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[ICT]ICT産業環境の変化による光通信産業の展望
作成日
2016.10.25
ヒット
1464

ICT産業のトレンドの変化に伴う光通信の役割

新しいICTトレンドの共通点は、いずれもネットワーク、中でも光通信というインフラ技術を使用することが前提だということだ。つまり、光通信を中心としたネットワークは未来の知能情報社会へのシフトに向けた最も大切なインフラであり、その重要性が極めて高いと言える。言い換えれば、光通信は新しく登場する未来の応用サービスをいつ、どこでもユーザーの状態に合わせて提供できるようにするネットワークインフラのインフラなのだ。ICT産業のトレンドの変化によって光通信に求められる役割は次の通りである。

•(超高速・広帯域) スマートフォン、タブレットPCなどの拡大によりトラフィックも爆発的に増大。こうしたトラフィック・ビッグバンに対応できるネットワークニーズの増加
- 光通信は数百Gbps~数十Tbps級のトラフィックを送信・処理することで超高速・広帯域ネットワークのニーズを満たす

•(超低遅延) ICT機器間で信号や情報を伝達する際に情報機器の低遅延通信を実現
- 現存する媒体の中で最も速いものは光で、ネットワーク全般において光の領域を広げることでトラフィックをリアルタイムで処理し、超低遅延ニーズを満たせる

•(高集積化) 床面積を増やさずネットワーク装置の容量を増大させ、トラフィック・ビッグバンに関する問題解決のニーズが拡大
- 超高速、大容量、超小型化のための光伝送が登場し、トラフィック急増に効果的に対応できる

•(低電力化) 床面積はもちろん、電力消費量を減らすことで運営費用(OPEX)の心配なく大容量のトラフィックを効率的に処理できる新しいネットワーク構造と技術に対するニーズが増大
- 光媒体は電気・電子媒体に比べて非常に少ない電力で大容量トラフィックを処理可能

光通信産業の概念と範囲

光通信産業とは、従来の伝統的な通信媒体である電気・電子の代わりに光を利用するようになって生まれた産業で、光技術(産業)と通信技術(産業)が交差するところにある。つまり、光産業を構成している光素材、光源、光電素子、光精密機器, 光情報機器、光学機器分野における技術の飛躍的な発展は通信媒体としての光の可能性を開き、その結果、光通信産業が登場したのである。

まず、技術的な側面で光通信産業をみると、通信媒体である光の送信から受信にいたるまでの一連のプロセスとして捉えられる。つまり、光通信産業は1)電気信号を光に変える発光素子がある光送信部、2)光ファイバーを通して光信号を伝達する光中継・光伝送部、3)光信号を再び電気信号に変換する 受光素子がある受信部のつながりからなっている。

産業のバリューチェーンの観点からみると、光通信産業は材料や部品などの中間財を生産する川上産業から最終的な製品を生産する川下産業への流れとして捉えられる。つまり、光通信産業は、素材(シリカ、シリコンなど)で素子(LD/PDチップ、発光・受光素子)をつくり、部品(能動部品、受動部品、光ファイバー)とモジュール(光トランシーバー、ROADMモジュールなど)の組み合わせで光通信のための最終製品となる装置とシステム(伝送装置、スイッチ・ルータ、加入者装置など)を生産するという一連のプロセスで構成されている。

要するに、技術とバリューチェーンの側面を総合的に考慮した光通信産業の範囲は、下の図のように1)光通信装置とシステム、これらを構成する2)光通信モジュールと部品、そして3)光通信のためのその他の装置として定義づけられる。




光通信産業の各分野の市場展望

世界の光通信装置市場は、2014年を基準にして約738億ドルを記録しており、2020年に約924億ドル規模に達するとみられている。

最も高い割合を占める光通信装置とシステム装置の規模は約558億ドル規模である。中でも光伝送装置(SDH/SONET、WDM)市場は、中国の大手通信事業者による設備投資の拡大と世界的なモバイルバックホールのトラフィック増加、データセンターの拡大などによって規模が増大し続ける見込みだ。そして今後SDH/SONET装置は減少し、WDM装置が増加し続けると考えられる。この分野の事業者としては、中国のベンダーHuawei、ZTE、Alcatel-Lucent、Cisco Systems、Juniper Networksなどの大手グローバル企業が市場を先占している。.

