本文のショートカット メインメニューのショートカット

韓国進出の成功事例

  • Home
  • Why KOREA
  • 韓国進出の成功事例
韓国外国投資誘致名誉大使 ロディ・エンブレヒツ(Lody Embrechts)氏に聞く
作成日
2026.06.15
Honorary Ambassador of Foreign Investment Promotion for Korea : One-on-One with Lody Embrechts

Invest KOREAは、韓国外国投資誘致名誉大使のロディ・エンブレヒツ氏に、韓国とUAEを結ぶ「経済回廊」の現状や、外国人の投資先として韓国が持つ圧倒的な競争力についてお話を伺いました。

韓国とUAEの経済関係が新たな局面を迎えつつあります。過去の単発的な大型契約に留まっていた両国の関係は、今やエネルギー、医療、防衛産業、新技術など、産業全般にわたって持続可能な協力を展開する段階へと進化を遂げています。こうした流れの中で、Invest KOREAはロディ・エンブレヒツ韓国外国投資誘致名誉大使に、韓国の投資の魅力と国境を越えた国家間のパートナーシップの根幹となる長期的な信頼について語っていただきました。ロディ・エンブレヒツ氏は、駐韓オランダ大使を務めた経歴を持ち、現在はUAEラアス・アル=ハイマ統治者の首席顧問として活躍しています。
まずは自己紹介をお願いいたします。

私はオランダでキャリアをスタートし、現在はアラブ首長国連邦(UAE)を構成する首長国の一つであるラアス・アル・ハイマ(Ras Al Khaimah)首長、シェイク・サウード・ビン・サクル・アル・カーシミー(His Highness Sheikh Saud bin Saqr Al Qasimi)殿下の国際関係担当上級顧問を務めています。ラアス・アル・ハイマは、製造業、観光、ホスピタリティ、流通、鉱業を中核として急速な成長を遂げている経済圏です。

私とこの地域との縁は、オランダでの長年の外交キャリアを通じて始まったものです。外交官生活の間、私はアブダビで勤務を皮切りに、ドバイ総領事、そしてUAE大使まで、計3回にわたりUAEに赴任いたしました。この在任期間を通じて、公私ともに多様なネットワークを広げ、強固な信頼関係も築いてまいりました。また、シェイク・サウード殿下との深い親交もその頃から続いています。2023年に外交官を引退した後は、ラアス・アル・ハイマの国際的な成長戦略の策定に尽力しています。

私はこれまでイラン、イラク、マレーシアで勤務した経験があり、中でも韓国では、特に意義深い時間を過ごしました。1990年代半ばに在韓オランダ大使館の経済部参事官を務め、その後、駐大韓民国・駐朝鮮民主主義人民共和国オランダ大使として朝鮮半島との縁を深めてまいりました。また、グローバルエネルギー企業であるシェル(Shell)のCEO国際関係顧問を務め、民間セクターにも身を置いた経験があります。その経験のおかげで、官民双方をバランスよく見渡す視点を養うことができました。 
韓国が投資先として魅力的な理由は、どのような点にあるとお考えですか。

韓国が投資先として注目を集めるのには、いくつかの明確な理由があります。何よりも、韓国は、イノベーション主導型の高度に発展した経済体制を備えています。半導体やバッテリー、バイオテクノロジー、造船といった基幹産業において、韓国は世界市場をリードしています。

韓国の強力な産業政策や政府の支援も、同様に重要な要因です。経済自由区域(FEZ)の設置や手厚いR&D補助金、大韓貿易投資振興公社(KOTRA)をはじめとする専門機関による全面的なサポートなどが相まって、企業にとって魅力的なビジネス環境が整えられています。さらに、優秀な高度人材の存在も欠かせません。教育やSTEM(科学・技術・工学・数学)分野で常に世界トップクラスを維持し、次々と輩出される優秀な専門人材は、韓国ならではの圧倒的な競争力となっています。

インフラの面でも、韓国は世界最高水準を誇ります。道路・鉄道・港湾といった交通網はもちろん、世界で最も高速かつ信頼性の高いデジタルインフラまで完備しています。最後に、韓国の優れた治安水準と豊かな文化的資産が融合した質の高い定住環境は、グローバルに活躍するビジネス専門家とそのご家族が、安心して定着できる環境を提供しています。
グローバル投資家が今、最も注目しているセクターはどこでしょうか。

