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韓国進出の成功事例

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マコーリーグループ・コリア(Macquarie Group Korea)
作成日
2011.05.04
success stories

マコーリーグループ・コリア(Macquarie Group Korea)の創立から現在まで

マコーリーグループ・コリア(Macquarie Group Korea)のジョン・ウォーカー(John Walker)会長が語る
韓国での成長要因

「金融」と言うと、真っ先に数字を思い浮かべる人がほとんどだろう。しかし、マコーリーグループ・コリア(Macquarie Group Korea)のジョン・ウォーカー(John Walker)会長は人を思い浮かべるという。

ウォーカー会長は、金融産業は「コンピュータや電話、机、建物などの物質的なものではなく、人間が深く関わっています」と話す。

ウォーカー会長はマコーリーグループの韓国支社設立のために初めてソウルに来た時に「生き生きとした活気」を感じたという。当初は2~3年に予想していた韓国生活ももう11年目。その間、マコーリーグループ・コリアは大きく成長し、5人に過ぎなかった従業員は300人に増えた。ウォーカー会長はまさにマコーリーグループ・コリアの歴史の「生き証人」。

「マコーリーグループ・コリアが現在の規模まで成長するとは誰も予想できなかったです」とウォーカー会長は話す。

同氏はマコーリーグループ・コリアの韓国での成功の背景には、「企業文化」などいくつかの要素があると説明した。

マコーリーグループ・コリアは韓国で最も急速に成長している外資系金融企業のひとつだ。12つの事業分野で活動するほか、3つの投資ファンドを運用している。特にインフラファンド分野においては業界トップの座を占めている。マコーリーグループは1969年に設立されたオーストラリア企業で、銀行や金融、諮問、投資、ファンド運用部門で先導的な役割を果たしている。この屈指の企業は28カ国で1万5500人を超える従業員を擁しており、2010年9月基準で3070億ドルに達する資産を運用している。

マコーリーグループ・コリアの韓国人従業員が全体に占める割合は90%を超える。これは、韓国の文化を身につけ、韓国社会と「連帯」を築くなど現地化を求める企業理念を履行するための努力の一環だ。

ウォーカー会長はマコーリーグループが韓国で収めた成功について話しながら、「人的資源は重要なカギのひとつです。我々は従業員に最初からグローバル投資銀行に対する知識を要求しません。それより、熱情に満ち溢れた態度と高い教育水準が自慢で、技術的概念と知識を短期間で身につけることができます」と話した。

もうひとつの成功要因は?それは良いタイミング。

マコーリーグループが韓国支社を設立する当時、韓国では資本市場が相対的に発展していないと認識されていた。そのため、新しい金融技術、新しい運用技術、そして新しい投資商品と機会に対する「喉の渇き」があった。マコーリーグループ・コリアはこのような市場状況に対応し、民間資本によるインフラ整備における融資(private infrastructure financing,)、インフラファンド、株式デリバティブなどの金融商品を販売した。

ウォーカー会長は、「会社の名声を害しない範囲で自立と自律を促し、長期的な成長性を重視するマコーリーの経営文化が新事業を成長させ、最高になるために最善を尽くす韓国人の熱情と相まってシナジー効果をもたらしたと思います」と述べた。

最高になるために最善を尽くすことはマコーリーグループも同じ。マコーリーグループ・コリアは11年間、10つの営業免許を取得し、交通からメディアに至るまで多様な分野に投資を行ってきた。

MKIF(Macquarie Korea Infrastructure Fund)は、マコーリーグループと新韓金融グループ(Shinhan Financial Group)が共同出資して設立した合弁会社で、仁川国際空港高速道路、牛眠山トンネル、仁川大橋、光州第2循環道路(3-1区間)、ソウル特別市都市鉄道9号線(第1段階)などを資産として保有している。マコーリーグループの様々な投資は、雇用創出にも貢献している。ウォーカー会長はマコーリーグループがここ10年間、投資を行ってきたグリーンフィールド型のインフラ建設により、約4万人の雇用を生み出したと推算した。

同氏は、資本の可用性(市場の豊富な流動性)と韓国の「法治主義」があってこそ、マコーリーグループが韓国で成長することができたと付け加えた。

「投資を実行する度に透明な手続きが行われていることがよく分かりました。しかし、その他のアジア諸国では所有権問題が明確でない場合が多いです。」

ウォーカー会長は、マコーリーグループ・コリアの成長と雇用創出が「韓国の可能性を広く知らせる」役割を果たしたと思う。韓国支社はマコーリーグループの経営文化を踏襲し、新たな取り組みを促しながら、シドニー本社より意思決定の自由が与えられている。

このような企業文化は、金融市場の変化と自由化を成し遂げる韓国の能力と調和を成した。ウォーカー会長は、韓国の規制環境が1980年代末と比較して「大幅に」改善されたことを強調した。株式市場が数倍の規模に拡大し、韓国で投資銀行を設立することを認める法律が制定され、また外国人投資が重要な存在として位置付けられるようになった。

同氏はここ数年間で韓国が成し遂げてきたパラダイムの変化を大きく3つに分けた。まず最初に、1960年から2000年まではいわば「パースピレーション(汗)の経済(perspiration economy)」。次に、2000年から2009年までは「インスピレーション(霊感)の経済(inspiration economy)とアスピレーション(熱望)の経済/aspiration economy)」。そして2010年は「トランスフォーメーション(変化)の経済(transformation economy)」だ。

しかし、韓国がアジアの金融ハブとして成長していくためにはまだ改善すべき課題が山積している。ウォーカー会長は、韓国の一部規制は依然として国際金融機関の活動を制限するものであり、今後改善する必要があると指摘する。また、韓国の金融機関は外国人雇用を増やすことで、産業における多様性を確保するとともに、人的資本のバランスを取ることができると付け加えた。

ウォーカー会長は、「外国人の生活環境は大きく改善されました」としながら、生活・住環境の向上、公園の増加、整備されたインフラなどをその例として挙げた。

企業文化と良いタイミングを成功の要因として挙げたウォーカー会長だが、マコーリーグループ・コリアの将来のことを予測することは難しいという。

ウォーカー会長は、「予測が難しいことがまさに、金融産業の特徴です。しかし、ここで明確に言えることは我々が絶えずに新規事業の挑戦や新たな取り組みを続けてきたということです」と強調した。

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