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韓国新政府の再生可能エネルギー政策の方向
韓国政府は2025年35.1GW水準の再生可能エネルギーの設備容量を2030年までに78GW以上に大幅に拡大し、2040年まで石炭火力発電を段階的に廃止してエネルギーシステムの根本的な変化を見出す計画である。そのために大規模な洋上風力団地と専用港湾を造成する。また、営農型太陽光、水上太陽光、産業団地太陽光などの普及事業を積極的に推進し、普及速度を高める。「日光・風年金」制度とエネルギー自立村の造成を通じてエネルギー転換の恩恵が国民に直接届く共存モデルの制度化を図る。
李在明政権は再生可能エネルギーを単なる電力供給源を超えて未来成長動力と規定する。過去、京釜(キョンブ)高速道路が産業化時代の成長を導いたように、AIとエネルギーを二大軸とする「未来成長高速道路」を構築するという構想だ。2030年代に西海岸から始まって2040年代に韓半島全域に広がる「エネルギー高速道路」は、全国に分散されている再生可能エネルギー発電源をつなぐ知能型電力網の根幹になる。
これを通じて太陽光、風力、エネルギー貯蔵システム(ESS)など気候テック産業を体系的に育成し、輸出産業に発展させ、韓国経済の新しい成長エンジンを創出することが目標である。また、RE100産業団地を造成して輸出企業の気候通商競争力を支援し、これを太陽光・風力・バッテリーなど中核カーボンニュートラル産業の国産化や技術力強化に向けた需要先として活用する。これによって従来の主力製造業(半導体・自動車など)とカーボンニュートラル産業の両方においてグローバル市場をリードする国への飛躍を図る。
太陽光産業、危機とチャンスの共存
このようなグローバル危機の中で各国は自国産業を保護するための規制を強化しており、特に米国の強力な輸入規制は韓国において危機でもあり、チャンスでもある。韓国の太陽光産業はウェハー、ポリシリコンなどの川上工程が脆弱であるという限界がある。しかしながら米国の中国及び東南アジア産製品に対する規制は相対的に低い関税が適用される韓国産製品においてチャンス要因として働く。それにもかかわらず、トランプ政権の再生可能エネルギー支援縮小政策の長期的な影響を考慮し、輸出国を多角化することが何よりも必要である。政府は太陽光産業の活性化及びエネルギー安保のための製品認証制度の強化や製造税額控除、公共調達基準の改善などを通じて国産製品の使用を積極的に誘導すべきである。特に脆弱なサプライチェーンを内在化してリスクを最小限に止め、再編されるグローバルサプライチェーン内で韓国の戦略的な地位を確保しなければならない。

風力産業、タービン大型化への合流が必要
また、発電事業者数は増えたものの素材・部品・装備などの製造業基盤は依然として停滞状態であり、複雑な許認可手続きと低い住民受容性、系統アクセスの限界などは成長の足を引っ張る根深い問題である。幸い、政府主導の立地探しや許認可の簡素化を盛り込んだ「海上風力特別法」が可決し、制度的な基盤は作られている。これから重要なのは法的基盤の上で製造業競争力を実質的に強化することである。 今後、政府の果敢な支援策を通じて、風力産業生態系全般の持続可能性を確保することが喫緊の課題になる。
気候危機への対応と経済成長に向けた大胆な航海
太陽光産業はグローバル供給過剰という厳しい環境の中で、米国の貿易規制のような地政学的な変数をチャンスに変える努力をしつつ、脆弱なサプライチェーンを内在化し、超格差技術を確保しなければならない課題を抱えている。風力産業は特別法の可決という機会を土台にし、グローバル水準にまで製造業の競争力を引き上げ、社会的な受容性を確保してこそ安定的な成長が可能である。
結局、この二つの中核産業の成功は長期的かつ一貫した政策支援にかかっている。政府が明確なビジョンの下で揺るぎなく政策を推し進め、産業界が果敢な投資と技術革新を行ってはじめて、再生可能エネルギーは韓国を気候危機から守る盾で未来経済を導く強力な槍になるだろう。これは選択ではなく、持続可能な韓国のための欠かせない航海である。
オ・ヒョニョン副研究員(hyunoh@keei.re.kr)
エネルギー経済研究院 再生可能エネルギー政策研究室
<本稿の内容は、筆者の個人的見解であり、必ずしもKOTRAの見解ではありません。>