Invest KOREA

機密情報保護ソリューション
情報セキュリティ会社であるボーメトリックは、ネットワークが高度に発達した韓国で成長している。

最近、情報セキュリティが重要な話題となっている。

今年1月、韓国で発生した個人情報流出事件で、人口の40％に当たる2千万人の名前や携帯電話番号、勤務先、住所のほか、カード使用に関する信用情報が流出された。金融機関の個人情報流出事件としては過去最大規模であり、KB国民カード、NH農協カード、ロッテカードの顧客が大きな被害を受けた。

昨年には北朝鮮によるとみられるサイバー攻撃で、韓国の主要テレビ局や銀行に大規模なシステム障害が発生、サーバーがダウンした。

これは、韓国だけの問題ではない。今日、コンピューターとサーバーはもちろん、自動車と冷蔵庫までインターネットとつながっているだけに、情報流出問題は世界的な問題になっている。

「個人情報を含むあらゆる情報が流出している」とボーメトリック・コリア支社長のイ・ムンヒョン氏は話す。ボーメトリック・コリアは、物理環境や仮想環境、クラウド環境に向けた情報セキュリティソリューション会社だ。「情報漏えいが起こらないようにするために保護するべきだ」

米国のカリフォルニアに本社があるボーメトリックグループは、ファイアーウォール、デジタル証明書、高度暗号化とキーマネジメント、セキュリティ・インテリジェンス・デプロイメント及びオートメーションツールとサービスを提供している。1年半前に発足したボーメトリック・コリアは、海外における5番目の支社であり、アジア・太平洋地域における初の支社である。

これまでの情報セキュリティ会社は、ユーザーのPCとサーバー間の情報を統合保護するエンドポイントセキュリティソリューションの提供に重点を置いてきた。しかし、最近のセキュリティ事故は、従来のファイアーウォールより効果的なサーバー中心型セキュリティシステムの必要性を見せ付けた。これがボーメトリック・コリアが暗号化事業に焦点を当てている理由だ。暗号化とは、セキュリティキーやパスワードがなければアクセスできないよう、秘密コードに変換する作業だ。

韓国は北朝鮮と隣接していて、識別や追跡が容易な住民番号を広く使っている。そのため、他の国に比べて情報セキュリティに敏感なほうだ。よって、多くの韓国企業が暗号化ソリューションの導入を考慮している。

「多くの韓国企業がエンドポイントセキュリティソリューションに巨額投資したが、効果を得られず、よりよい方法を模索している。我が社の暗号化ソリューションこそが彼らが求める最後の解決策だ」とイ支社長は語った。

同社の昨年の売上高は、前年比25％増加した。これは、ボーメトリックグループの全体売上高の5％に当たる。イ支社長の今年の目標は、現在200社の顧客を300社に拡大し、グループ全体の売上高を5％から10％に引き上げることだ。また、本社に対して追加支援を求め、韓国で研究開発を行う予定だ。現在、ボーメトリック・コリアは、暗号化及び情報セキュリティ研究で有名な韓国の大学と協力関係を結んでいる。

同社の主要顧客のほとんどは金融会社だ。イ支社長は、製造業と政府機関も誘致する考えだ。

ボーメトリックグループは、ビッグデータのセキュリティ部門にも取り組んでいる。最近、防犯カメラやスマートフォンのカメラ、ドライブレコーダー、録音機などの普及によって、情報セキュリティソリューションの需要が増えている。今後、ボーメトリック・コリアは、同機器に保存される重要な個人情報を保護する暗号化セキュリティソリューションを提供する計画である。

「我々は、今もビッグデータに向けた情報セキュリティソリューションを十分提供できるが、今のところ、全ての情報を暗号化する考えはない。しかし、間もなく必要性が指摘されるだろう」と話した。

情報セキュリティの脆弱性が発覚されることに伴い、暗号化ソリューション市場は毎年20％を超える成長率を見せている。イ支社長は、情報セキュリティソリューションの導入は決して不要な支出ではないと語る。

「情報セキュリティへの投資は、多少費用が掛かるが、会社の未来とあなたの地位を守ってくれるだろう。これは、最終的に顧客の資産を守ることだ」とイ支社長は話した。

By Chang Young (young.chang@kotra.or.kr)