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韓国進出の成功事例

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スカニア・コリア(Scania Korea)
作成日
2015.01.13

長期的で持続可能な事業を目指す
スカニア・コリア(Scania Korea)は、事業の持続性を保証するトラックとエンジンの販売会社である。

大型トラックと言えば、真っ黒い排気ガスを出す巨大なトラックを浮べがちだ。しかし、商用車メーカーのスカニア・コリアは、排気ガスを減らすために厳しい環境規制を行う、韓国のような市場にむしろ大きな関心を示している。

同社のKaj Farm代表理事は、「韓国は、機械生産国として大きな成果を挙げています」と述べる。「当社が生産するエンジンは、環境規制が強化されればされるほど、価値を増します。それが韓国市場に力を入れる理由です」。
環境規制がどれほど厳しいかは、「ユーロ6」基準からも伺うことができる。

今年から、韓国に輸入されるか、または韓国で生産される全てのトラックからの排出窒素酸化物および粒子状物質は、欧州の自動車排気ガス規制基準(ユーロ6)を満たさなければならない。韓国は昨年から同基準を適用しており、これは従来のユーロ5より100倍程度厳格化されたものだ。

スウェーデンに本社を置くスカニアが、今年から韓国で販売する大型トラックとバス、ディーゼルエンジンの外観は昨年と変わらないだろうが、その内部は完全に新しいものになると予想される。

「この業界は、環境保護の面で先進的な市場であり、環境問題に非常に力を入れています」

1967年韓国へのトラック輸出を開始したスカニアは、当時は自動車メーカーの旧アジア・モーターズを通じて事業を展開していたが、1995年、韓国の正式な外国人投資企業になった。それまでの自動車技術の多くは日本から導入されていたが、アジアモーターズは欧州にチャンスを見出した。

その出発点となったのがダンプトラックである。韓国で建設ブームが起こった1990年代初めから2000年代にかけて、ダンプトラックはスカニア・コリアの売上全体の9割強を占めた。

現在スカニア・コリアはダンプトラックとトラクター、カーゴトラックの三種類のトラックを販売しており、年間売上は700~900台以上に上っている。2011年、欧州企業としては初めて、韓国にカーゴトラックを投入したことで、自社の大型トラックの全ラインナップを韓国の消費者に提供するようになった。

トラクターはトレーラーのように、自動車に連結して運搬することができる。カーゴトラックは貨物だけでなく、どんなものでも運べるように、トラックそのものがプラットフォームとしての役割を果たす。

スカニア・コリアは、韓国の強力な製造業を基盤に、全世界の新しい環境規制を満たす最先端のエンジン事業も展開、急成長を遂げている。同社が産業・船舶用エンジンを斗山(トゥサン)や現代(ヒョンデ)などに販売すれば、これらの企業はそのエンジンを搭載した機械を生産して海外に輸出する。

「斗山が購入したエンジンのうち、ごく少数のものだけが韓国で使用されます」と、Farm代表理事は韓国の大手企業を例に説明した。「従って、(当社から)販売されたエンジンの99%は全世界で使用されているわけです。エンジンの生産地であるスウェーデンで使われているかも知れません」。

韓国は、スカニアの100のエンジン販売市場のうち、ブラジルに続き、2番目に大きい市場だ。

Farm代表理事は「韓国のように小さな国が、(スカニアにとって)世界で2番目に大きい市場とは、信じられないですね」と話す。「エンジン部門での成功により、ユーロ6導入以降のトラック事業にも大きな期待を抱くようになりました」。

スカニア・コリアは2002年、金融部門のスカニア・ファイナンス・コリアを設立した。顧客にトラックだけでなく、トラックに対する金融支援も合わせて提供するためだ。顧客はワンストップで簡単にトラックを購入でき、スカニア・コリアは様々なリスクを削減することができる。

金融部門を含むスカニア・コリア・グループの職員は約200人。スカニア・コリアはソウル、釜山、仁川などの主要都市に店舗(スカニアが所有・運営)を保有しており、泗川市では中央倉庫と組立工場を含む産業団地を運営している。数年前に買収した東灘の敷地には、今年中に店舗を新設する計画だ。

同社はこの他にも、今年韓国でバス販売を開始するための準備作業を進めている。

「韓国は、アジアのモデルケースになり得ると思います。韓国で成功したいなら、韓国でどのような企業が事業を展開しているかを、まず把握しなければなりません。韓国は、様々な面において、アジアで最も先進的な市場の一つです」と、Farm代表理事は述べる。

Farm代表理事はまた、韓国で事業を行う最大のメリットとして、「職員の誠実さ」を挙げた(「私の方から、職員たちに休暇を取るように促しているほどです」)。また、「韓国では全てが可能だ」とも述べた。

「韓国は優れたインフラや道路ネットワーク、交通システム、インターネット、ITなどあらゆる実用的な要素をそろえており、それを使用することも非常にシンプルで簡単です」とFarm代表理事は話す。「このような日常的なものが、ここまでよく構築されている国は、めったにありません」。


By Chang Young
Executive Consultant / Invest Korea
young.chang@kotra.or.kr


ご存知ですか?
ㆍスカニアは、フォルクスワーゲングループの子会社です。
ㆍスカニアは、1891年スウェーデンのスカニア地域で設立されました。
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