産業フォーカス
- Home
- 有望産業·立地
- 産業フォーカス
2017年に発足した文在寅(ムン・ジェイン)政府の主要公約の一つである「安全かつクリーンなエネルギー」政策をあげられる。これは政府発足の当時、PM2.5が深刻な社会問題化し、地震の安全地帯と見なされていた韓半島(朝鮮半島)に2016年震度5.1の地震が発生し、原発の安全性が浮き彫りになる状況を反映したものである。その後の政府のエネルギー政策の方向性は、原発割合の縮小と新・再生可能エネルギーの拡大で要約できる。これは世界的な再生可能エネルギーの拡大と同じ脈を持つものであるが、韓国では原発産業が競争力を持っていたため、当時のこのような変化は韓国社会に大きな変化をもたらす重要な転換だった。
2030年までに太陽光と風力中心の普及で再生可能エネルギーの割合を20%まで拡大
政府は2017年に発表された「再生可能エネルギー3020移行計画」で、再生可能エネルギー発電の割合を7.6%から2030年までに20%に拡大するという政策目標を提示した。本計画の柱は、電力系統の安定性、国内企業の普及条件、潜在量などを考慮し、2030年までに再生可能エネルギー発電量の20%を目標に設定し、新規設備容量の95%以上を太陽光・風力などクリーンエネルギーで供給するというものである。これにより、2017年総計15.1GWであった再生可能エネルギーの設備は、2018~2030年までに48.7GWを新たに普及し、2030年には総計63.8GWに達すると見込まれる。新規普及は太陽光、風力を中心に供給する予定で、太陽光は再生可能エネルギーの全体新規設備の63%である30.8GWを、風力は34%の16.5GWの普及を目指している。そして、これらの目標は、「第3次エネルギー基本計画」において2040年には再生可能エネルギー発電の割合を30~35%拡大する計画であり、再生可能エネルギーの普及計画が徐々に発展している。
再生可能エネルギー3020移行計画
アフターコロナ‐グリーンニューディールと2050炭素中立宣言
政府は2020年7月に「韓国版ニューディール総合計画」を発表した。このうち、グリーンニューディールはデジタルニューディールとともに、韓国版ニューディールの一軸として、グリーンニューディールを通じて新・再生可能エネルギー産業への投資は短期的にはさらに加速化する見込みだ。グリーンニューディールの新・再生可能エネルギー政策は風力、太陽光、水素への投資拡大が主な内容で、単なる新・再生可能エネルギーの普及拡大ではなく、新・再生可能エネルギー産業を通じた雇用創出など、未来の中核産業化を目指している。2020年末には、「2050年炭素中立(カーボンニュートラル)推進戦略」を発表し、韓国も国際社会の一員として2050年までに炭素中立達成を発表して、積極的なエネルギー転換を国際社会に公言し、国民的にも共感を呼んだ。
グリーンニューディール – 再生可能エネルギー関連政策
分野 |
主要投資事業及び制度改善 |
総事業費(兆ウォン) |
雇用(万人) |
|
'20(補正予算)~’22 |
'20(補正予算)~’25 |
'20(補正予算)~’25 |
||
風力 |
大規模な洋上風力団地(固定式・浮遊式)の立地発掘のため、最大13圏域の風況計測・妥当性調査支援及び背後・実証団地を段階的に構築 |
4.5 |
11.3 |
3.8 |
太陽光 |
住民参加型利益共有事業の導入、農村・産業団地融資支援の拡大、住宅・商店街など自家用の新・再生可能設備設置費の支援(20万世帯) |
|||
水素 |
生産から活用までのオリジナル技術の開発及び水素都市造成 |
|||
工程転換 |
石炭発電など事業縮小が予想される危機地域を対象に新・再生可能エネルギー転換を支援 |
現在、韓国は太陽光分野におけるバリューチェーンが構築されている状況だ。特に製造部門では炭素認証制、最低効率制などが適用され、高い技術力を持たなくては海外企業の国内進出は容易ではないと予想される。一方、風力の場合、まだ供給バリューチェーンが備わっておらず、これから大規模な普及を計画し準備する状況で、海外企業との協力を通じて国内のバリューチェーン構築と普及を進めると予想される。これを受け、風力部門で多くの海外企業の投資が期待される。また、水素産業は世界的な普及初期段階であり、水素分野がエネルギー転換において重要な役割を果たすものと予想されるものの、韓国は水素分野の技術開発と投資に積極的な状況であるため、今後技術的に海外の主要企業との協力がさらに拡大することが見込まれる。
新・再生可能エネルギーはICT技術、第4次産業革命と結びついて、新しいビジネスモデルを構築することができる分野である。韓国は制度改善とデジタル技術を活用し、様々なビジネスモデルをテストしながら、ダイナミックなビジネスチャンスを提供しようとしている。したがって、斬新なアイデアと技術力を持つグローバル企業のより多くの韓国市場への進出を期待する。
チョ・イルヒョン( ihcho@keei.re.kr)
エネルギー経済研究院新再生エネルギー研究チーム
<本稿の内容は、筆者の個人的見解であり、必ずしもKOTRAの見解ではありません。>