代表的な光モジュールである光トランシーバーの場合、100G級の需要拡大が市場をけん引しており、今後は100G級QSFP28の需要が増えると予想される。能動部品は光トランシーバー市場の影響で成長が続いており、この市場におけるグローバルリーディング企業はFinisarである。中国のLTE構築と拡大、移動通信の基地局に必要なトランシーバーに対する需要の拡大によって、最近大幅な成長を記録している企業だ。一方、光通信部品はベンダー間の垂直統合が最も著しい分野であり、素子–部品–モジュールの受給によるM&A、戦略的提携などで競争が激しい。

2014年、約64億ドル規模だった光ファイバー/光回路市場は、中国の光通信に対する投資拡大によって市場が増大したが、その後中国市場の需要が減少するとともに伸び悩み、2018年以降には市場規模が減少すると予想される。光測定器/製造装置市場をリードしているOTDR装置は、現在中国市場で本格的に価格競争が始まり、北米地域でモバイル基地局が光通信化されるなどして、当分の間市場の成長に影響を与えると考えられる。その他の光通信装置市場のシェア1位ベンダーはCorningで、約15.2%(2013年)を占有している。





韓国の光通信関連企業の現況

2013年度の全国の光通信生産事業者は約160社で、企業規模からみると93%にあたる149社が中小企業であり、中堅企業は6%で11社であった。地域別にみると、ソウル市や京畿道などの首都圏に83社、広域市42社、広域市17社で、この4地域に142社(88.8%)が集中している。

この4地域の中でも最も集中度が高い京畿道と光州広域市をみると、62社(38.8%)がある京畿道の場合は主に安養と軍浦に位置しており、LS電線、GAON電線のような光ケーブル製造企業、そしてDASANネットワークス、東遠システムズ、HFR、UBIQUOSSなどの光通信システム企業がある。光州広域市には42社(27%)で、主に先端産業団地にある。OEソリューション、Cosetなどの光送受信機とパッケージング専門企業と、PPI、ウリロ光通信、フィニサーコリア、ネオンフォトニクスなどの光受動部品企業がある。

韓国の主な企業の現況を光通信の分野ごとにみよう。まず光通信システム分野に属する企業は45社だが、売上高規模が1,000億ウォン以上の企業は10%の5社で、ほとんどは中小企業だ。グローバル大手企業に対しては競争力の面でやや劣るが、韓国の公共機関や保安基盤のニッチマーケットで強みを生かしている。 光送受信機分野の企業は、主に移動通信用の光モジュールとFTTH光モジュールなどのアクセス分野で強みをもっている。特に、中国企業の廉価製品よりも技術集約が要求されるニッチマーケットで市場競争力を保っており、100G以上の高仕様製品市場の開拓を図っている。

能動部品分野にはTOSA/ROSAパッケージング専門企業とLD・PD光素子製作専門企業がある。パッケージング専門企業にはCoset、フォーベル、LEDパックなどがあり、海外企業とのパートナシップを通して成長している。光通信用LD企業としては、エルディスが移動通信用の10ギガ級以下の製品を生産している。また、光通信用PDはウリロ光通信が10ギガ級以下を注力商品として生産している。

受動部品分野では光パワーデバイダーが主な製品で、PLC技術を基盤として2010年に世界市場の90%を占めて世界1位の競争力を確保した。また、光ファイバーパッチコード、現場組み立て型コネクタなどの製品を中心として海外市場への進出をリードしている。

韓国の光ケーブル企業は13社で比較的少ないが、売上高1,000億ウォン以上の企業が7社あり、企業構造は堅実だ。光ケーブルを代表する企業としてはLS電線があり、光ケーブル、接続資材生産だけでなく海外市場に向けたFTTH装置、OSP(野外用通信線設備)、施工と維持・補修に至るまでのネットワークソリューションを提供している。

結論

全世界の社会、経済、文化のトレンドはネットワークを基盤として進化している。ネットワークの中でも光通信は基盤インフラとして必須的な産業であり、知能情報社会へのシフトとともにその重要性が大きくなっていく見込みだ。韓国の光通信企業はグローバル大手企業と比べれば競争力はやや劣るものの、1)連携ニーズのある幅広い分野の技術基盤の中小企業の存在、2)テストベッドとして高度化された国内のICTインフラ環境、3)光通信産業の育成に対する政策のサポートなどに鑑みると、韓国の光通信産業がグローバル市場をリードしたり、ニッチマーケットを攻略するための拠点として十分な魅力をもっていると言えるだろう。



By シン・ヨンヒ博士、研究員
韓国電子通信研究院(ETRI) / syong@etri.re.kr



< 本稿の内容は、筆者の個人的見解であり、 必ずしもKOTRAが所属する組織の見解ではありません。>

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