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韓国進出の成功事例

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ブルーラン・ベンチャーズ(BlueRun Ventures)
作成日
2011.06.09
success stories

潜在力に投資するブルーラン・ベンチャーズ(BlueRun Ventures)

ブルーラン・ベンチャーズ韓国支社、グローバル潜在力を持つ企業へ投資

ブルーラン・ベンチャーズというベンチャーキャピタルのパートナーに強い印象を与えたい時には、できれば一度に長時間、自転車に乗るといい。

これがまさにブルーラン・ベンチャーズ韓国支社のユン・グァン社長が求める資質だ。新生企業には投資家が必要だが、根拠として提示できるデータや経験が足りない。従業員が少ないケースもある。だからこそ、新生企業には情熱と粘り強さが必ず必要となる。

ブルーラン・ベンチャーズの4人のパートナーの一人であるユン社長は、「情熱を支えに障害と挑戦を乗り越える」ことが大事だと言う。

ブルーラン・ベンチャーズは、オンライン電子決済サービス社のペイパル(Pay Pal)と共同創業者マックス・レブチン(Max Levchin)が持ってきた事業計画だけを検討して投資を決めた。マックス・レブチン氏は、一度自転車に乗ると6~7時間も乗り続けるという。「シリコンバレーの企業家はとても元気です」と話すユン社長。

また、「企業家は金より情熱とビジネスそのものから動力を得る。新しい企業を作って成果を出したいと思っている。このような企業家が韓国でも増えてほしい」と話す。

1998年に創業したブルーラン・ベンチャーズは、カリフォルニアに本社を置いて、10年前に韓国に支社を設置した。韓国企業のみならず、米国や中国、インド、イスラエル、欧州の企業を対象として、世界で事業展開できるようにサポートしている。現在、4つのファンドを運用しており、管理資産は13億ドルにも達する。

これまで韓国支社では、イージーモード(Eazymode)、バンテージ・ホールディングズ(Vantage Holdings)、ハイディス(HI-DIS)、韓国ハイテック(HK Hi-Tech)、ワイダーザン(Widerthan)など、約10社への投資を行ってきた。韓国支社にはユン社長をはじめとする2人の投資専門家が7社を管理している。

最近、賑やかな商業地区から離れた高速道路の近くにオフィスを移転したが、これが会社にはプラスとなった。

ユン社長は、「ビジネスマンは、いばしば道路で無駄な時間を過ごしてしまう。投資している新生企業の大半は現金が多くないため、中心部から離れた外郭に位置するケースが多い」と説明した。

韓国と米国、中国市場を担当しているユン社長は、一日のほとんどの時間を投資企業を訪問することに使う。ユン社長は、新生企業の事業展開を手伝うために、販売から雇用までの業務を行う場合もたまにあるという。彼の主な業務は「労働集約的」な管理業務で、その範囲は資金提供など多岐にわたる。

ユン社長は、「私たちはまるで農夫のようだ。適当な耕作地を選んで、土壌や気候などさまざまな条件をクリアしなければならない」と言う。

現実的に言えば、グローバル潜在力や技術力、情熱、コミュニケーション能力がビジネス世界における条件になるだろう。ユン社長とパートナーらは1年に約万件の事業計画を評価するという。年間10~20社の企業に投資を行い、通常4~6年で投資を回収する。パートナーらは、主にIT企業に投資をするが、その他にも韓国のマスコミやエンターテインメント分野、インターネット・ビジネス、コア半導体技術に関心を持っている。

もちろん、最初からそうだったわけではない。1990年代末に創業した当時はノキア・ベンチャーズ(Nokia Ventures)とも呼ばれたが、ノキアが唯一の投資先だったからだ。そのおかげで、名声が高まり、企業家を取り込むことができた。しかし、2005年の通信市場に起きた大きな変化により、多くの伝統産業がデジタル化すると、新しいメディアが誕生することになった。ユン社長とパートナーらは独自ブランドとして幅広い分野への投資に踏み切った。ノキア・ベンチャーズからブルーラン・ベンチャーズへと確実に存在を確立したのだ。それは、「地球は青く(Blue)、私たちは世界的な運営(Run)をするからだ」とユン社長は言う。今は、ノキアはブルーラン・ベンチャーズの多くの投資先の一社となった。

ユン社長は、「グローバル潜在力は韓国企業にとってとりわけ重要だ。韓国市場は相対的に狭く、企業家は韓国市場を越えて世界を念頭に置かなければならない。だが、韓国は世界に輸出可能なモバイル分野の付加価値の高いサービスやユニークな技術を多く持っており、スピード面においても決して劣らない優秀な人材を確保しているため、依然として韓国は投資家にとって興味深い市場だ」と強調した。

ワイダーザンの成功例を見てみよう。ワイダーザンは、呼び出し音などの携帯電話サービス業者として広く知られている。初期のワイダーザンの商品やサービスは韓国の通信業者向けに作られていたが、ブルーラン・ベンチャーズはノキアをはじめとする企業の専門家に依頼してワイダーザンのサービスを欧米市場向けに作るように促した。

ユン社長は、「商品管理や販売、マーケティングに至るまで非常にユニークでありながら韓国的な欧米市場向けのモデルを構築した。そしてすべてがうまくいった」と当時を語った。

もちろんある会社をグローバル企業として成長させることは決して簡単なことではなかい。管理や事業手続きにおける文化の差が存在するからだ。昨年まで通用された事業慣行が今年は変わるかもしれない。だから自転車に乗るCEOのように個人的な特性が大きな差をつけるのだ。

いわゆる「ピープル・ビジネス」に重点を置き、CEOの能力や業績、心構え、人格などがブルーラン・ベンチャーズが掲げる価値観と哲学に融合されるかどうかを投資判断の材料とする。ブルーラン・ベンチャーズの中核となる理念は「尊敬・革新・忍耐」だ。

ユン社長は、会社のことはもちろん、自ら絶えまなく革新を試みる。革新は考え方や市場、商品、消費者ニーズが時間の流れによって変化する環境への心構えを絶えまなく新しくすることを意味する。

「おかしくも当社が投資を決めた事業計画の80~90%は、最後には当初の計画とは違う事業モデルへ変化する。これは良い変化だ」とユン社長は言う。

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