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[半導体] 韓国の半導体産業及び投資の現状新しく記事
作成日
2025.10.13

世界半導体市場及び韓国の半導体輸出

半導体は1980年代以降PC、スマートフォンなどに中核部品として使われることで持続的に成長してきており、2024年のグローバル半導体市場の規模は6,772億ドルとなっている。最近になってはAIが半導体市場の成長を牽引しており、今後5年間、年平均6.8%成長すると見込まれる。2024年の韓国の半導体輸出総額は1,419億ドルとなり、韓国最大の輸出品目として輸出全体の20.8%を占め、韓国経済と産業をリードしている。
<図1> 世界半導体市場の展望及び韓国の輸出
* 出所 : OMDIA(オムディア) 2025、貿易協会

韓国半導体市場の魅力

韓国は世界半導体の生産キャパの約20%を占め、中国、台湾とともにグローバル半導体サプライチェーンにおいて中核的な半導体製造基地の役割を担っている。また、韓国は地理的な利点もあることから、韓国だけでなく東アジアの半導体市場への進出を狙う企業に最適な投資環境を提供する。

このように韓国は、大規模な半導体製造施設を通じて世界で半導体設備投資が最も活発な国として、巨大な半導体装備・素材市場を形成している。韓国は、2024年基準で世界市場の17.4%のシェアを持つ半導体装備市場を有し、半導体素材も16.6%の大きな市場となっている。中国の装備/素材市場の数値には中国に位置しているサムスン電子、SKハイニックスの設備投資が含まれているため、韓国の半導体装備・素材市場はそれよりさらに高い数値と言える。半導体装備・素材を生産する企業にとって韓国と韓国企業は大きなチャンスになり得る。
<図2> 世界の半導体装備・素材市場における韓国の割合
* 出所 : Gartner(ガートナー) 2025

グローバル半導体企業の韓国市場進出の拡大

韓国の主力産業である半導体を基盤にした素材・部品・装備分野の多くのグローバル企業が韓国に進出している。半導体エッチング及び蒸着装備を主力とする米国のラムリサーチは2011年にラムリサーチマニュファクチャリングコリアを設立して以来、持続的に韓国での生産量を増やしてきている。2021年には京畿道華城に5,170㎡規模の新工場を建設して稼働している。2024年にオープンした龍仁キャンパスはラムリサーチの韓国最大のR&Dセンターで、研究、技術教育、顧客協力の前哨基地として使われている。また、先端EUV(極紫外線)露光装備を独占的に供給するASMLは華城に先端EUVクラスターを造成中であり、東京応化(TOK)、デュポン、メルク、アルバックなどの半導体素材企業は韓国での生産に向けて投資を拡大している。 韓国にも各半導体工程別にR&Dビジネスを行っている多くの素材・部品・装備企業があり、韓国に進出したグローバル企業と様々な協力事業を進めている。

半導体産業支援政策

韓国政府は「Kチップス法(租税特例制限法)」、「半導体メガクラスター」などを通じてメモリー半導体を超えてシステム半導体(非メモリー半導体)を育成し、総合半導体強国を実現しようとする強い意志を持っている。

世界最高の半導体サプライチェーンの構築を目指し、半導体設備(20∼30%)投資及びR&D(30∼50%)に対する税制支援を拡大しており、半導体投資の活性化に向けた労働・環境規制の改善も積極的に行っている。大規模な半導体工場の新設・増設が行われている平澤・龍仁半導体団地には用水、電力などのインフラ構築のための政府支援を拡大する予定である。

半導体産業の現場に必要な専門人材も規制改革と財政支援を通じて2030年までに15万人を養成し、現場に供給する計画であり、半導体技術分野別のクラスターを造成することで企業間のR&D協力も支援する予定である。

なお、韓国政府は関連法の制定・改正を通じて半導体産業に有利な環境を作るために努力している。
<図3> 韓国政府の半導体支援
* 出所:KSIA

高鍾完(コ・ジョンワン)室長(jwko@ksia.or.kr)
韓国半導体産業協会

<本稿の内容は、筆者の個人的見解であり、必ずしもKOTRAの見解ではありません。>

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