポートする計画です。

グリーンエネルギーは、韓国ニューディールの10大課題の一つとして、多くの韓国企業が風力および太陽エネルギーのビジネスを拡大しています。HMC、SK、ポスコなど韓国の有名な15大企業が韓国水素産業を促進し、世界的な脱酸化傾向を活用するため、ビジネス委員会を発足しました。

シェフラコリアは、風力用メインベアリングとコンディションモニタリングをすでに供給しており、水素バイポーラプレート(Bi Polar Plate)及び燃料電池システム(Fuel Cell System)関連製品は、お客様との協力を通じて開発中です。

インダストリー4.0はデジタルニューディールを通じて現実され、制度、社会、生活全般において革新的な変化をもたらしています。当社は協同ロボットのための減速機(Speed Reducer)を発売し、蓄積された生産技術に基づいた高精度ベアリングを持続的に拡大しています。

ビジネスパートナーシップの強化のため、どのような企業・機関と協力していますか。

当社は設立以来、韓国企業と常に良好な関係を維持してきました。韓国の大企業と直接ビジネスを始めるのは難しいかもしれませんが、これから持続可能な成長のためには必要な段階です。

韓国の大企業がリードしている中核ビジネス部門は、ニューモビリティ、半導体・装置、水素生態系、ロボット、再生可能エネルギー、先端IT基盤工場の自動化などがあります。

シェフラーは、韓国の大手企業によるビジネス革新に対応し、継続的に新しいビジネスチャンスを見つけていく予定で、当社の重点領域を戦略的に攻略する計画です。特に、私たちは現代自動車、サムスン、SK、ハンファ、LG、ポスコとのビジネス協力関係を持続的に強化していきます。

韓国、ひいてはアジア全体におけるシェフラーの目標は何ですか?

シェフラーは、モーション及びモビリティ分野で70年以上の歴史を歴史を誇ります。また、当社は二酸化炭素効率ドライビング(CO2-efficient driving)、e-モビリティ、インダストリー4.0、デジタル化、新再生可能エネルギー分野においてビジネスを拡大しようとしています。私たちは、未来の3大トレンドはe-モビリティ、ロボットとインダストリー4.0、再生可能エネルギーの発展になると予測しております。

e-モビリティ分野において、韓国政府は電気自動車(EV)及び水素燃料電池車(FCEV)に関するロードマップを2019年に発表しました。私たちは韓国、アジア、そして世界でこのようなe-モビリティビジョンの達成にとって技術パートナーになりたいと考えております。

インダストリー4.0とロボット部門では、この新しくて魅力的なビジネス分野の革新を、さらに成し遂げるために現地のパートナーと共に製品やサービスを開発しています。

また、韓国政府は水素をはじめとする再生可能エネルギーの生産容量の拡大を目的とするグリーンニューディールを発表しました。当社が韓国でも拡大しようとする風力ビジネス分野に関して私たちはすでに世界で最も長い歴史を持っています。今日、シェフラーは水素及び燃料電池技術のための技術、製品、サービスを向上させており、これは持続可能性を高め、グリーン環境に貢献するのに力になっています。シェフラーグループは2040年まで炭素中立企業となり、生産施設は2030年までにすでに炭素中立を達成する予定です。

シェフラーコリアのロバート・サイデンクランツCFO

By Grace Park
Executive Consultant
Investment Public Relations Team / Invest Korea
Korea Trade-Investment Promotion Agency (KOTRA)

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