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[自動車・部品] [電気自動車] 急成長している韓国の電気自動車産業
作成日
2023.04.07
빠르게 성장하고 있는 한국의 전기차 산업

急成長している韓国の電気自動車産業

韓国の自動車生産および販売構造は、電気自動車(BEV+PHEV+FCEV)の割合が急増している。昨年の国内電気自動車生産量は40万台を超え、輸出量は26万7千台に達した。自動車生産全体のうち、電気自動車が11%に達するという点は、世界5位の自動車生産国である韓国も自動車産業で電気自動車の割合が急速に増加していることを示す。また自動車輸出全体において電気自動車が占める割合は11.6%で、自動車生産全体において電気自動車が占める割合を上回る。
<表> 韓国電気自動車の需要と供給構造 (2022)
국내 전기자동차 수요와 공급 구조 (2022)
生産量 国内販売量 輸出量 生産量に占める輸出量の割合(%)
PHEV(台) 47,310 0 46,173 97.6
BEV(台) 348,895 123,676 220,507 63.2
FCEV(台) 10,804 10,336 400 3.7
Total EV(台) 407,009 134,012 267,080 65.6
自動車全体の割合(台) 3,757,049 1,395,111 2,300,333 61.2
PHEVの割合(%) 1.3 0.0 2.0
BEVの割合(%) 9.3 8.9 9.6
FCEVの割合(%) 0.3 0.7 0.0
EV全体の割合(%) 10.8 9.6 11.6
* 参考:バッテリー電気自動車(Battery Electric Vehicle・BEV)、プラグインハイブリッド自動車(Plug-in Hybrid Electric Vehicle・PHEV)、水素電気自動車(Fuel Cell Electric Vehicle・FCEV)
* 出所:韓国自動車産業協会(KAMA)

グローバル電気自動車メーカーとして浮上する韓国自動車メーカー

昨年、現代自動車グループはBYD、テスラ、フォルクスワーゲン(VW)、ステランティス(Stellantis)に続き、電気自動車販売5位を記録した。ゼネラルモーターズ(GM)が中国の上汽通用五菱汽車を含めて4位を占めたものの、GMグループだけを見れば現代自動車より低い販売量を示した。一方、電気自動車の販売増加率は43%と比較的に高い水準を記録した。

韓国は電気自動車開発で重要な役割をはたしている。過去、GMテクニカルセンターコリア(GMTCK)はGM社の電気自動車ボルト(Volt)の開発を主導し、現在もGMの電気自動車開発・協力を展開している。双竜自動車は中国の電気自動車メーカーであるBYDと提携して電気自動車を開発・販売しており、ルノーコリア自動車も中国の電気自動車メーカーである吉利(Geely)と電気自動車開発に取り組む計画だ。
<図> 2022年の世界OEM/OEMグループ別の電気自動車販売量
빠르게 성장하고 있는 한국의 전기차 산업
* 出所:EV Volumes

韓国の優れた電気自動車部品及び充電インフラ供給システム

電気自動車は電気自動車プラットフォームをベースに構築されるが、主な電気自動車関連部品がプラットフォームに搭載される。現代自動車の電気自動車プラットフォームであるE-GMP(Electric-Global Modular Platform)は、駆動モーターとEV変速機、そしてインバーターなどで構成されたPE(Power Electric)システムをはじめ、充電インフラとバッテリーシステムを備えている。

また、電気自動車を生産するためには減速機(Speed Reducer)、熱制御装置(Thermal Management)、そして電気自動車専用タイヤも欠かせない。また電気自動車に最も重要と言えるバッテリーや駆動モーターとインバータの生産は、従来の電気自動車関連企業が生産している。既存の自動車部品メーカーもコントロール装置、ケース、そして車両に必要な主要部品の組立部分を担当している。バッテリーセルのメーカーはセル(Cell)やモジュール(Module)の形でバッテリーを供給する。パック(Pack)の形で組み立てられたバッテリーは、コントロール装置として使われるバッテリー管理システム(Battery Management System、BMS)および様々なスイッチ、電流センサー、そして冷却システムと共に車両に搭載される。
<図> E-GMP(Electric-Global Modular Platform)
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* 参考:1. PEシステムまたは電力システム PE(Power Electric) System、1-1. Motor、1-2. 電気自動車変速機(EV Transmission)、1-3. インバータ-コンバータ(Inverter- Converter)、2.車両充電管理システム(Vehicle Charging Management System・VCMS)、3.統合充電制御装置 Integrated Charging Control Unit (ICCU)、4.車両制御装置(Vehicle Control Unit・VCU)、5.高電圧バッテリー(High-voltage Battery)、6. 400/800V 多重充電システム(Multi-charging System)
* 出所:現代自動車
韓国はLGエネルギーソリューション、サムスンSDI、SKオンなど世界的なバッテリーセル企業を保有している。全体的なバッテリーシステムは現代モビス(Hyundai Mobis)が管理するが、パックアセンブリや関連ケースなどの部品は既存の自動車部品会社が委託生産している。駆動モーターの場合、現代モビス、LG電子、SNTモーティブが製造し、関連中核部品も国内企業が生産している。駆動モーターの中核部品である駆動モーターコア(Drive Motor Core)の場合、ポスコインターナショナルが生産しており、ポスコは2025年までに世界シェア20%達成を目標に世界1位を目指している。一方、駆動モーターに使われるエナメル線(Enamel Wire)はLG C&Sが生産している。

また、熱管理システム(Heat Management)と空調システム(Air Conditioning)はハンオンシステム(Hanon System)が、暖房システム(Heating System)はPCTヒーターが、そして主要部品であるエアコンディショナーホースと冷却ホース(Coolant Hose)はファスンR&Aが生産する。ハンコックタイヤ(Hankook Tire)は電気自動車用タイヤを開発・供給し、SLは電気自動車用LEDランプの生産を担当する。このように韓国の部品メーカーが生産した電気自動車部品は、主要グローバル自動車メーカーに供給されている。

- フォルクスワーゲン(Volkswagen、VW):バッテリーセル(LGエネルギーソリューション、サムスンSDI、SKオン)、タイヤ(韓国タイヤ)、E-コンプレッサーと熱管理(ハンオンシステム)
- ゼネラルモーターズ(GM):バッテリーセル(LGエネルギーソリューション)、駆動モーター(LG電子)、コンバーター、インバーター、ODC(LG電子)、ヘッドランプ(SL)、タイヤ(ハンコックタイヤ)

電気自動車充電分野は、充電装置製造と充電事業に分けられ、主要企業は2つを同時に運営している。最近、韓国の大企業は電気自動車充電事業に新たに参入している。現代自動車(Hyundai Motor Group)は、超高速充電ブランド「E-pit」を掲げ、充電市場のトップランナーを目指している。

充電事業においてLSグループはLS E-Linkを構築し、ハンファ・ソリューションは電気自動車用充電ブランドであるハンファモーティブ(Hanhwa Motiv)を立ち上げた。

SKは超高速充電器およびソリューション提供企業であるシグネットEV(SKシグネット)を買収し、GSエナジーは国内2位の電気自動車充電サービス企業であるジエンテル(GENTEL)との合弁でGSコネクトを構築した。ロッテ情報通信の場合、国内2位の充電器メーカーであるJACの持分71.14%を買収し、充電事業に乗り出した。一方、Dae Young Chaevi、Moderntech、Everonなどの大型充電器メーカーは投資を誘致し、今後の競争に備えている。

趙㯙( (chch@kiet.re.k))
産業研究院シニア研究委員

<本稿の内容は、筆者の個人的見解であり、必ずしもKOTRAの見解ではありません。>

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