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[文化コンテンツ]韓国の文化コンテンツ産業の現状と展望
作成日
2017.04.26
ヒット
4394

序論


「文化コンテンツ産業」とは、文化商品やサービスの企画・開発・制作・生産・流通・消費などに関する産業のことを意味し、文化産業、コンテンツ産業、クリエイティブ産業、メディアエンターテイメント産業などと呼ばれている。ここで「文化商品」は、娯楽性・余暇性・大衆性・芸術性・創意性といった文化的要素を用いり経済的付加価値を創出する有形・無形の財やサービス及びその複合体をいう。

文化コンテンツ産業の生態系は創作(企画)、制作(商品化)、流通(マーケティング)、消費(利用)の段階からなり、各段階は諸産業と密接に関わっている。文化コンテンツ産業は他産業に比べ 中間投入率が低く付加価値が大きいという特徴がある。

韓国の文化コンテンツは「韓流」の波及効果により、海外からも大ブームを巻き起こし、韓流の人気が高い地域ほど韓国の消費財の販売も伸びる傾向がある。


産業の現状


グローバルな景気低迷にも関わらず、中国やインドといった新興大国の生活水準とネットワークのインフラ水準が持続的に改善し、文化コンテンツ産業はしばらく5%台の成長を続けると予想されている。

特に、アメリカが世界の文化コンテンツ市場の3分の1を占め圧倒的な存在感を放つ中、中国の成長が目立っている。

一方、韓国の文化コンテンツ市場は年平均4.2%の成長率を示し、2014年ベースで世界8位となった。とりわけ、ここ5年間の売上高ベースでみると年平均5.7%、輸出額ベースでは8.3%の成長率を示し、東アジア・西南アジア・欧州・南米でK-popをはじめとする韓流の人気が高まっているため、今後の着実な成長が見込まれる。

韓国政府は早くも文化コンテンツ産業を「21世紀主力産業(文化体育部、97年)」、「21世紀基幹産業(金大中大統領就任の挨拶、98年)」、「次世代成長エンジン産業(財政経済部、03年)」などと位置づけ、未来有望産業として選定しサポートを行っている。少ない資源の中で、幸いクリエイティブな人材に恵まれている韓国では、文化コンテンツ産業が国の経済を牽引する主要産業として認識されている。


主要文化コンテンツ産業における韓国の市場シェア

(単位:百万ドル、%)

主要文化コンテンツ産業における韓国の市場シェア
区分 世界 アメリカ 日本 イギリス ドイツ フランス 韓国
規模 ランキング 比重
ゲーム 65,736 14,241 8,663 4,967 2,672 3,257 6,985 4 10.6
映画 88,274 31,118 6,745 6,088 3,798 3,812 2,967 9 3.4
音楽 47,415 15,077 5,041 4,110 4,316 1,817 780 11 1.6
出版 372,881 97,904 39,425 17,032 30,469 17,847 8,912 8 2.47
放送 445,410 182,188 24,819 19,947 25,892 14,576 6,638 13 1.5
出展:PWC、KOCCA(2015)、「コンテンツ産業主要統計」

外国人直接投資(FDI)の現状


現在、文化コンテンツ産業に対する外国人直接投資(FDI)は、映画・放送・ゲーム・エンターテインメントに限られている。産業の特性上、国内で完成されたコンテンツを輸出するのが一般的で、放送など一部分野においてはフォーマット輸出による海外進出が行われている。

ここ数年間、中国系企業や資本が韓国の文化コンテンツ産業に積極的に投じられている。一例として、中国のインターネット企業テンセント・ホールディングスは2014年だけで約7千億ウォンのFDIを通じ、韓国の主要ゲーム企業の持分を取得。その後、華策影視、大連万達グループ、アリババグループといった中国企業は韓国の映画・放送・芸能に対する投資を強化した。

韓国の文化コンテンツに対する中国の需要が高まるにつれ、今や中国企業は単なる製作済みのコンテンツを輸入することにとどまらず、韓国のコンテンツ企業への直接投資を通して企画段階から関わっている。

