投資ニュース
- Home
- Invest KOREAの紹介
- ニュースルーム
- 投資ニュース
聯合ニュースによると、
1970年代から固く閉ざされていたアラブ首長国連邦(UAE)アブダビの油田開発に参入する契約を、韓国が結んだ。ベトナム15-1鉱区(約1億バレル)をはるかに超える過去最大規模の油田開発契約となり、これで韓国の石油ガス自主開発率は15%まで拡大する。
UAEを公式訪問中の李明博(イ・ミョンバク)大統領は13日、ハリファ・ビン・ザイド・ナハヤンUAE大統領と首脳会談し、その後、ムハンマド・ビン・ザイド・ナハヤン・アブダビ皇太子とともに、韓国石油公社とアブダビ石油公社間の石油ガス分野協力開MOU(了解覚書)と、油田3鉱区の主要条件契約書(ヘッヅ・オブ・タームズ)署名式に出席した。
アブダビは経済性と政治的安定性があり、世界6位の埋蔵量(約1000億バレル)を有する、世界で最も優れた油田地帯。1930~1940年代に米国、英国、フランス、1970年代に日本など、ごく少数の石油メジャーだけが進出してきた。
石油ガス分野協力開発のMOUは、2014年以降、順次租鉱権の期限が満了する、最少で10億バレル以上の大型生産油田に、韓国が参入する権利を保障する内容となっている。すでに経済性を確認し採掘も進められている大型油田への参入だけに探査のリスクがなく、MOUの期限と上限ラインも定まっていないため、努力次第では石油ガス確保量がさらに増えることも考えられる。
油田3鉱区の主要条件契約書は、李大統領のUAE訪問に合わせた迅速作業に向け、両国間が協議を経て作成したもので、本契約に先立ち主だった条件について事前合意する拘束力がある。5億7000万バレルの原始埋蔵量が確認されている3鉱区に対し、韓国が最大100%まで権益を確保できるという条項が盛り込まれている。これで韓国は、独自の油田開発と運営が可能になった。また、3鉱区で生産される原油のうち韓国の保有物量については、有事に100%韓国に導入できる権利を確保。エネルギー主権を強化した。
3鉱区の本契約は年内に結び、2013年から本格的な生産に入る考え。韓国は今後、最大で1日3万5000バレルを生産できるものと期待している。大型油田参入についても来年中に後続交渉を具体化する計画だ。
これとともに、エネルギー安保に向けた補強策として、韓国とUAEは、アブダビ原油600万バレルを韓国の備蓄施設に無償で貯蔵し、有事に韓国が使用できるようにすることで合意した。さらに、今後増産されるアブダビ原油を1日最大30万バレルまで最優先で購入する権利を韓国に与えた。
政府は今回の契約について、3つの未開発鉱区の可採埋蔵量だけで約1億5000万~3億4000万バレル水準になるうえ、大型生産油田への参入も可能となり、10億バレル水準の埋蔵量が確保できる計画だと説明した。10億バレルは現在の原油価格で単純計算すると、約110兆ウォン(約7兆9910億円)規模。
また、この契約関連の資金調達に関しても、大型油田に探査リスクがないことから、韓国石油公社の自社プロジェクトファイナンシングや民間の企業連合構成など、さまざまな方法が検討できるとしている。3鉱区については石油公社単独でも調達が可能で、特に問題はないと伝えた。
この契約で10億バレル水準の埋蔵量を確保したと仮定すると、現政府発足前の2007年まで4%にとどまっていた韓国の石油ガス自主開発率は15%まで上昇すると、政府は分析している。
李大統領は就任当初から、数十年前にすでに20%に達していた日本の石油ガス自主開発率と韓国の現実を比較し、「任期中に20%を達成する」と公言してきた。今後もUAEやイラクなど重要戦略地域の攻略を続け20%目標を必ず確保すると、重ねて強調した。
また今回の契約においては、2009年の原子力発電所建設事業の受注と同様、李大統領の推進力が大きな力となったと伝えられた。
李大統領は、原発受注直後から韓国・UAE間の「100年経済協力パートナー」関係を発展させるため、大統領直属未来企画委員会に、未来戦略レベルでの両国協力関係発展を指示した。両国機関の協議の過程で、韓国のエネルギー安保強化に向けた油田進出の合意が導出されたという。アブダビ側は、独自開発経験のない韓国に油田を提供することに負担を感じていたが、李大統領とハリファ大統領、ムハンマド皇太子の信頼関係で突破口が開かれたと伝えられた。
李大統領はこの日、アブダビ市内のホテルから韓国地上波・ケーブルテレビに生中継される記者会見を行い、韓国・UAE首脳会談の結果を発表。今回の契約締結について、「韓国は米国、英国、フランス、日本とごく少数の石油メジャー企業だけが参入してきた夢の地域に進出することになった」と評した。韓国が実際に採掘できる埋蔵量基準で最少でも10億バレル以上の大型生産油田に参入するもので、2012年中に本契約を締結する予定だと説明した。
また、今回の契約は韓国が確保している油田のなかでは単一で最大というだけでなく、過去30年間かけて確保した約60件のすべての埋蔵量の半分を超えるものと予想され、さらにアブダビ原油を韓国に備蓄し必要時に韓国が優先的に使用する権限を持つことでも合意したと強調。韓国はこれで、原油備蓄予算7000億ウォンを節約することになったと述べた。
大統領就任当時に4%だった韓国の石油ガス自主開発率を、政権発足時からの努力で15%まで引き上げることとなったとしながら、政府は少なくとも日本の自主開発率水準にあたる20%を早期に達成するため、今後も最善の努力を尽くすと述べた。
出所:聯合ニュース(2011.03.13)