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ディスプレイ産業の現状
ディスプレイ:プレミアム電子製品、融合・複合市場の拡大による持続成長が見込まれる
韓国は持続的な技術開発を通じて世界初のローラブルテレビ、フォルダブルOLEDを披露し、OLED技術を先導している。韓国のOLED生産技術力は競争国に比べて3~5年進んでおり、中小型OLEDは競争国で一部生産されているものの大型OLEDについては韓国が独占的に生産している。
1990年代に日本のLCD投資をはじめとして北東アジア4ヵ国(韓国、中国、日本、台湾)が生産を担っていたディスプレイは最近、主に韓国と中国の2ヵ国が生産している。LCD分野で大規模な投資を主導していた中国は‘21年から世界市場シェア1位国として浮上しており、韓国はモバイル・テレビだけでなく、ITなどの主力の家電製品に迅速に採用されているOLEDの生産拡大に向けて戦略的にLCDの生産を縮小し、OLEDへの投資に集中している。

韓国のディスプレイ産業は早くから韓国のパネル企業であるサムスンディスプレイ、LGディスプレイを中心にパネル製造工程で使われる素材・部品企業(822社)と装備企業(473社)で構成されている。サムスンディスプレイ(天安・牙山)及びLGディスプレイ(坡州、亀尾)工場のある地域には関連の素材・部品・装備企業まで集中されており、ディスプレイ生態系が造成されている。特にサムスンディスプレイが位置する忠清南道・天安・牙山地域は先端戦略産業特化団地に選定(‘23.7)され、次世代ディスプレイ産業の育成に向けた基盤が築かれた。

市場見通し及び政府のディスプレイ産業育成政策
世界市場はOLEDを中心に再編中 OLED技術の超格差と新市場創出の加速化に向けた支援拡大
韓国のディスプレイ業界がICT市場の革新を牽引してはいるが、競争国の追撃も激しさを増している。中国はLCDに続き、OLEDに対しても国レベルの支援を行っており、台湾と日本はOLED分野での劣勢を乗り越えようと次世代マイクロLED技術への投資を増やしている。
そこで韓国政府は当面の課題に官・民がともに対応することで従来にない超格差技術を確保し、’27年を目途に世界トップを奪回することをビジョンとする「ディスプレイ産業革新戦略」を発表した。
ビジョン | 2027年ディスプレイ世界トップを奪回 |
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5大推進戦略 | ❶ 民間投資の全面支援 ❷ 3大新市場の創出 ❸ 超格差技術の確保 ❹ 強固なサプライチェーンの構築 ❺ 人材育成 |
租税特例制限法上の国家戦略技術として5つのディスプレイ中核技術を指定(2月施行)し、企業が施設投資を行う際に大企業・中堅企業は15%、中小企業は25%の法人税を控除することで企業の投資負担の緩和を支援している。ディスプレイ企業だけでなく、関連の素材・部品・装備企業が全て該当されるため、中小・中堅企業でも幅広く活用できる制度である。また、有害化学物質を取り扱う新規施設に対する安全性検査の合理化、大型装備の輸送手続きの合理化など、企業が困難に感じている規制について関係部処、地方自治体などと協議し、企業の円滑な投資を支援している。
一方、政府は産業競争力の強化及び物資の需給円滑化などのために「割当関税制度」を運営している。割当関税は価格の安定、需給の円滑などのために基本関税率の40%pの範囲内で関税率を時限的に引き下げて適用する弾力関税制度で、6ヵ月または1年ごとに需要調査を行い、割当関税対象品目を選定している。毎年、需要調査の審査を経て品目が選定されるので輸入予定の品目に対しては前もって割当関税の適用を申請する必要がある。
外国人投資企業の韓国進出ケース
趙恩淑(チョ・ウンスク)( (jes@kdia.org))
韓国ディスプレイ産業協会 産業政策室長
<本稿の内容は、筆者の個人的見解であり、必ずしもKOTRAの見解ではありません。>