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[医薬バイオ]グローバル市場における韓国の臨床試験産業
作成日
2016.10.25
ヒット
1584

昨年、医薬品業界は、ハンミ薬品の8兆ウォン規模の技術輸出を含め9兆ウォンを超える約30件の大規模技術輸出と新薬開発を成し遂げた。そして韓国内で開発されたバイオ医薬品がグローバル市場でFDA認可を取得するなどした。

グローバル医薬品市場の規模は2015年1兆ドル、2020年まで最大1兆4,000億ドルにのぼる見込みだ(IMS Health)。慢性疾患の急増と治療技術の発達などによる医薬品消費の増加に伴い、年平均4~7%成長すると推定される。韓国の医薬品市場の規模は‘15年に19兆ウォンになるとみられるが、国内の医薬品企業と政府による新薬開発R&Dの規模は約1兆7千億ウォンで、このうち約60%以上が臨床試験市場とされる(KISTEP、金融監督院、PhRMA)。臨床試験の遂行能力は、国家や企業の新薬開発能力を左右するほど大きな存在になってきている。

韓国の臨床試験、グローバル市場で認められる

2015年のclinicaltrials.govの分析データによると、直近5年間(2011年~2015年)の世界的に臨床試験の登録サイト数は減少する傾向(CAGR:–2.85%)にある反面、同期間における韓国の臨床試験サイトの占有率は上昇し続けている(CAGR:+9.34%)。韓国は2013年から現在まで全世界の臨床試験プロトコル占有率で7位を維持しており、アジア諸国の中では臨床試験遂行選好度で1位を獲得している。多国間(multinational)臨床試験プロトコル占有率でも、2011年から今までアジア1位を保っており、韓国のグローバル競争力を立証した。これは、グローバル医薬品市場で臨床試験を誘致し、患者の治療機会を拡大しようとする国家間の激しい競争状態に鑑みると、非常に好ましい結果である。




臨床試験の明らかな成長

世界的な金融危機とR&Dの生産性に関する問題にもかかわらず、韓国は2004年以降から今まで許可済みの臨床試験遂行において15.7%という勢いで成長を続けている。韓国の臨床試験実施機関(臨床試験センターなど)の臨床試験受注金額は2007年以降に年平均15%以上増加し、CRO市場も2010年度以降から最近まで年平均20%以上という勢いで成長した。臨床試験遂行の増加とともに関連産業の機能と市場が拡大し、人材の充員などが行われているのである。




トムソン・ロイターが発表した報告書によると、グローバル市場で韓国が臨床試験を遂行する「次世代の注力国家(the next wave)」のひとつとして評価されている。その他にも、臨床試験に対する注意を喚起し活性化を唱える海外の様々な報告書に、韓国の臨床試験の成長事例が紹介されたり、引用されている。

臨床試験の活性化に向けたKoNECTプログラムを開始

こうした成長の背景には、臨床試験の競争力を高めるための政府の強いサポートプログラムと、産学官の臨床試験関係者らの努力があった。

まず、政府は2002年に行われたIRBの構成を皮切りに、2004年には地域臨床試験センタープログラム、2012年にはグローバル先導センタープログラムを実施し、全国にセンター15か所、グローバル先導センター5か所を構築した。また、2008年に臨床試験従事者を対象とする教育を兼ねたKoNECTプログラム(第1期:2008年~2013年、第2期:2014年~)を始め、総合的かつ永続的なサポートシステムを構築した。このように国家レベルでの臨床試験コントロールタワーの機能はKoNECTが担い、病院内や地域における先進国レベルの標準的な臨床試験手続きと基準を発信する中心的な役割は臨床試験センター(Regional Clinical Trials Center)が担うようになった。その結果、各臨床試験分野どうしの競争力が高まり、約10年の間に爆発的な成長を成し遂げたのである。

次に、臨床試験の活性化をはじめ、臨床試験の効果と生産性を高めるために、臨床試験に関する様々な資源を活用しやすい環境をつくった。グローバル臨床試験革新センター(KoNECT Collaboration Center)と臨床試験産業統合情報システム(KIIS, KoNECT Integrated clinical trial Information System)の構築がその成果であり、これらによって韓国内の臨床試験に関する情報収集をサポートし、 国内で参入を希望する機関が抱えている問題の解消を助けている。

最後に、臨床試験の品質を高めるための産学官のたゆまぬ努力とともに、ネットワーク構築にも注力している。患者を守ることは臨床試験の一番重要な課題で、このために臨床試験従事者に対する教育が2016年から義務づけられた。この他にも韓国のCRO能力強化に向けた認証制度の実施など、政府と民間の様々な取り組みが続いている。また、がん関連研究者間のネットワークをはじめ、様々な疾患のネットワーク構築も現在行われている。

品質の良い臨床試験を行う用意ができた韓国

グローバル臨床試験市場における重要な変化のひとつとして、アフリカやアジアに移っていた臨床試験が、最近になって医薬品の先進国であり本場でもある北米やヨーロッパに回帰しつつある現象をあげられる。R&D生産性に対する絶え間ない要求によって臨床試験誘致が厳しさを増していく中で、臨床試験に関する情報を国家レベルで活用したり、研究者ネットワークを構築することの重要性が高まっている。

韓国の臨床試験の歴史は20年にも満たないほど短いものの、グローバル市場、とりわけアジア市場で競争力のある国家として台頭した。臨床試験の活性化に向けた政府の意志、臨床試験規制の透明性、患者中心の臨床試験の追及、そして臨床試験に関する情報の活用と人材育成など、臨床試験の品質向上に向けた産学官の努力が続いている。



By チ・ドンヒョン理事長
韓国臨床試験産業本部 / deborah.chee@konect.or.kr



< 本稿の内容は、筆者の個人的見解であり、 必ずしもKOTRAが所属する組織の見解ではありません。>

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