韓国進出の成功事例
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ゲームチェンジャー(Game Changer)を探して
DFJアテナ、リスクを冒して無限大の発展可能性を持つ企業に投資
ベンチャー企業を対象に投資を行うDFJアテナ(DFJ Athena)は、第2のフェースブック(Facebook)を狙う大胆な企業家を探している。
また、他社との差別化を図った技術で新たな市場を切り開く企業、または自らの力で世の中を変えられると信じている企業を求めている。企業家精神には、厳しい状況の中でも何かを作り出すことに情熱を燃やす態度も必要になるからだ。
シリコンバレー(Silicon Valley)に本社を置くベンチャーキャピタル会社のDFJ(Draper Fisher Jurveston)が運用する子ファンドであるDFJアテナのフェリーハ(Perry Ha)共同代表は、「発展する可能性が高いところに投資した方がいい」と話す。
この哲学を基に、DFJアテナはグローバル技術部門でトップを走る約10社のベンチャー企業に対して投資を行った。韓国のみならず、特に米国にある韓国関連企業に重点を置いている。ハ代表と、もう一人の共同代表を務めているヘンリージョン(Henry Chung)氏は、韓国でベンチャー事業が初期段階だった2007年にファンドを結成してDFJに入った。当時韓国市場がグローバル的に浮上していることに気づき、海外市場への進出を目指す韓国の中小企業からビジネスチャンスを見つけた。
「韓国政府はグローバル化に目を向け始めていた。専門的な分野に属した特殊な企業という観点から、私たちにきっと何かができると思った。韓国についても、米国についても私たちはよく知っている。また、韓国企業を世界と繋ぐことのできるグローバルネットワークを保有していた」とハ代表は話す。
DFJアテナの前、ハ代表はアテナ・テクノロジー・ベンチャー(Athena Technology Ventures)というファンドを設立して高い収益率を記録している。DFJアテナはDFJがグローバル規模で運用している30本のファンドのひとつで、現在ソウルとシリコンバレーに事務室を置いている。60億ドルの資本と約600件以上の投資運用実績を持つDFJは、HotmailやBaidu、Skypeのように産業に革命的な変化をもたらした企業に対して投資を行ってきた。
DFJアテナが投資した会社のひとつに、ソウルに本社を置くCallGateというモバイルソリューション専門会社がある。この会社は音声とデータチャンネル間の交流を行わせる技術を保有している。例えば、コールセンターに電話をかけると、案内の状況を声で聞けるだけでなく目で確認できるようにする技術だ。ジョン代表は、この技術が携帯電話の使い方に革命を起こすことができると考えている。
DFJアテナが投資を行ったもうひとつの会社に、カリフォルニアに所在する新素材開発企業のPrecursor Energeticsがある。この会社は太陽電池に用いられる薄膜コーティング材料を製造する会社で、エネルギー効率を17%以上も向上させた。
「これはまさに、薄膜産業に起きた革新とも言える。世の中を変えるのは決して容易ではないが、私たちは一歩ずつ着実に進んでいる。先ほどの2社のように小さな、でも重要な発展に向かっている」とジョン代表は話す。
DFJアテナはビジネスの発展という面から人材に関する部分までベンチャー企業のあらゆる部分を育成し、投資を行った会社と緊密な協力を行う。DFJが運営する約30本のファンドから提供されるネットワークを活用してグローバルなビジネス運営モデル(Business Practice)を作り出し、シリコンバレースタイルのベンチャーキャピタル運営モデルを初期段階から利用する。DFJアテナが投資している企業の半分以上は海外進出を目標に掲げている韓国のベンチャーキャピタル会社だ。
「グローバル化は、単に輸出をするだけのことではない。私たちの目標は、先進的なベンチャーキャピタル運営モデルを韓国に定着させ、韓国のベンチャーキャピタル産業を一層発展させることだ。それを通じて、私たちは韓国に新しい血を入れる役割を果たすことができると思う」とジョン代表は話す。
DFJアテナは初期投資と同じく、それに続く投資も重要だと考えている。ジョン代表の、「会社が好調のときは、さらに成長するために資金が必要になる。しかし、厳しい状況に直面した場合にも資金は必要だ」という言葉からもその考え方を確認できる。こうした哲学を基に、2008年のグローバル金融危機の際には危機に陥った会社を支援した。
ジョン代表は、「その会社に危機を克服できる確信と発展可能性があると判断すると、私たちは投資をする」と話す。
両代表は同じ哲学を自分たちの仕事にも適用している。様々な苦労や長い勤務時間にもかかわらず、二人は自分の仕事に愛情を持って最善を尽くしている。
「新しいことを学び、無から有を創り出すことに大きな喜びを感じる」とハ代表は話す。
- DFJアテナの共同創立者は二人とも学級委員だった。ペリーハはハーバードビジネススクールで、ヘンリージョンはソウル大学校でそれぞれMBAを取得した。
- DFJアテナは2ヶ月前、驛三洞(ヨクサムドン)からKOTRAのすぐ隣にあるInvest Korea Plazaに事務室を移転した。
- ペリーハはテコンドーの公認師範資格を持っている。