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韓国進出の成功事例

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韓国ハネウェル(Honeywell Co. Ltd.)
作成日
2011.12.08
success stories

韓国に根を下ろし、成長してきた韓国ハネウェル(Honeywell Co. Ltd.)

ハネウェル韓国系列会社、挑戦を乗り越え持続的な成長を成し遂げる

韓国ハネウェルについて話すためには、まずその歴史を遡る必要がある。

自動制御ソリューション企業のハネウェルは1886年、米国で設立された。LGグロープとの50対50の合作投資の形で設立されたLGハネウェルは、1984年に韓国に上陸した。1999年、LGが自社の持分をハネウェルに売却したことでハネウェルが会社を100%所有することになり、企業名は韓国ハネウェルとHoneywell Co. Ltd.(ハネウェル(株))の2つを使用することになった。

韓国ハネウェルが設立された1999年、全世界のハネウェル社にはもうひとつの変化があった。航空宇宙産業・自動車・エンジニアリング企業のアライドシグナル(AlliedSignal)がハネウェルを買収したのである。合併後も企業名はハネウェルを維持したまま、自動制御ソリューション(ACS)、航空宇宙産業、特殊材料産業、電力及び輸送事業など4つの分野の事業を展開した。ACSは本来ハネウェルが持つ固有の事業で、韓国では韓国ハネウェルが担当した。その他3つの事業分野はハネウェル・アライドシグナルの韓国における系列会社のハネウェル・コリアが担当することになった。

まさにここが、韓国ハネウェルの歴史であり、パク・ソンホ代表理事がハネウェルが部分的にLGに根を下ろしているからこそ実現できたと考える成功話である。

「LGはスタート段階から大胆な投資を行い、大規模の施設や工場を建設しました。」韓国ハネウェルで16年間働いているパク・ソンホ代表理事は話す。

韓国ハネウェルには5つの事業分野がある。2つの分野はソリューション事業で、残りの3つは生産事業となっている。その中、処理装置ソリューション(HRS)はハネウェルの主力産業で、自動制御システムと工業部門に対するソリューションを供給する。また、セキュリティ産業は韓国ハネウェルにとって2番目に大きな事業分野となる。

こうした5つの事業分野全体から、年間3億ドルの売上を上げている。韓国ハネウェルの顧客は主に精油や石油化学、電力、パルプ及び製紙などの産業分野企業と韓国のエンジニアリング、調達、建設を一括して遂行する(EPC)企業である。韓国ハネウェルには約600人の従業員が働いており、そのうち400人は上岩洞の本社と全国6箇所の支社、天安にある工場で勤務している。

天安工場ではカメラ、CCTV、感知及び制御感知器とともに、すべての工場にある中央管制室の操作パネルに設置するコンピューターシステムと分散制御システムなどを生産する。

ハネウェルは110カ国に事業体を保有しているものの、ハネウェル・コリアを含め、韓国にあるハネウェルの総事業規模は全世界におけるハネウェル事業体の中で最も大きい。

韓国ハネウェルはほぼ毎年持続的に二桁の平均成長率を記録し、概ね5年ごとに売上が倍の増加を見せている。韓国ハネウェルは毎年新しい分野に挑戦してきた。新しい分野に対する挑戦や中核事業への集中無しでは、こうした素晴らしい成長は記録できなかったとパク代表理事は話す。

「韓国ハネウェルは新しい市場に挑戦するために絶え間なく努力してきました。蓄積された経験がまったくない市場を開拓するため、新たなソリューションを開発しました。」

その良い例としてLNG運搬船市場が挙げられる。1999年に初めてLNG運搬船事業を展開し始めた韓国ハネウェルは、1年半の努力の結果、LNG運搬船のための独自のシステムである「統合自動化ソリューション(IAS)を開発する成果を挙げた。ハネウェルの提携会社の中では関連システムが開発されたことがまったくなかったが、韓国には力強く持続的に発展し続ける造船産業がある。だからこそ、パク代表理事はLNG運搬船ソリューションへの投資にそれだけの価値があると確信した。その決断が生み出した成果であった。

韓国ハネウェルは大宇造船海洋(株)と手を携えてIASを開発した。予測できない気象条件の下で全世界を航海するというLNG運搬船の特徴に集中し、そうした海洋環境に合わせて設計されたシステムがIASだ。現在、韓国ハネウェルは日本とノルウェーにある造船業界の競合会社を勝ち抜け、市場シェア1位を占めている。

「グローバルハネウェルは、韓国ハネウェルがLNG運搬船分野では最高の企業だと評価します。」とパク代表理事は話す。

原油価格の上昇によりLNG消費が増加しており、韓国ハネウェルは引き続きビジネスチャンスを模索している。それだけでなく、自国のLNG運搬船を建造にある中国を含めた他の地域を開拓するために努力している。

電力分野、特に炭化水素分野においても韓国ハネウェルはトップ企業だ。韓国ハネウェルの主力産業であるHPSは、精油と石油化学産業分野において高い地位を占めている。最初からそうだったわけではない。2004年に初めてパク代表理事がその分野に参戦することを決定し、精油と石油化学分野において韓国ハネウェルは現在1,000万ドルの実績を挙げている。

POSCOの処理自動化部署で役員を務めていたパク代表理事は、「まだそこまで大きな規模ではありません。でも、競合社に比べると、1,000万ドルという実績は大変価値のある数値だと思います。」と話す。

もちろん、韓国ハネウェルがこれまで韓国で順調な道のりだけを歩いて現在にたどり着いたわけではない。2年前には世界的な経済危機によって売上が縮小し、従業員を減らさなければならなかった厳しい時期もあった。

「しかし、その厳しい時期を経て韓国ハネウェルはさらに基礎を固めることができました。」とパク代表理事は話す。

パク代表理事と従業員たちは、年功序列による管理体系に沿っている韓国の企業文化の中で横並び的な管理スタイルのグローバル企業である韓国ハネウェルをスムーズに動かすように、「グローバルな観点から考え、韓国の実情に合わせて行動する」やり方を身につけたという。さらに、パク代表理事は自社の従業員たちに「グローバルな遊牧民精神」を持ち、遠くまでを見渡す目と新しい視野を追求するように強く勧める。パク代表理事は「全ての職員は自分の能力を保有しています。その能力を最大まで引き伸ばし、会社にプラスになる方向で相乗効果を出す方法を探すのが私の役割です。」と話す。

By Chang Young (young.chang@kotra.or.kr)
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