本文ショートカット メインメニューのショートカット

ニュース·イベント

  • Home
  • ニュース
  • ニュース·イベント
3年ぶりの「ヤマメ祭り」 韓国・華川で7日開幕
作成日
2023.01.09
ヒット
108

聨合ニュースによると、


【華川聯合ニュース】韓国を代表する冬のイベント「氷の国華川ヤマメ祭り」が7日から29日までの23日間、北部の江原道華川郡で開催される。

毎年100万人以上が訪れるヤマメ祭りは、2020年には豪雨や異常気象の影響で観光客が減少し、21年からは新型コロナウイルスの影響で中止されていたが、今回3年ぶりに開かれる。

韓国の冬の祭りとして唯一、文化体育観光部の「グローバル育成祭り」に選ばれており、災害安全救助隊が毎朝潜水して氷の厚さなどを点検し、入場できる人数を制限するなど安全対策に総力を挙げている。

◇最小の都市で開かれる最大規模の祭り 危機もチャンスに 

世界唯一の分断国家である韓国の南北軍事境界線に近い華川郡は人口わずか2万5000人の小さな町で、面積の90%以上を山と河川が占めるうえ、軍事施設や環境規制により開発が難しい地域だ。

華川に駐屯する軍人は約3万人に上り、住民よりも軍人が多い代表的な軍事都市でもある。

このような山奥の町で03年、「凍らない人情、とけない思い出」をテーマに初めて開かれたヤマメ祭りは、初年度に22万人が来場。06年から19年まで13年連続で100万人以上が訪れる世界的な祭りに成長した。

04年に初めて「韓国予備祭り」に選ばれたのに続いて06年に「有望祭り」、08年に「優秀祭り」、10年に「最優秀祭り」と急速に成長し、14年から18年まで5年連続で「韓国代表祭り」のタイトルを獲得した。

19年には冬の祭りとして唯一、文化体育観光部の「グローバル育成祭り」に選ばれた。

祭りを成功に導く最大の原動力となったのが、地域活性化に向けた華川郡と住民たちの切実な思いだ。

全国で最も早く氷が張る厳しい寒さと各種の規制により守られている豊かな自然に注目し、腕の太さほどもあるヤマメを釣り上げる楽しさを発信。

異常気象やコロナ禍もチャンスととらえ、氷が張らない会場にボートを浮かべて釣りができるようにしたり、新型コロナの影響で祭りが中止された時には残ったヤマメを加工食品にして販売したりした。

◇3年ぶりに再開される冬祭り 見どころ満載

華川ヤマメ祭りの主役は、厚さ30センチを超える氷の下を泳ぐ「渓谷の女王」ヤマメだ。

期間中にはメインプログラムの氷上釣りや祭りのクライマックスとなる「ヤマメのつかみ取り」のため、計171トンのヤマメが投入される。

華川郡で宿泊すれば夜釣りが無料で楽しめるほか、その場で焼いたヤマメに舌鼓を打ち、独自に開発された多彩なメニューで空腹を満たすことができる。 

多くの外国人が訪れることから、外国人専用の釣り場や休憩スペース、イスラム教徒(ムスリム)のための祈祷(きとう)室なども設けられる。

ヤマメ釣り以外の見どころも満載だ。華川川のそり遊び場では、全長100メートルを超えるスロープをチューブ型のそりで滑り降りることができる。

周辺には伝統的な氷そり場も作られ、チューブそりに乗って専用コースを滑るボブスレーも運営される。

また、氷上釣り場の隣ではアイスサッカーやカーリング、フィギュアスケート体験も可能だ。

屋内としては世界最大級となる氷の彫刻広場やランタン通りは、滞在型の祭りとするために準備したプログラムだ。

氷の彫刻広場では、1700平方メートルの敷地に大型の氷約9000個を使って作られた太極旗(韓国国旗)や世界の有名建築物など約30点が展示される。

ヤマメをかたどったランタンをともすランタン通りは、毎週末(土・日曜日)には歩行者天国となり、公演やイベントが開かれる。

◇キーワードは「安全」 地域経済活性化・滞在型観光に注力

今年の華川ヤマメ祭りのキーワードは「安全」だ。華川郡は10年以上にわたり培ったノウハウと緻密な流速調節により、会場となる川の結氷作業を毎年成功させてきた。

祭りの期間中には災害安全救助隊が毎朝潜水して氷の厚さなどを点検し、会場の入場制限を行うなど安全対策に万全を期している。

また、雑踏事故に備えて会場に出入りする通路に警備員を配置し、渋滞を防ぐため主要拠点や幹線道路で交通整理を行う。

華川郡は今年、ヤマメ祭りと新たな観光コンテンツを連携して地域経済を活性化させることに注力した。

北漢江沿いに昨年オープンした54ホールのパークゴルフ場や白岩山ロープウエー、破虜湖の遊覧船などが楽しめるほか、韓国最北端にある標高1173メートルの白岩山ロープウエーからは、北朝鮮の金剛山ダムと平和のダムを同時に見下ろすことができる。

地域活性化のため、06年からはヤマメ釣りの体験料(中学生以上1万500ウォン=約1580円)を払った来場者に農産物や特産品の引換券5000ウォン分を提供し、地域の商店街と観光客の双方にメリットをもたらしている。

09年に大学産学協力団が発表した報告書によると、祭りによる直接的な経済効果は1300億ウォンに上るという。

華川郡の崔文洵(チェ・ムンスン)郡守(郡の首長)は「祭りによって利益を残そうとするのではなく、地域のブランド価値を高め、停滞した地域経済を活性化させることが目的だ」として、「安全を最優先に、訪れた観光客が忘れられない冬の思い出を作れるよう準備した」と述べた。

ynhrm@yna.co.kr
<著作権者(c)聨合ニュース。無断転載・再配布禁止。>

原文記事
出所:聨合ニュース(2023.1.7)