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[食品]韓国珈琲・デザート産業の現状と展望
作成日
2017.11.30
ヒット
1241

韓国外食・デザート市場規模


韓国外食産業の年間売上高は05年46兆2530億ウォンから15年108兆ウォンへと、10年間233%の著しい成長を遂げた。

こうした成長は所得増大、女性の社会進出、レジャー活動の活発化、食品・外食の消費スタイルの変化、一人暮らしの増加など、様々な社会・経済・文化的背景によるものだと言える。


韓国外食産業の売上高の推移


*資料:韓国・農林畜産食品部


消費トレンドとライフスタイルの変化に伴い、外食産業は次第に細分化・専門化され、消費トレンドに変化をもたらし続けている。中でも目立つのはデザート産業の成長そして多様化・細分化である。

外食産業向けのデザートは、珈琲専門店やベーカリー、アイスクリーム、お茶・ジュース、その他と分けられている。初期段階にはベーカリー、珈琲、アイスクリームなどの専門店を中心に市場が形成されたが、次第にカフェ文化が広まり、スターバックスのようなグローバルチェーンが国内へ進出し始めた。その結果、珈琲を中心とするデザート専門店の普及や消費者の多様化により、業種や品目、消費者層の細分化が進み、市場は量と質の両面で成長を遂げた。 .


韓国のデザートと外食市場における消費トレンド


最近の消費トレンドの変化は韓国デザート市場の成長をもたらした。2010年以降、長期不況に伴う消費の二極化を受け、消費者はコストパフォーマンスに優れた製品を好んだり、自分のためにはお金を惜しまず普段の生活の中でも手が伸ばせる高級体験、つまりプチ贅沢を楽しむ傾向が強まっている。こうした現状は、見た目も味も大満足できるプレミアムデザートの消費へつながっている。

プチ贅沢を楽しむ20~30代の消費者は、他人から見られる自分のイメージや自分なりの個性を重要視するため、SNSやブログなどのネット上で自身の消費経験を発信することが多い。そのため、見た目が派手で可愛いデザート商品は、SNSの口コミによって消費が増加傾向を持続している。

2016年、一般消費者向けに実施した調査によると、前年より外食費が増加した消費者(50.8%)とそうでない消費者(49.2%)との差は殆ど変わらないことが分かった。一方、前年よりデザート費用が増加した消費者(56.3%)とそうでない消費者(30.4%)との差は25.9%となり、デザート支出の比重が大きくなっていることが伺える。

では、消費者がデザート専門店を訪れている理由は何だろうか。消費者はデザート専門店を単にデザートを食べる場所としてではなく、読書、勉強、社交、一人時間など、様々な目的を持って利用していることが分かった。言い換えると、今日のデザート専門店は、消費者の暮らしを豊かにする、有意義な場所と化しているわけである。


デザート専門店の訪問目的


*資料:国内外デザート外食市場調査(農林畜産食品部/aT韓国農水産食品流通公社,2016)


デザート消費スタイルをみると、男性よりは女性が、地方よりは首都ソウルが、高齢よりは若年層であるほど、デザートを消費する傾向が強い。

また、調査によると、ベーカリー、珈琲、アイスクリーム、お茶・ジュース、その他のデザート専門店の順に訪問回数と選好度が高く、一月当たりの購買回数や購買意思も同様の順で高かった。さらに、製菓類、お茶・ジュース(フルーツジュース、スムージー、タピオカティー等)、アイスクリームは低年齢のほど人気が高く、珈琲は高年齢のほど人気が高いことが分かった。お餅などの韓国デザートは高年齢の男性に最も人気で、面白いのは人々はデザートの種類ではなく韓国の伝統食材(完熟柿、小豆、もち米)を取り入れたものを韓国デザートと認識している。


韓国デザート業界の見通し


韓国外食産業の現状と動向、そしてデザートの消費スタイルを総合的に分析すると、今後、韓国のデザート業界は成長基調を続けていくと見通される。ただ、依然としてデザートは「贅沢品」「アンリーズナブルな価格」だという印象が強いことを考えると、価格を下げた低価格市場と高級な食材のプレミアム市場へと二極化が進むとみられる。また、デザート業界も他業界と同様に、他人からの視線を気にする傾向が薄まり、自然と日常生活に馴染んでくるだろう。


