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[ディスプレイ] [ディスプレイ]未来市場をリードする韓国のディスプレイ産業
作成日
2021.10.06

人と機械をつなぐ産業の「目」、ディスプレイ

人間の五感の中で最も多くの役割を担う部分が視覚であり、われわれは目を通してほとんどの情報を習得している。ディスプレイは、視覚情報を提供する中核産業として、技術開発も急速に進められており、その重要性はさらに高まっている。第4次産業革命による超連結社会(Hyper-connected Society)においてディスプレーは人と機械を相互連結しながら情報を視覚化する中核産業だ。さらに、テレビ、IT機器から自動車、医療、デジタルサイネージなど活用分野が拡大し続けている。最近は、新型コロナウイルス感染拡大による非対面への需要急増でディスプレーの役割がさらに重要になった。テレワークやオンライン授業、オンライン会議など、全てがディスプレーを通じてのみ可能なためだ。このような非対面時代の到来により、ディスプレイの重要性は高まり、市場規模も増加すると見込まれる。
人と機械をつなぐ産業の「目」、ディスプレイ
미래 시장을 주도하는 한국의 디스플레이 산업

有機EL(OLED)を中心に成長するディスプレイ市場

2021年の世界ディスプレイ市場は、プレミアムOLEDとIT製品の需要増及び価格上昇により、前年比26.9%増の1,573億ドルと見込まれる。OLEDは、モバイル・テレビ市場での需要増や、折りたたみスマホ、巻き取り式のTVなどプレミアム製品生産拡大により、前年比25%増の377億ドル市場が見込まれる。LCD(液晶ディスプレイ)はモバイル需要の減少にもかかわらず、大幅なLCD価格の上昇やテレワーク、オンライン授業など、非対面IT製品需要の増加により、1,188億ドルが見込まれる。 応用製品別に見ると、テレビはOLEDテレビの需要増にもかかわらず、北米・欧州地域の液晶テレビ需要の減少により、テレビ全体の需要は前年比1%減、モバイルは5G普及の活性化、折りたたみスマホなどOLED新製品の発売に伴う需要増で前年比0.6%増となる。IT機器はコロナ禍によるテレワーク、オンライン会議など非対面製品への需要拡大で前年比5.9%増加が見込まれる。ディスプレイの供給は韓国のQD世界初量産(サムスンディスプレイ)、テレビ用OLEDパネル(LGディスプレイ)など大型製品を中心に供給を拡大し、中国は中小型Flexible OLEDの新設・増設による生産拡大で、グローバルOLED供給量が大きく増加するものと予想される。

世界の中心、韓国ディスプレー産業

初期のディスプレイ市場は、1990年シャープで第1世代LCDを生産し、日本がディスプレイ市場をリードした。韓国は1995年にLCDを生産したにもかかわらず、2004年に日本を追い抜き、パネル分野で世界1位の座についた。2020年の世界ディスプレー市場シェアは、韓国36.8%、中国36.2%、台湾22.6%、日本3.6%で、17年間世界市場トップを維持する国内唯一の産業だ。特に、次世代ディスプレーと呼ばれるOLEDは初期市場ではあるものの、韓国が87.1%と、ほぼ独占している。韓国経済でディスプレイ産業が占める割合は、輸出の4%(180億ドル、2020年)、製造業GDPの4.4%(68兆ウォン、2017年)を占めており、折りたたみ及び大型OLED分野では年間約10兆ウォン以上の設備投資を行い、韓国経済の発展と雇用創出にも大きく寄与している。
韓国のディスプレイ生産拠点は1995年から2004年まで器興、天安、亀尾が中心だったものの、生産ラインの拡大によって現在は坡州と湯井が生産拠点となった。坡州ディスプレイ産業団地には、LGディスプレイが大型テレビ用LCDやOLEDパネルを生産しており、第7世代工場、第8世代工場をはじめ、OLED生産ライン、モジュール工場を運営している。首都圏に隣接しているため、首都圏の大学から高級人材の供給が可能であり、近接大学との協約や特性化高校指定など、地域内の人材供給も円滑だ。湯井ディスプレイ産業団地に、はサムスンディスプレーが入っており、ディスプレイ支援センターの構築など地方自治体の支援及び牙山・湯井地域に10校以上の大学が位置するなど、優れる研究開発基盤を保有している。
주요 디스플레이 클러스터 지리적 현황
主要ディスプレイクラスター地理的現況
区分 坡州 湯井
代表企業 LGディスプレイ サムスンディスプレイ
仁川空港との距離 50km 164km
港湾 50km(仁川) 30km(平沢、唐津)
ソウル 35km 85km
ソウル駅 60分(自動車、鉄道) 34分(KTX)、90分(自動車)
用水 八堂ダム 大淸ダム
韓国産業通商資源部では、産業育成と政策を提示しており、2016年にOLEDを含む自動運転車、次世代半導体など、未来の韓国を担う12大新産業指定及び推進戦略を提示し、2018年には、2025年OLED売上高割合50%達成に向け、ストレッチャブルOLED技術開発及び素材、部品、装置(素部装)の国産化を推進するディスプレイ発展戦略を策定した。2019年には産業通商資源部と企画財政部からOLEDテストベッドおよび素部装の性能評価ができるディスプレイ革新工程センターの建設を支援した。 ディスプレー産業に対する政府支援はR&D、税制、金融、関税など様々な方法により行われている。特に政府はOLED産業の育成と発展を目指し、OLED研究人材の開発費と施設投資への税額控除を実施している。9インチ以上のAMOLED、Flexible AMOLEDパネルとAMOLED素材、部品、装置の研究開発費の25~30%を税額控除を支援し、施設投資の5~10%を支援している。

外国人投資企業の進出状況と協力課題

韓国のパネル企業の成長により、国内で基盤が弱い部品素材と装備分野の海外企業が大挙韓国に進出した。液晶、グラス、フィルムなどを生産する部品素材企業のほとんどは韓国で製品を生産しており、装備企業は韓国で生産する企業と設置・修理・交換などを行っている。韓国に進出した代表的な素材部品企業は液晶を生産するドイツのMerck、グラスを生産する米国のCorning、日本のNEG、AGC、フィルムを生産する東友ファインケム、東レなどがあり、装備企業は日本のULVAC、TEL、USHIO、米国のKATなどが進出している。今後はQD、QNEDなど次世代分野への投資を計画しているため、需要企業の投資戦略と連携した先端素材部品企業への投資が必要である。素材部品企業の海外投資は安定的な需要先の確保が最も重要であるため、国内グローバル企業であるサムスンディスプレイ・LGディスプレイを活用して、国内で生産されていない海外先端素材部品企業との協力が必要である。

キム・ヒョンソク(khs@kdia.org)
韓国ディスプレイ産業協会



<本稿の内容は、筆者の個人的見解であり、必ずしもKOTRAの見解ではありません。>

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