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[先端素材科学]環境汚染の悪循環を断つ
作成日
2016.10.27
ヒット
1736

韓国政府、排出権取引制度の導入で温室効果ガスの削減に乗り出す

全世界の国が低炭素社会実現に向けた産業構造シフトに取り組んでいる中、韓国もまた温室効果ガスの削減に積極的に取り組んでいる。先月、韓国政府は2030年まで温室効果ガスの排出量をBAU比対比37%削減するという目標を掲げた。これにより2030年の目標排出量は5億3600万トンとなり、2020年まで温室効果ガス排出量をBAU対比30%削減するという従来の目標よりも、排出目標が7百万トン増えたことになる。

温室効果ガス削減の取り組みの一環として、韓国政府は最近、企業に対して排出できる温室効果ガスの許容量を設ける排出権取引制度を導入した。これにより各企業は決められた範囲内で生産活動と温室効果ガスの削減を行うが、削減の結果許容量があまる場合はその剰余分を他の企業に販売できる。逆に、削減をしきれず許容量が足りない場合は、他の企業から必要な許容量を購入できる。このように、排出権取引制度を通して、目標管理制度よりも温室効果ガスの削減費用を44~68%節減できると見込まれる。





環境部によると、排出権取引制度は世界的に38か国において全国的または地域的に行われているという。EU(欧州連合)28か国、ニュージーランド、スイスなど34か国では全国的に実施されており、アメリカ、中国、日本、カナダの4か国では一部の地域で実施されている。またチリ、ブラジル、メキシコなどは排出権取引制度の導入を準備している。




排出権取引制度を通して温室効果ガスの削減費用をできるだけ抑え、低炭素技術の開発を促進できる。また、低炭素産業の成長と雇用創出も期待できる。排出権取引制度は、様々な削減手段を認めることで企業の温室効果ガスの限界削減費用を低減させる。EUの場合、取引制度の実施前に1トンあたり$20~$655だった限界削減費用が、取引制度を実施してからは$14~$135に減った。また、EUでは取引制度を実施してから低炭素特許出願件数が2倍増加した。取引制度の実施により、低炭素産業の育成と雇用創出も可能となる。EUは取引制度の実施によって新・再生可能エネルギーなどの低炭素市場の33%を占めるようになり、イギリスは低炭素産業の成長によって約100万人の雇用を創出した。





炭素排出権取引制度の歴史の始まりは、1997年にさかのぼる。当時、日本京都で開かれた第3回気候変動枠組条約締結国会議で京都議定書が採択され、国家ごとに温室効果ガスの削減目標を規定することで合意がなされたが、この時に設けられた制度が「排出権取引制度」である。

韓国は2009年に国家温室効果ガス削減目標を設定した。エネルギー経済研究院など8つの国策研究機関が削減目標を立て、約40回にわたる産業界協議、世論調査、公聴会などの社会的な合意を経て確定された。2010年1月より2012年11月まで、低炭素グリーン成長基本法と排出権取引制度法などの関連法令が制定された。

2011年7月には部門・業種・年度ごとに削減目標が設定された。これは、汎行政機関の共同作業班を運営し、約30回にわたる専門家意見のまとめ、業種別懇談会、公聴会などを経て確定されたものである。2012年1月からは温室効果ガス・エネルギー目標管理制度が行われ、管理事業者別に削減目標を設定し、削減活動に取り組んだ。その結果、2012年度には2,130万トンの削減に成功し、当初の削減目標であった約8百万トンの2.7倍もの超過達成を果たした。

2014年1月には国家温室効果ガス削減目標達成に向けたロードマップが立てられ、汎行政機関の共同作業班運営、BAU見直し、関連行政機関の合意などを経て確定された。同月に企画財政部が排出権取引制度基本計画を立て、韓国取引所が排出権取引所に指定された。

環境部は2014年9月に排出権取引制度割当計画を立て、第1次計画期間の排出権割当総量の設定、割当方法、相殺基準、予備分の運営基準などを設け、12月には事業者別の排出権を割り当てた。そして2015年1月、排出権取引所の韓国取引所がオープンした。



出典: 環境部「排出権取引制度施行に関する詳細とよくある誤解」



< 本稿の内容は、筆者の個人的見解であり、 必ずしもKOTRAが所属する組織の見解ではありません。>

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