アメリカ最大の動画配信サービスNetflixは従来のコンテンツ収集を超え、ヒットの可能性の高いコンテンツ制作に直接投資し、良質のコンテンツを事前確保するため取り組んでいる。実際に同社は、映画「スノーピアサー」で作品性と興行性を認められたボン・ジュノ監督の次回作「オクジャ(Okja)」を製作中のオクジャSPCとプランBエンターテインメントに制作費の全額に相当する5000万ドルを投資し、その代わりに独占上映権を確保した。


雇用動向


韓国の文化コンテンツ産業従事者数は2014年ベースで61万6459人と、前年比0.5%減となった。印刷メディアである出版、漫画産業の従事者数は右肩下がりで推移しているが、出版産業の従事者は19万1033人(31.0%)と、最も高い割合を占めている。

近年、技術の進歩によりゲームや映画産業に従事する人は減少しているが、デジタルメディアが成長するにつれ、知識情報とコンテンツ・ソリューション産業の従事者は着実に伸びている。


文化コンテンツ産業の従事者数推移

(単位:名、%)

文化コンテンツ産業の従事者数推移
区分 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 比重 前年比
年平均の
増減率
出版 203,226 198,691 198,262 193,613 191,033 31.0 △1.3 △1.5
漫画 10,779 10,358 10,161 10,077 10,066 1.6 △1.1 △1.7
音楽 76,654 78,181 78,402 77,456 77,637 12.6 0.2 0.3
ゲーム 94,973 95,015 95,051 91,893 87,281 14.2 △5.0 △2.1
映画 30,561 29,569 30,857 30,238 29,646 4.8 △2.0 △0.8
アニメーション 4,349 4,646 4,503 4,502 4,505 0.7 0.1 0.9
放送 34,584 38,366 40,774 41,522 41,397 6.7 △0.3 4.6
広告 34,438 34,647 36,424 49,114 46,918 7.6 △4.5 8
キャラクター 25,102 26,418 26,897 27,701 29,039 4.7 4.8 3.7
知識情報 61,792 69,026 69,961 71,591 75,142 12.2 5 5
コンテンツソリューション 19,540 19,813 20,145 21,731 23,795 3.9 9.5 5
合計 595,998 604,730 611,437 619,438 616,459 100 △0.5 0.8
出展:「2015コンテンツ産業統計(文化体育観光部、2016)」の85ページを再構成

立地と政策


文化コンテンツ企業の90%以上はソウルまたは首都圏に位置しているが、これは消費者と人材のみならず、制作・流通インフラも首都圏に集中しているためだ。こうした偏りを是正すべく、韓国政府は分野別の産業団地設立、振興地区や振興施設の設計など様々な刺激策を通して各地域に文化産業を誘致している。すでに映画とゲームは釜山、放送は京畿道高陽、アニメーションは京畿道富川と江原道春川など、一部地域では関連産業の集積化が行われている。

さらに政府はコンテンツ産業振興法に基づいて3年毎に「コンテンツ産業振興基本計画」を樹立し、機関同士の協力を通して施行計画を樹立・推進する。現行の「第2次コンテンツ産業振興基本計画(2014~2016)」では、コンテンツ産業で創造経済を牽引、国民所得3万ドル時代実現をビジョンとして掲げ、「投資・融資・技術の基盤造成」、「コンテンツ起業・創職の活性化とクリエイティブ人材養成」、「グローバル市場への進出拡大」、「強固な生態系作りと利用促進」、「健全な環境作りと利用促進」、「分野別のコンテンツ競争力強化と育成に向けた協力体制の構築」を5大推進戦略に掲げ、17大の重点課題を示している。


今後の見通し


豊かなICTインフラに支えられ発達したプラットフォームと優れた技術力をもつデバイス産業は韓国の文化コンテンツ産業の重要な成長基盤となっている。1990年代末から政府が推進し始めた振興策により、外国人投資の制限など関連規制が緩和しつつある。

韓国はグローバルな文化コンテンツのテストベッドとして主要ハリウッド映画が世界初で公開されており、最近のK-Pop、K-Dramaといった韓流の世界的な広がりは韓国市場の価値の高さと可能性を裏付けている。




By キム・ギュチャン
文化コンテンツ産業 / Invest KOREA、2017



< 本稿の内容は、筆者の個人的見解であり、 必ずしもKOTRAが所属する組織の見解ではありません。 >
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