パン屋とベーカリーカフェ


食生活の欧米化、単身世帯の増加など、忙しい現代社会で簡単食のパンの消費が増加したことで、韓国の製菓・製パン業界は2014年ベースで売上高4兆6千億ウォン(42億1千万ドル)、企業数1万6496社と、09年比60%以上の成長を示した。

初期には、個人経営のパン屋を中心に市場が形成されたが、次第にブランドにこだわる消費者が増え、衛生と品質管理を大事にする傾向が強まり始めた。2011年からは企業経営(フランチャイズ)のパン屋が個人経営パン屋数を追い越した。しかし、最近では消費者の高級食材や健康への関心が強まり、高品質の食材と技術力の高さを売りにした製菓・製パン会社所有のパン屋が人気となっている。大衆性やアクセスの良さなどで競争力の高いフランチャイズベーカリーと、品質や価値を重要視する個人経営のベーカリーと別れた競争の構図は、今後も維持されるとみられる。


珈琲専門店


韓国の珈琲専門店は1980年代にフランチャイズシステムとともに全国へ広がり、1999年の初のスターバックス店舗開店を通して韓国にエスプレッソマシンを基盤にしたテイクアウト珈琲店が登場した。特に、2000年以降は珈琲市場の爆発的な成長を受け、海外のみならず国内ブランドも大勢誕生し、2014年頃には低価格の珈琲専門店も登場するなど、競争が激しさを増している。

2014年実績で韓国の珈琲業界(インスタント、専門店など)規模は5兆4千億ウォン(49億5千万ドル)、うち珈琲専門店規模は2兆5千億ウォンと市場の47%を占めている。

一方、珈琲専門店の成長に伴うニーズの多様化に対応するため、ここ数年では個人経営の珈琲店が新しい市場を形成し始めている。こうした個人ブランドは地域社会を狙った安価な珈琲店と、マニアを狙ったプレミアム珈琲店に分かれている。プレミアム珈琲店は最近の高級珈琲への高い人気によって自然と形成され、厳選された豆と豆の長所を引き出すローストでフランチャイズとは一味違った新市場を作り上げている。このように、珈琲一杯のお値段も負担に感じる消費者が大勢いる一方、プレミアム珈琲にこだわる消費者も増えている。


お茶・ジュース専門店


珈琲以外のお茶やジュースなどを中心に「健康」と「美容」を売りにした飲み物や、健康食材を使った食事代わりの飲み物の市場もできている。運営スタイルは企業が運営するフランチャイズ型のジュース・お茶専門店やプレミアムお茶・ジュース専門店に区分され、かつてはプレミアム専門店を中心に市場が成長したが、その後は低価格のフランチャイズブランドを中心に、そして今では二つのタイプが共存する形となっている。

お茶・ジュースのフランチャイズブランド数は2016年ベースで53と、13年比6.7倍増となった。珈琲以外の飲料市場は珈琲市場の成長には及ばないとしても、生ジュースやお茶、タピオカ、ヨーグルトなどが市場の一部をなすとみられる。


その他のデザート専門店


アイスクリーム市場も低価格市場と高級市場で二分している。一方、今までカフェや専門店でしか味わえなかったかき氷は、専門店の出現とともに新鮮なデザートとして注目を集め、海外市場にも進出している。ただ、季節的な限界などにより、今は成長が鈍っている。

他にも、お餅、マカロン、チョコレート、ポップコーンなどの専門店が高級材料や最新の製造技術を用いて高級デザート専門店として立地を固め、小規模ながらそれなりのデザート市場を形成している。特に、かき氷を代表とする韓国デザートへの好評は、お餅デザートの多様化・高級化を促すとともに様々な韓国飲料、そしてデザート市場の拡大にもつながろう。


ユン・ウンオク部長
(私)韓国外食産業経営研究院 / yeo@foodbank.co.kr



< 本稿の内容は、筆者の個人的見解であり、 必ずしもKOTRAが所属する組織の見解ではありません。 >
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