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韓国進出の成功事例

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ロディア・シリカ・コリア(Rhodia Silica Korea)
作成日
2013.07.10

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シリカのイノベーション
タイヤから歯磨き粉まで、日常生活でよく使われる製品の生産に取り組むロディア・シリカ・コリア

すべては靴とともに始まった。

韓国の靴産業は、1970年代の産業・経済発展とともに成長してきた。靴を生産するためには、靴底に使われるシリカが欠かせない。ベルギーに本社を置くソルベイシリカ(Solvay Silica)は、化学企業のOCIとジョイントベンチャーを通じて1975年に韓国でビジネスを開始し、129億8900万ウォン(1,120万ドル)の初期投資を通じて仁川(インチョン)に工場を設立した。

現在はロディア・シリカ・コリア(Rhodia Silica Korea)と呼ばれるこの会社は、アジア最大の沈降シリカメーカーのひとつ。1996年にフランスのロディア社がOCIを買収し、化学企業のソルベイグループが2011年にロディアを買収合併したことにより、ロディア・シリカ・コリアはソルベイシリカ事業部の一員で、ソルベイグループが韓国に持つ8社の支社のうちに含まれるようになった。

ロディア・シリカ・コリアは沈降シリカの生産及び輸出、研究開発を行っている。沈降シリカはエラストマー(Elastomer、特殊ゴム)とタイヤの補強充填剤に広く使われており、動物の飼料にも含まれている。また、シリカは歯磨き粉の年度を調整するためにも使われる。靴から動物の飼料まで、沈降シリカは日常生活で幅広く使われている。

ロディア・シリカ・コリアが持つ2つの生産ラインでは高分散性シリカを含め、毎年6万5千トンの沈降シリカが生産される。韓国内で沈降シリカの需要は拡大し続けており、特にエコタイヤの生産には欠かせない材料となっている。

「エコタイヤの生産にロディア・シリカ・コリアのシリカ製品を使うと、5~7%の省エネができる」と話すロディア・シリカ・コリアのキム・ジンチョル代表理事は、「エコタイヤは燃料の効率上昇や省エネ、炭素削減にとても効果がある」と付け加えた。

高分散シリカはタイヤの摩擦を約25%、炭素排出を約5~7%削減できる。また、プレミアム級シリカは自動車の燃費効率を約10%引き上げ、炭素排出量を約10%削減できる。

ロディア・シリカ・コリアの主要顧客にはミシュラン、グッドイヤー、錦湖タイヤと韓国タイヤなどがある。ロディアシリカは2012年、1,100万ドルの資本金で7千万ドルの売上高を記録した。ソルベイシリカグループの世界高分散シリカ市場シェアは63%を超える。韓国タイヤ市場の成長とともに、2025年には高分散シリカの世界需要が4~5倍成長すると見られる。それを受け、ロディア・シリカ・コリアは韓国またはタイに10ヵ所目の工場設立を検討している。

キム代表は、「ソルベイグループは韓国市場に注目している。しかし、これは市場の環境によって変わるかもしれない」と伝えた。靴市場を基盤にして成長したロディア・シリカ・コリアは今、タイヤ市場に集中している。彼は「韓国市場の規模は小さいものの、大変重要な役割を担っている」と付け加えた。

仁川で40年間成長してきたロディア・シリカ・コリアは、地域の経済成長にも多大な貢献をしてきた。ロディア・シリカ・コリアは企業の社会的責任を果たすための取り組みを続けており、様々なボランティア活動を展開してきた。仁川地域のエンジニアクラブで会長を務めているキム代表は、工業高校の生徒たちの就職支援に取り組んできた。

キム代表は「最近の生徒たちはほとんどが弁護士や医者になりたがっているので、有能なエンジニアを探すのは容易ではない。しかも、生徒たちはエンジニアという職業を避ける傾向がある」とし、「プログラムを通じて、生徒たちがエンジニアという職業にプライドを持つようにしたい」と話した。

By Chang Young (young.chang@kotra.or.kr)

ご存知ですか?
ㆍシリカ製品は50種類以上もあり、シリカは大きく分けて高分散性シリカと一般シリカの2種類に分けられる。
ㆍロディア・シリカ・コリアは2010年と2011年、仁川市から労使関係大賞を受賞した。
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