韓国進出の成功事例
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ベン・ダンカン(Ben Duncan)は、CBRE(シービーアールイー)・北アジアの代表として、中国、香港、台湾、韓国、そして日本に位置している27社の支社を管理・総括している。彼は顧客サービスの強化及び世界レベルの不動産ソリューション提供に向けて、地域ごとの市場リーダーたちと直接協力関係を結んでいる。
ベン・ダンカン代表の25年の不動産キャリアのうち、22年はアジア太平洋地域で積んだと言える。彼は世界3大金融市場であるロンドン、香港、そして東京で働き、14カ国で顧問として顧客プロジェクトに関わってきた。
そして彼は、世界11位の経済規模を誇る韓国で様々なチャンスを探っている。特に、顧客ニーズの多様化やオフィス、小売業、物流、産業ソリューションに対するニーズが進化するにつれ、CBRE KOREAの事業領域はさらに拡大していると説明する。韓国顧客に最も革新的な不動産商品とサービスを提供するために、CBRE KOREAの現地従業員とグローバル及び他地域の従業員が互いに協力し合っているからだ。
韓国の投資家はヨーロッパ、米国、アジアなど、世界各国の成熟市場で積極的に投資チャンスを探っている。また、資産運用の専門家が個人投資家向けの不動産投資ファンドを設立するケースも増えている。さらに、韓国は世界最大水準の年金基金を有している国として知られている。多額の年金基金は不動産に直接投資したり、投資ファンドにファンドの出資者として参加する世界的なファンドで世界を繋ぐCBREのような企業家に多くのチャンスを提供している。
KOTRA Expessは独特な韓国の不動産市場の特性にCBREがどのように適応しているのかについてベン・ダンカン代表に尋ねてみた。
CBREとその歴史について教えてください。CBREが顧客にどのようなサービスを提供していますか。
CBREは1999年に韓国へ進出し、今年で19年目となりましたが、来年に創立20周年という節目を迎えます。
私たちは様々な顧客に幅広いサービスを提供しています。簡単に言いますと、家主と借家人の関係を考えていただければと思います。私たちは、家主と借家人のための資産売却や賃貸に関する諮問、建物または空間管理などを含めた取引サービスを提供しています。それだけではなく、評価及びコンサルティングサービスと商業用不動産の顧客のために、リサーチや技術ソリューションも提供しています。CBREの事業は主にオフィス市場に集中していますが、小売業や産業用不動産市場も重要な市場です。
CBREが韓国へ支社を設立した理由と、韓国で事業を展開するメリットを教えてください。
1997年アジア通貨危機後、不動産投資市場が開放されると、世界各国のCBREの顧客は韓国市場への進出に対する強い関心を示しました。
それから20年が経った今、韓国への進出拡大に対するCBREの熱望は大きくなりました。特に、世界で韓国企業と投資家の影響力が増すにつれ、無限に広がる韓国の潜在力を確認することができました。韓国市場に対する戦略を効果的に行動に移すためには、CBREのグローバルな模範事例やサービスを適材適所に配置するとともに、それを有機的に連携したソリューションを提供し、よりよい結果をもたらすようアクセス方法を調整する能力を備える必要があります。
何より、韓国の事業環境の最も大きなメリットは、勤勉で教育水準が高く、献身的な韓国の人々です。そして、韓国は中国と日本、そして比較的西洋的な香港とシンガポールのようなアジアの大きな市場に比べ、あまり知られていません。そのため、CBREが顧客へ韓国特有のビジネス環境を満たせる方法を見つけ出せるようサポートし、顧客に真の価値を提供できると思います。
韓国の不動産市場は独特だと言われています。世界の他市場との違いは何でしょうか。
北アジア全域でCBREが展開している事業は様々で、それぞれ異なる成長ステージにあります。グローバルで通常のアクセス方法が通じない独特な地域です。韓国も現地の需要、慣習や顧客基盤を満たすためにグローバルモデルを適用することに懸念した市場の一つでした。
特に、韓国の「財閥」は韓国固有の特徴を持っています。財閥の幅広い所有権とサービス供給に対する介入は、他の企業が産業へ参入する妨げになる傾向があります。しかし、このような現象は逆に言えばチャンスでもあります。不動産市場が成熟期に入れば入るほど、財閥は今よりさらにグローバル化を図るため、世界市場拡大のために不動産に眠っている資本を活用しようとします。
そして、最近変化しつつありますが、韓国では西洋式ショッピングモールが相対的に少ないです。IFC、スターフィールドのような大型ショッピングモールがいくつかあるものの、韓国の人口に比べると非常に少なく、韓国の小売市場の高い潜在力を考えれば驚くほどです。
CBREが韓国の顧客を対象に展開したマーケティング戦略には何がありますか。
