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シンジェンタコリア(Syngenta Korea)では、現場が一番大事な場所だ。

マネージャーらを含むすべての職員たちは、現場でほとんどの時間を過ごす。農家に向けてシンジェンタのテクノロジーの使い方に関する教育を行い、生産者との会話を通じて彼らのニーズを把握し、無線操縦ヘリコプターを用いた農薬の散布など様々なアイデアを提案する。シンジェンタコリアは高い人件費や農業従事者の高齢化などの問題を解消するため、ヘリコプターを遠隔操作する技術にたどり着いた。

シンジェンタコリアのステファン・ティッツェ(Stephan Titze)代表理事は、「生産者が困っている部分から私たちはスタートを切る。生産者の負担を軽減するのは私たちの責任であり、重要な戦略でもある」と話す。

「より少ない資源で、より多くの収穫を」という目標の下、シンジェンタは持続可能な農業を実現するためのソリューションを提供している。スイスを拠点にし、種子及び農薬の開発・供給を行う多国籍企業のシンジェンタは、2000年にノバルティス(Novartis)とアストラゼネカ(AstraZeneca)のアグロビジネスの統合で誕生した。

シンジェンタコリアの元は、1970年代の東洋化学工業(Oriental Chemical Industry)とソウル種苗(Seoul Seed)となる。ノバルティスが1997年にソウル種苗を、1998年に東洋化学工業をそれぞれ買収したため。現在、シンジェンタコリアは唐辛子、トマト、パプリカ、かぶ、白菜など約150種の種子と殺虫剤、殺菌剤、除草剤など約80種の作物保護製品を生産している。

ステファン代表は、「唐辛子は我が社の核となる商品。韓国人にとってキムチと唐辛子が大好物であることを知っているので、韓国市場に的を絞った製品を開発したい」と話した。

シンジェンタの北東アジア地域における事業総括社長も兼任しているステファン代表は、「韓国の生産者がより少ない資源でより多く収穫するように手助けするのは、単に既存農地の収穫量を増加させるだけでなく、環境への負荷が少ない資源を使うことでもある」と話す。

ステファン代表は、「農作物生産の最適化を通じて、韓国ができるだけ多くの食品を自給自足できるようにするのが私たちの役割」と話す。

韓国は世界で最も野菜を多く食べる国の一つだ。それを考えると、シンジェンタコリアが様々な野菜の種子及び作物保護製品を取り扱っているのはごく自然なことである。シンジェンタコリアは稲の種子を取り扱ってはいないものの、稲用の新たな除草剤を開発して市場での基盤強化を図っている。シンジェンタコリアの主なクライアントには農協及び小売店などがあり、最近は世宗(セジョン)大学校と韓国及びアジア市場に適したカブの品種開発に向けた了解覚書を締結した。

ステファン代表は、「技術と協力は、成功するために欠かせない部分」と話した。

生産した製品の30%を輸出しているシンジェンタコリアは、生命工学に関する研究も行なっている。シンジェンタコリアは生産者に対してサービス及び応用技術を提供しており、韓国と日本の農家で使われている先進窯業技術のヘリコプター遠隔操作をその代表的な例として挙げられる。世界で1年間、研究開発に10億ドルを投資したことからもわかるようにｋ、革新はシンジェンタが展開するビジネスの中核だ。シンジェンタコリアの職員たちは、韓国の先進IT産業によって自社の可能性が拡大されたと考えている。

これまでシンジェンタは韓国に計2億ドルの資金を投資しており、基盤施設の開発には3千万ドルの追加投資を行った。ステファン代表によると、シンジェンタは通貨危機の時に韓国のアグリビジネスに最も多くの資金を投資した外国企業であり、これからも高い価値を有した韓国の事業に引き続き投資を行う計画だ。

ステファン代表は、「食料生産は人類にとって最優先の課題であるため、近い将来にかなりの変化が起きると見込まれる」と話した。