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[ICT]ウェアラブルスマートデバイスの現状及び展望
作成日
2016.10.25

ICTの中核をなすC-P-N-D(Contents, Platform, Network, Device)のうち、コンテンツとデバイスは利用者が体感できる産業といえる。最近はスマートフォンが普及して急激な成長を続けていることから、多くの調査会社が将来の展望は明るいとみている。これまで、デバイス技術は固定電話-移動電話-スマートフォンの発展段階を経ながら用途が拡大し、活用性も高まってきた。特に、2007年のアップル社によるiPhoneの発売がスマートフォンの大衆化をリードし、それまで使用されていたデジタルカメラ、MP3プレーヤー、電子手帳など複数の機器が急速に統合され、単なる電話機としてだけではなくスマートデバイスとしての役割も果たすようになった。




今や電子機器が個別に動作するだけの時代は過ぎ、それぞれのデバイスが互いに通信して情報を交換しながらその活用性を高める方向に発展している。このようなデバイス間の接続についてM2M(Machine-to-Machine)、IoT(Internet of Things)、IoE(Internet of Everything)などの用語を使いながら様々な学者が定義しているが、要約すれば、生活の中で使用される様々な機器が情報の提供にとどまらず収集、加工、分析の段階を経てユーザーの利便性を最大化できるようにする仕組みといえる。

このようなデバイス間の接続は、個人に範囲を狭めた場合でも少なからぬ数であり、しかも増え続けている。KT経済経営研究所の予測によると、インターネットに接続できるデバイスの1人当たり保有台数は、2015年の3.47台から2020年には6.58台にまで増加するという。周囲を見回してもスマートフォンやパソコンを使いながらノートパコソンやタブレットPC、ブルートゥースイヤホンなどを一緒に使っている人がいることだろう。自撮り棒やスマートバンド、スマートウォッチ、ドローン、その他ウェアラブル機器が次々と登場し、個人が使うデバイスの数は増え続けている。

韓国では大企業が中心となってスマートデバイス市場を成長させ、世界的な競争力を確保した状態である。韓国のスマートデバイス産業は現在、第2世代のデバイスが成熟期を迎えており、第3世代のデバイスが様々な形で新しく登場しながら市場の変化をリードしている。政府が新たな成長エンジンとなり得るスマートデバイス市場の発展に向けて「次世代スマートデバイスコリア2020」(2014年)や「K-ICTスマートデバイス育成方案」(2015年)などにより産業を発展させ、エコシステムを構築する計画を継続的に推進しているため、明るい未来が期待される。




ウェアラブルスマートデバイスの最も代表的なものとして、スマートバンドが挙げられる。スマートバンドはJawboneやFitbitなどの製品が発売されて高価な機器と認識されていたが、アクセサリーであることを強調したMISFIT SHINEの発売により選択の幅が広がった。その後、これらを模倣した製品が継続的に登場し、シャオミのMi Bandが発売されて市場が崩壊し始めた。最初のスマートバンド価格帯は20万ウォンほどで維持されていたのが次第に下がるようになり、シャオミのMi Bandが従来のスマートバンドの10分の1という驚くような価格で発売されてからは価格的な面で競争力を確保した。特に、中国の多くの企業がスマートバンド市場に参入して価格の下落をあおり、現在は10ドル台の低価格製品がアリババなどの海外ECサイトで簡単に購入できる。

韓国企業はこのような市場の変化に対応すべく変革と努力を重ねている。すでにレッドオーシャン化しているスマートバンド市場でひとり暮らし高齢者向けの特化製品、女性顧客の好みに合わせて鏡をコンセプトに開発された製品、医療目的で病院の患者に必要な情報を提供する製品、迷子防止用製品など、細分化したカスタマイズ製品が次々と発売されており、品質とサービスで競争している。




サムスン電子とLG電子が発売したスマートウォッチ製品は世界市場をリードしており、両社は従来にない新しい形態の製品を次々と生み出すことで影響力を広げている。スマートフォンで大きなシェアを占めているアップルは最近、スマートウォッチ「Apple Watch」を発売して市場に参入し、サムスン電子はGalaxy Gear S2モデルを投入してApple Watchの発売により競争が加速した状況を打開しようとしている。LGはG Watch Rというアナログ時計の感覚に近い円形製品を発売して注目され、その後G Watch Urbaneを発売して競争力を確保している。

また、中国のスマートバンドメーカーも、競争が激化するにつれ、従来のスマートバンド製品から次第にスマートウォッチにシフトしようとしている。低価格製品市場をリードしている中国メーカーが新たにスマートウォッチ製品を発売しており、これらはサムスン、LG、アップルなどの従来製品と比べて10分の1近い価格で販売されている。したがって、スマートバンドとスマートウォッチの市場は今後、大企業中心のブランドとデザインを強調した高価格市場と、中国企業中心の価格競争力で勝負する低価格市場に二分されていくものと予想される。

一方、ウェアラブルスマートデバイス製品は、分野を問わず活用範囲が拡大している。従来の代表的な製品といえるスマートバンドやスマートウォッチだけではなく、靴下やインソール、ベルト、指輪、カバン、下着など様々なアイテムに広がっており、2015年の国際見本市CES(Consumer Electronics Show)に出展した約3,500社のうち約17%がウェアラブルスマートデバイス製品を披露するほど世界的に注目されている。特に、ウェアラブルを強調しながら従来のようなリストバンド型ではなく付着型、リング型、衣類型など着用者の観点に立った変化が見られるようになり、引き続き新しい製品が登場すると期待される。




韓国のITとサービス、そしてこれを支える各種インフラは、すでに世界的に認められている。このような韓国のイメージは、それだけでもブランドのような役割を果たしている。かつて日本の電子製品が消費者に信頼されるようになって日本製品全般への信頼感が形成されたように、韓国IT製品に対してもある程度の信頼が確保されている。また、K-POPやドラマ、映画、バラエティ番組などにより新しく形成されている「韓流文化」は、このようなIT製品への信頼と相まってシナジー効果を発揮し、韓国製品の認知度向上に貢献している。こうした基盤の上で、中国や日本などの周辺国、東南アジアや中央アジアなどの韓流に対してプラスのイメージが強い地域の国々と協力するならば、世界市場のパートナーとして共に成長できるものと期待される。



By チ・ソンテ事務局長
スマートデバイス産業協会(KIDIA) / ji4004@kidia.or.kr



< 本稿の内容は、筆者の個人的見解であり、 必ずしもKOTRAが所属する組織の見解ではありません。>

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