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グローバルなエネルギーパラダイム転換と韓国の産業立地の構造的進化
世界の産業エコシステムがカーボンニュートラルと気候変動対応を軸に急速に再編される中、企業が製造・研究拠点を選ぶ基準も変わりつつある。かつて産業団地の立地を左右したのは、用地の分譲価格や道路・港湾へのアクセス、用水供給といった物理的インフラだった。しかし現在は「再生可能エネルギーを安定的に調達できるか」が、企業の存続に直結する要素として浮上している。
米国のインフレ抑制法(IRA)やEUの炭素国境調整メカニズム(CBAM)に見られるように、主要国は気候政策を、自国産業の競争力強化とサプライチェーン再編のための強力な手段として活用している。韓国銀行の気候変動リスク分析報告書は、温室効果ガスを多く排出する製造業がエネルギー転換政策に適時に対応できなければ、2040年以降、高炭素産業の付加価値が急落し、それに伴う金融リスクも急増すると予測している。
こうした急激な環境変化に対応し、韓国は産業立地の開発戦略を二つの方向で高度化している。一つは、輸出製造業や先端IT企業のCBAM・RE100対応を後押しするため、再生可能エネルギー電力を現地で直接供給する立地の整備である。もう一つは、世界のクリーンエネルギー市場で先行するため、水素やSMRといった次世代エネルギーの技術と、素材・部品・装置のバリューチェーンを集積するエネルギー新産業エコシステムの構築だ。この二つの戦略を通じて、企業の炭素規制リスクを解消するとともに、新たな成長エンジンを生み出す狙いがある。
再生可能エネルギーを基盤とするAIデータセンターの自立型拠点:全南光州統合特別市・海南ソラシド

全南光州統合特別市海南(ヘナム)郡山二面一帯で造成が進む「ソラシド企業都市」は、大規模な再生可能エネルギー資源と先端ITインフラを組み合わせた、韓国を代表する未来型のエネルギー産業立地である。
AI時代の到来でデータセンターの電力消費量が爆発的に増える中、首都圏の電力系統に負担をかけず、クリーン電力を現地で直接調達する「地産地消」型の産業立地の価値が急速に高まっている。ソラシドはこうした電力環境に最適化された拠点であり、長期的には原発9~10基分の設備容量に相当する9.8GW規模の電力供給基盤の整備を進めている。これにより地域の電力自給率を最大限に高めるとともに、入居企業に再生可能エネルギー100%の電力を直接供給する分散型電力システムを構築している。
こうした突出したエネルギー競争力を背景に、ソラシドのデータセンターパークでは、国家AI能力の中核インフラとなる「国家AIコンピューティングセンター」の整備が2028年の完成を目指して進められている。最先端のAI半導体を導入するこのプロジェクトを皮切りに、ソラシドは大規模な先端産業用地、豊富な工業用水、カーボンフリー電力網を組み合わせ、グローバルIT企業やデータセンターの誘致を本格化させている。ソラシド開発事業は、約3兆2,000億ウォンの経済波及効果と定住人口10万人の確保を目標に掲げ、環境配慮型のエネルギー自立都市の実現に向けた取り組みを加速している。
全国初のカーボンニュートラル産業団地代表モデル:慶尚北道・亀尾国家産業団地
既存の製造業団地におけるエネルギー構造のクリーン化を先導するため、政府は慶尚北道の亀尾(クミ)国家産業団地を「カーボンニュートラル産業団地代表モデル構築事業」の対象地に指定し、事業に着手した。
本事業は、2029年までに総額1,300億ウォンを投じるプロジェクトだ。団地内の工場屋根や国公有地の駐車場などの遊休地を活用して30MWの太陽光発電所を整備するほか、60MWhのエネルギー貯蔵システム(ESS)と、産業団地における再資源化産業のエコシステムを構築する。これにより、20年間にわたり年平均36GWhの再生可能エネルギーを生産するなど、2,000億ウォンの社会経済的価値を生み出すと試算されている。
整備されたインフラは、団地内で生産した再生可能エネルギーを電力ピーク時間帯に入居企業へ割安で供給し、電気料金の負担を軽減する。同時に、製造工程における温室効果ガス排出量の削減を通じて、入居企業がRE100の履行実績を確保しやすくなるよう支援する。これにより亀尾国家産業団地は、EUのCBAMをはじめ強化が続くグローバルな炭素規制にさらされる輸出製造企業の通商競争力を大きく引き上げる、韓国初のカーボンニュートラル先導団地に生まれ変わる見通しだ。
水素の全サイクルにわたるエコシステム構築と新産業拠点:江原道東海・三陟および慶尚北道浦項の水素特化団地

産業通商部は、カーボンフリーエネルギーの中核を担う水素産業をけん引する戦略拠点として、江原道の東海(トンへ)・三陟(サムチョク)と慶尚北道の浦項(ポハン)を韓国初の水素特化団地に指定した。現在、2028年の完成を目標に、団地造成と企業誘致の段階に入っている。
江原道東海・三陟水素特化団地は、液化水素の貯蔵・輸送分野の産業エコシステムに特化した拠点である。3,200億ウォン規模の水素貯蔵・輸送クラスター構築事業により、東海には企業の入居スペースと中核基盤施設が、三陟には液化水素を安定供給するための水素液化プラントが整備される。
慶尚北道浦項水素特化団地では、1,900億ウォンを投じて発電用燃料電池クラスターを構築している。浦項の団地は国内の燃料電池バリューチェーンを高度化するとともに、素材・部品を共有するモビリティ用燃料電池や水電解など、関連産業の育成を進める。水素特化団地の入居企業に対しては、R&D予算の優先支援、水素専門企業育成ファンドとの連携、税制優遇など、多角的な行政・財政インセンティブの提供が検討されている。
次世代カーボンフリー・ベースロード電源と先端製造の融合:慶尚北道・慶州SMR国家産業団地
電力を大量に消費する先端産業の成長に対応するため、政府は慶尚北道慶州(キョンジュ)市に約3,000億ウォン規模の「SMR国家産業団地」を造成しており、2030年頃の完成を目指している。
SMR(小型モジュール炉)は、大型原発に比べて建設期間が短く、立地の制約も少ないうえ、24時間安定的に電力を供給できる次世代のベースロード電源である。慶州SMR国家産業団地は、SMRの製造・実証・生産・輸出のエコシステムを一か所に集積する特化団地として、世界のSMR市場で先行する中核的な素材・部品・装置企業を重点的に誘致する。
さらに、団地近隣にある韓国水力原子力の本社など原子力関連のR&Dインフラと連携し、技術検証から素材・部品の国産化までをワンストップで支援する。
出典:韓国銀行、産業通商部、韓国産業団地公団、海南郡庁、慶尚北道庁
文:韓国産業団地公団










