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産業動向

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[2023年5月] 産業動向
作成日
2023.05.08
Industrial Trends

要約及び評価

最近の韓国経済は輸出が大幅に減少し、景気不振が続く。
内需はサービス業を中心に不振が一部緩和されており、金融市場も比較的に安定した状況が維持されている。
  • サービス業生産は旅行需要の拡大により対面業種を中心に増加傾向が拡大している。
  • 小売販売は自動車を中心に不振が緩和され、建設投資も建築部門を中心に増加傾向が拡大している。
  • サービス業の業況見通しが改善の流れを示している中で、海外銀行の破綻にも拘わらず、金融市場は安定を維持。
しかし、グローバルな景気減速で輸出が萎縮したことにより、製造業を中心に景気不振が続く。
  • 輸出は半導体を中心に不振が持続している。
  • それによって製造業は高い在庫率と低い稼働率が続き、生産は大幅な減少傾向を示す。
* 別途のコメントがなければ、すべての増加率は前年同月比基準である。
景気:サービス業は高い増加傾向を維持しているが製造業が萎縮したことで景気不振が続く。
2月の全産業の生産は、主に操業日数(‐0.5日→+2日)の増加によって前月(‐1.3%)より高い2.9%の増加率を記録。
  • 鉱工業生産(‐13.0%→-8.1%)は、自動車(10.7%→26.2%)と機械装備(-8.4%→8.6%)は大きく改善しているものの、半導体(-33.9%→-41.8%)と電子部品(-32.8%→-36.3%)を中心に大幅な減少傾向が続き、季節調整済の前月比でも3.2%減り、振るわない様相を見せている。
  • サービス業生産(4.8%→7.2%)は、観光客の流入など旅行需要の増加で宿泊及び飲食店業(8.1%→22.5%)、運輸及び倉庫業(11.2%→20.6%)、芸術、スポーツ、余暇関連サービス業(11.0% → 32.1%)を中心に増加傾向が拡大。
  • 建設業は基底効果が一部反映され生産増加幅(3.7%→22.4%)が拡大したが、住宅市場の不振が依然として続き、建設業景気の回復はまだ可視化していない。
製造業は、半導体景気の悪化で平均稼働率(70.8%→68.4%)が下落し、在庫率(120.8%→120.1%)は高止まりしており、萎縮した様相を示す。
  • 非製造業の業況BSI(見通し)は改善の流れが続き、長期平均水準(77)に近づいている。
    * 非製造業の業況BSI見通し(S.A.):(’23年1月) 76 → (2月) 72 → (3月) 74 → (4月) 75
  • グローバルな景気減速によって中国を中心に1日平均輸出額は減少傾向が拡大し、製造業の業況BSI(見通し)も低い水準に止まっている。
    * 1日平均輸出額(%): (’23年1月) -14.4 → (2月) -15.9 → (3月) -17.2
    * 対中国の1日平均輸出額(%): (‘23年1月) -29.5 → (2月) -31.1 → (3月) -36.2
    * 製造業の業況BSI見通し(S.A.): (‘23年1月) 71 → (2月) 66 → (3月) 65 → (4月) 67

最近の半導体景気の状況

最近の半導体景気は過去の危機時の最低点と似たような水準にまで下落し、景気不振の主な要因として働く。
2月の半導体産業関連の多数の指標は2001年ITバブルの崩壊、2008年グローバル金融危機と似たような水準に悪化している。
  • 半導体景気は2022年3月にピークを迎えた後、下半期から急激に後退。
  • 生産は前年同月比41.8%減少し、2001年7月(-42.3%)、2008年12月(-47.2%)水準の減少幅を示している。
  • 稼働率指数(季節調整済)も直前のピーク時に比べて49.1%下落し、2001年7月(-44.7%)、2008年12月(-48.0%)の水準となっている。
  • 在庫率(在庫指数/出荷指数)は254.2で、2001年7月(247.6)、2008年12月(204.6)の水準を上回っている。
輸出総額の18.9%(2022年基準)を占める半導体産業の需要減は輸出の萎縮による景気不振の主な要因として働いている。
  • 第4四半期の半導体輸出は前年同期比40.0%減少し、輸出総額の減少(-12.6%)に-7.9%p分の影響を及ぼしている。
消費: 自動車の小売販売額が大幅に増加した中で、海外観光客の流入によりサービス業生産の増加幅も拡大するなど、消費は不振が緩和される様相を呈する。
2月の小売販売は、耐久財及び準耐久財は増加したものの、非耐久財の減少幅が拡大し、前月(-0.9%)水準の-0.8%の増加率となっている。
サービス業生産は防疫措置の緩和による対面活動の拡大で前月(4.8%)より高い7.2%増加
これとともに3月の消費者心理指数は前月(90.2)より上がった92.0となっている。
建設投資:建設投資は建築部門を中心に増加傾向が拡大し、不振が緩和される。
2月の建設出来高(不変)は基底効果の部分的な影響で前月(3.7%)より高い22.4%の増加率を示す。
建設費用の増加傾向が緩やかになり、建設関連の心理指標も改善されるなど建設投資の回復可能性を示唆する指標が一部現れている。
但し、先行指標である建設受注(-7.4%)が土木部門を中心に減少し、不動産景気の不振が続くなど、建設投資の回復を妨げる要因も存在している。
輸出 : 輸出はグローバルな景気減速によってほとんどの品目で振るわず、大幅な減少傾向が続く。
3月の輸出(-13.6%)は、前月(-7.5%)より減少幅が拡大し、不振が続く。
  • 品目別には自動車(64.2%)が大幅に増加した反面、半導体(-34.5%)は大幅な減少が続き、その他のほとんどの品目も振るわない状況である。
    * 自動車・ 半導体を除いた1日平均輸出額(%):(‘23年1月) -10.7 → (2月) -12.4 → (3月) ‐17.9
  • 国別には対中国輸出の減少幅が拡大している中で、中国を除いた地域への輸出も不振が続く。
    * 中国への1日平均輸出額(%):(‘23年1月) -29.5 → (2月) -31.1 → (3月) -36.2
    * 中国輸出を除いた1日平均輸出額(%): (‘23年1月 -9.6 → (2月) -11.0 → (3月) -11.0
輸入は主要エネルギー源(14.7%→-12.1%)が大幅に減り、それを除いた部門(-0.9%→-4.0%)の減少幅も拡大し、前月(3.5%)の増加から‐6.4%の減少に転換
貿易収支(-52.7億ドル→-46.2億ドル)は赤字幅が縮小し、2月の交易条件(-5.2%→-4.5%)は前月に続き下落傾向が継続している。

※ 出所:韓国開発研究院「Monthly Economic Trends」(www.kdi.re.kr)

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