本文のショートカット メインメニューのショートカット

産業フォーカス

  • Home
  • 有望産業·立地
  • 最新産業情報
  • 産業フォーカス
[ICT] 国内外ロボット産業の動向と見通し新しく記事
作成日
2025.05.13

グローバル産業用ロボット産業の動向と韓国ロボット産業の競争力

韓国の産業用ロボット産業の市場規模は世界4位、ロボット密度は世界1位

国際ロボット連盟(IFR)の「World Robotics 2024」報告書によると、2023年の世界産業用ロボットの新規販売台数は54万1,302台と集計され、過去2番目に高い年間販売実績を記録した。グローバル製造業景気の回復が遅れているという厳しい環境の中でも3年連続、年間50万台以上の販売実績を達成し、持続的な成長の流れを維持している。今後、2024年から2027年までは年平均3.6%の成長率を示し、2027年には約60万1,000台水準に上るものと見込まれる。特に中国を含むアジア新興国が製造工程のスマート化に向けてロボットの導入を拡大しており、少子高齢化による生産年齢人口の減少、人件費及び物流費の上昇、デジタル・トランスフォーメーションの加速化というメガトレンドも産業用ロボットの需要を牽引する肯定的な要因として働く見通しだ。
図1. 世界の産業用ロボット販売の現状及び展望

세계 제조용 로봇 판매 현황 및 전망

* 出所:IFR(2024)、World Robotics 2024 – Industrial Robots
グローバル産業用ロボット市場は中国、日本、米国、韓国、ドイツの上位5ヵ国が主導しており、これらの国が市場全体の77.6%を占めている。韓国は産業用ロボット市場の5.8%を占め、世界4位となっている。何より注目すべきは韓国のロボット密度である。2023年基準で韓国のロボット密度(労働者1万人当たりの産業用ロボットの運用台数)は前年と同じ1,012台で世界平均(162台)の6倍を超える水準となっている。韓国は産業用ロボットの主な需要産業である電気・電子、自動車分野における高い産業自動化システムの構築に後押しされ、2021年に世界で初めてロボット密度1,000台を突破して以来、現在まで世界トップの産業用ロボット活用国という地位を固めている。
図2. 主要国の産業用ロボットの販売台数及びロボット密度の推移

주요국 제조용 로봇 판매대수(2023년), 주요국 로봇밀도 현황(2023년)

* 出所:IFR(2024)、World Robotics 2024 – Industrial Robots

韓国のロボット産業の動向と政策推進の現状

2023年の韓国のロボット産業の売上総額は5兆9,805億ウォンで2022年に比べて0.5%増加し、ここ3年間、年平均1.4%の緩やかな成長を示している。産業用ロボット(+0.5%)と部品及びソフトウェア市場(+0.4%)は足踏み状態となっているのに対し、サービス用ロボット市場は前年比6.4%成長し、最近、韓国ロボット産業の新しい成長動力として浮上している。主要品目別にみると、産業用ロボットの売上は2兆9,903億ウォンでロボット産業売上全体の50.0%を占め、韓国のロボット産業の成長を率いている。サービス用ロボットの売上は1兆456億ウォンで産業用ロボット売上の約35%の水準にとどまっているが、最近、専門サービス用ロボットが前年比13.4%の急激な成長率を記録し、産業内に占める割合が徐々に増えている。
表1. 韓国ロボット産業の売上の現状
(単位:億ウォン、%)
한국 로봇산업 매출 현황
区分 2018 2019 2020 2021 2022 2023 増減率
前年比 年平均
(’20~’23)
製造用 34,202 29,443 28,658 28,740 29,747 29,903 0.5 1.4
サービス用 6,650 6,358 8,577 9,077 9,823 10,456 6.4 6.8
専門 2,953 3,199 4,611 5,091 5,417 6,143 13.4 10.0
個人 3,697 3,159 3,966 3,985 4,406 4,313 -2.1 2.8
部品及びソフトウェア 17,167 17,550 17,501 18,266 19,363 19,446 0.4 3.6
合計 58,019 53,351 54,736 56,083 58,933 59,805 1.5 3.0
* 資料:ロボット産業実態調査結果報告書(2019~2024)、各年度
韓国はロボット産業の体系的かつ持続可能な成長を図るために2008年に「知能型ロボット開発及び普及促進法」を制定しており、同法令に基づいて2009年から5年周期(’09年第1次、‘14年第2次、’19年第3次、‘24年第4次)の「知能型ロボット基本計画」を立て施行してきている。第1次(2009~2013)及び第2次(2014~2018)基本計画は政府の主導の下で初期市場の創出に重きを置き、製造・教育・清掃ロボットなどの多様な分野でテスト普及及び技術開発を推進した。同期間中に韓国内の公共機関を中心にした普及事業とともに計6,288億ウォン規模のロボット技術R&D投資を通じて技術開発の基盤を築いた。第3次基本計画では政府-民間の役割を明確に区分し、政府は標準モデルの開発及びユーザー教育を中心にして市場基盤を拡大し、民間はレンタル・リースサービスの支援などを通じて自主的で持続的なロボットの拡大を誘導する官民協力型の政策を推進した。
表2. 知能型ロボット基本計画第1次~第3次の比較
지능형 로봇 기본계획 1~3차 비교
第1ㆍ2次基本計画 第3次基本計画
支援体系 ㆍ政府主導の政策策定・推進を通じた初期市場の創出
- 国内公共機関中心の普及事業を推進
- 10年間、ロボット技術R&Dに6,288億ウォンを投入
ㆍ政府-民間の役割分担による支援効果性の向上
- (政府)標準モデルの開発→先導的普及→ユーザー教育
- (民間)レンタルㆍリースサービスの支援
支援分野 ㆍ多様な分野にシード型R&D支援
- 既存の市場形成分野(製造、教育、清掃ロボットなど)支援
- 供給者及び公共機関中心に普及
- 1,365の需要先に6,063台を投入
ㆍ選択と集中を通じた有望分野支援
- 3大製造業中心に産業用ロボットの普及拡大
- 4大サービスロボット分野の集中育成
- 3大中核部品、4大SW技術の独立化
成長基盤 ㆍ制度及び支援機関の構築に焦点を当てる
- 知能型ロボット法の制定及び延長
- ロボット産業振興院の設立、品質認証を通じた市場拡大
ㆍ規制などの発掘・改善に焦点を当てる
- 規制革新センターの構築による制度発掘・改善の支援
- 協働ロボット作業場の安全認証による普及支援
政府は2024年1月「第4次知能型ロボット基本計画2024⁻2028」を立て、2030年までのロボット産業の革新成長に向けた青写真を掲げた。「グローバルロボット市場を先導するK-ロボット経済の実現」というビジョンの下で、▲ロボット3大中核競争力の強化、▲K-ロボット市場のグローバル進出の拡大、▲ロボット産業配慮型のインフラ基盤構築という3大主要推進戦略を中心に、2030年までに官民合同で計3兆ウォン以上を投資し、先端ロボット100万台普及という目標を達成することでロボットを利用した新しいビジネスモデルの創出と産業・社会全般の生産性の向上を図る計画である。

朴相洙(パク・サンス)研究委員(spark@kiet.re.kr)
産業研究院デジタル·AI転換生態系研究室

<本稿の内容は、筆者の個人的見解であり、必ずしもKOTRAの見解ではありません。>

メタ情報