韓国では、CBREの知名度が低いため、企業の信頼度を高めることに重点を置かなければなりません。そのためには、私たちはCBREのグローバルで地域的な規模と現地顧客の利益のために、グローバル成功事例を活用できる点、そして他のライバル社が真似することのできない統合サービス(いわゆる「ワンストップ・ショップ」)を提供している点を強調します。また、私たちは今までの実績で私たちの力量を証明することができます。
CBREはグローバル企業ですが、現地市場の動向を常に把握しており、その市場の特性に合わせて細かく調整していくために努力しています。
韓国で事業を展開する上で、直面した問題はどのようなものがありますか。
韓国と北アジア地域で私たちの考え方を変えるために、内部の障害物と組織内の部署別に存在する壁をなくす挑戦は続けています。協業文化はこのような問題を解決できる核心要素です。世界的に統合が進んでいる中、韓国現地チームが北アジアと世界の他地域のスタッフたちと協力することのできる機会が数多く提供されることになります。これは、私たちと顧客ともにに満足できるチャンスと思っています。CBREの従業員は、より効率的に協力するために一緒に働く仲間を深く理解し、顧客に紹介する市場とサービスに対し、より豊富な知識が必要だと話します。このようなフィードバックをもとに、私たちは特定ビジネスラインと市場間に存在するシナジー効果に注目しています。
競争が激しい韓国市場で、私たちは現地の会社とここ数年間見たことのない新しい競争環境に直面しています。そのため、韓国のように成熟期に入った市場で最高の人材を確保することは常に難題です。
そのスタートは、従業員が感じる恩恵があります。CBREは個人のキャリアに対し、責任を負うべきであるという原則のもと、CBREで働くことにどのような意味があるのか、従業員みんなが感じられるよう企業文化と価値を明確に伝えようとしています。このような方法で、私たちは最初からCBREに適した人材を誘致することで、人材を失うことを減らすことができると思います。2020年になると、CBREの従業員の半分以上はミレニアム世代が占めると思います。私たちは職業満足度や、やりがいを重視するミレニアム世代を理解する必要があります。
韓国がCBREのような外国企業に、より理想的なビジネス環境となるには、どのようにするべきでしょうか。
韓国は事業の成功可否を予測できる成熟した規制環境をすでに整っていると思いますが、個人的な意見では韓国社会の階層的構造の変化です。これは、韓国固有文化の一部でもありますが、開放性、創意性、透明性を脅かすことになります。また、厳格な階層構造は、成果中心に従業員を評価するため、努力と矛盾することになり、時には意図しない結果を招くことになりかねないと思います。このような部分では、新しい世代がより開放的なタイプではないでしょうか。現在の韓国大統領も国民により市う姿勢を強調し、韓国社会の他機関へ良いモデルとなっていることでしょう。
ビジネスパートナーシップを強化するために、現在どのような韓国企業と協力されていますか。
私たちは、大企業、資産管理会社など様々な企業と、年金基金、保険会社、証券会社などの機関投資者と協力しています。韓国企業が投資決定をする前に、私たちはパートナーと共に海外の様々な管轄区域間のインセンティブ評価に手を貸し、ヨーロッパ、米国、APAC地域に向かう関門の位置で販売可能な不動産と韓国の海外資本を連携しています。
これからCBREが韓国とアジアで立てる戦略はどのようなものがありますか。
CBREの事業は成長しています。そのため、アジア地域はもちろん、全世界で事業を育成することへ集中しています。私たちは目まぐるしく変化する社会で生きており、人々の働き方や人生を楽しむ方式を技術が変えているということを知っています。すなわち、顧客に技術基盤ソリューションを提供することが、私たちが成長することのできる一つの方法となっているのです。CBREは現在不動産分野で一番大きい会社ですが、自慢したり現実に満足せず、この位置を維持するために継続して改善と改新しなくてはなりません。最後に、ライバルを過小評価したり、顧客を軽視しないよう注意することです。
韓国不動産市場で競争力を確保するため、CBREはどのような努力をされていますか。
私たちは、昨年に韓国産業用不動産サービス分野の圧倒的なリーダーになれるようビジョンを抱き、成果主導型企業文化を導入しました。そのために、私たちは成長、顧客、協力及びコミュニケーション、従業員維持、採用、プラットフォーム、持続的な改善とリーダーシップで構成された7大戦略的優先順位を立てました。加えて、CBREは選択される雇用主として、顧客に測定可能な優秀な結果を提供し、私たちの事業領域で従業員、そして海外スタッフ間の連携を強化しようとしています。また、CBREのプラットフォームに投資してくれる、情熱的かつ積極的で包括的な役員で構成していく計画です。
By Grace Park (gracepark@kotra.or.kr)
English Editor / Invest Korea