注目すべきセクターは多岐にわたりますが、その根底には韓国とUAEが「互いの強みを補完し合える関係」であるという点があります。韓国のAIや半導体分野における能力は世界最高水準であり、これはクラウドコンピューティングや人工知能のハブを目指すUAEのビジョンと合致します。UAEは、この分野を先導するという強い意志に加え、エネルギー資源や豊富な資本を有しており、これを現実のものとするために、韓国が持つ技術的な基盤と運営ノウハウを必要としています。

両国の協力の堅固さは、すでに原子力発電や防衛産業分野における成功事例、ソウル大学校病院の現地進出※などを通じて証明されています。しかし、両国間には依然として開拓されていない無限の潜在力が眠っています。消費財、ヘルス&ビューティ、K-コンテンツ、そして革新的なスタートアップに対するUAEの旺盛な需要は、韓国企業がその足場を広げるための広大な機会の場となるはずです。

* 編集部注:韓国とUAEの戦略的パートナーシップは、主に3つの基幹分野における協力によって築かれています。具体的には、医療・ヘルスケア(ソウル大学校病院による2014年からのUAEラス・アル・ハイマのシェイク・ハリーファ専門病院の運営)、エネルギー(2009年に韓国が受注したバラカ原子力発電所)、そして戦略的防衛産業協力(2022年に締結された主要な防衛技術輸出協定)などが挙げられます。
韓国市場への進出を目指す企業に、どのようなアドバイスをされますか。

韓国で成功するためには、机上の市場分析にとどまらず、現場で実際にどのように動いているかを深く理解する必要があります。韓国のビジネス環境は、根本的に「人と人との関係性」によって動いているため、誠意を持って長期的な信頼関係を築くために十分な時間をかけることが不可欠です。

組織の階層構造や意思決定プロセスを理解することも欠かせません。韓国では、急進的に市場へ参入するよりも、段階的かつ十分な合意形成を経るアプローチの方が効果的です。また、韓国の消費者は非常に目が肥えているため、きめ細やかなプレミアムサービスに対する期待値が極めて高いのが特徴です。これに応えるためには、ローカライズされたブランディングや韓国語によるコミュニケーションに十分なリソースを投じる必要があります。特に、デジタル技術が高度に発達した韓国社会において、強固なデジタル基盤を整えることは、もはや選択ではなく必須です。最後に、長期的な視点を持って臨まれることをお勧めします。現地の経営陣が自ら現地に常駐して活動してこそ、初めて韓国のビジネス社会の「真のメンバー」として受け入れられるのです。
韓国が外国人投資家にとってさらに魅力的な環境になるためには、今後どのような方向性を目指すべきだとお考えですか。

韓国も他の多くの国々と同様に、規制環境をさらに簡素化することで大きな恩恵を受けることができるでしょう。特に、重点育成産業において許認可手続きを一元化する「ワンストップ(single-window)」承認制度を導入すれば、行政上の摩擦を大幅に軽減できるはずです。

加えて、労働市場の柔軟性を高めるための継続的な取り組みも不可欠です。これは様々な利害関係が絡み合い政策的な調整が容易ではない領域ですが、外国企業が市場環境の変化に迅速に適応するためには、極めて重要な要素となります。

政策の観点からは、長期的かつ予測可能な税制優遇措置が提供されてこそ、外国人投資家も安心して大規模な資本の長期投資に踏み切ることができます。これに加え、韓国が確固たる優位性を持つ半導体や先端バッテリーなどの分野を中心に、韓国を多国籍企業の本部が集まる「北東アジアのハブ」へと育成する競争力戦略を策定すれば、極めて強力な投資誘致策となるはずです。
韓国投資広報大使として、今後どのような成果を残したいとお考えですか。

私の目標は、「可視的な成果」を生み出すことです。ハイレベルな交流を後押しし、両国の政策決定者や産業界のキーパーソンが直接意見を交わせる場を設けることで、韓国のイノベーション能力とUAE市場の需要をつなぐ「架け橋」の役割を果たしたいと考えています。適切な人々を一堂に集めることこそが、あらゆるビジネスを成功へと導く出発点であると信じています。この哲学は、私の外交官としてのキャリアを支えてきた原動力であり、現在のラアス・アル・ハイマでの職務の根幹でもあります。そして今後、韓国とUAEの持続的なパートナーシップをより強固なものにするために尽力する、韓国投資広報大使としての歩みにおいても、変わらぬ指針であり続けるでしょう。

By Soyoung Kim
Invest KOREA
Korea Trade-Investment Promotion Agency (KOTRA)

メタ情報