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[その他] [航空宇宙] 第2の飛躍を図る韓国の航空宇宙産業
作成日
2024.03.11
한국의 항공우주 산업

韓国の航空宇宙分野政策の現況

航空政策

政府は航空産業を合理的に支援・育成するために10年単位の長期的かつ総合的な基本計画を立てている。航空宇宙産業開発促進法第3条(航空宇宙産業開発基本計画の樹立)及び施行令第3条に基づき、2020年に第3次航空産業発展基本計画(2021∼2030)を樹立した。航空産業の高度化及び先進化を通じた2030年代航空G7入りというビジョンに基づき、従来の航空産業の高度化による新市場の開拓及びR&Dの先進化で未来航空産業の飛躍の基盤構築を目指す。そのために4大戦略と12大推進課題を示した。
表1. 4大戦略及び12大推進課題
항공우주 관련 주요 정부 정책 및 법안 현황
4大戦略及び12大推進課題 1. (インフラ)産業危機の克服に向けた支援インフラの強化
  • 1-1. 新型コロナウイルス危機対応に向けた金融支援制度の策定
  • 1-2. 産業発展に向けた法令及び関連制度の改善
  • 1-3. 産業生態系の競争力向上及びインフラ造成支援
  • 1-4. 汎部処協力を通じた航空産業発展推進政策の極大化
2. (既存空港)市場競争力の強化及び部品産業の高度化
  • 2-1. 完成機競争力の向上を通じた市場拡大の支援
  • 2-2. 中核部品の競争力確保を通じた部品産業高度化の支援
  • 2-3. グローバル高付加価値MRO分野の競争力強化
3. (未来航空)UAM/AAM生態系の造成及び産業融合の促進
  • 3-1. UAM/AAM中核技術の確保による関連部品産業の育成
  • 3-2. 未来飛行体システム/部品の実証に向けたテスト評価インフラの構築
  • 3-3. 融合型無人機など新市場の開拓を通じた未来のドル箱の創出
4. (R&D)航空先進技術の開発による産業高度化への貢献
  • 4-1. 未来技術に先制的に対応するための中核技術ロードマップの樹立
  • 4-2. 各部処の協力及びR&BDの強化による成果の向上
* 資料:第3次航空産業発展基本計画(2021∼2030)推進体系
本戦略と推進課題を通じて世界航空先進国入りを果たすことで、生産規模の拡大((’19) 7兆ウォン→(’35) 26.3兆ウォン)、雇用拡大((’19) 1.8万人→(’35) 6.7万人)、強小企業の育成((’19) 10社→(’35) 30社)などの成果を期待している。

宇宙政策

政府は宇宙分野のR&D、基盤拡充、人材養成、国際協力及び民間宇宙開発の促進などのために5年単位で国の宇宙開発の中長期政策目標と方向を設定し、宇宙開発の推進戦略と計画を示している。宇宙開発振興法第5条(宇宙開発振興基本計画)と施行令第2条に基づき、2022年度に未来宇宙経済ロードマップの履行に向けた第4次宇宙開発振興基本計画を樹立した。2045年宇宙経済グローバル強国の実現というビジョンに基づき、長期戦略目標としての5大任務と履行手段としての2大実践戦略を設定している。
図 1. 推進戦略及び課題
한국의 항공우주 산업
* 資料:第4次宇宙開発振興基本計画推進体系
本計画を通じて民間が宇宙技術革新の主体として浮上するニュースペース時代を拡大し、探査領域の拡大による宇宙探査の本格化、社会問題の解決や国民の安全にまで拡大する宇宙の価値増大などの効果を期待している。さらに、宇宙産業の融合・複合及び関連産業との連携、発展を促進するために、研究機関、企業、教育機関などを相互連携して造成する宇宙産業クラスターを指定した。全羅南道に「発射体(ロケット)特化地区」、慶尚南道に「衛星特化地区」、大田に「研究人材開発特化地区」を指定し、’24年から’31年までに計6千億ウォン前後を投資して分野別の拠点を一つのベルトに繋げ、シナジー効果の創出を目指す。
한국의 항공우주 산업

韓国の航空宇宙分野産業の現況

世界の航空産業は2020年の新型コロナウイルス発生による貿易及び旅客需要の急激な下落で市場が深刻な低迷を経験したが、最近徐々に回復している。2023年12月基準の国内線の運航便数は15,519便で、2020年3月基準の国内線の運航便数、7,852便に比べて約97.6%増え、新型コロナ発生以前の水準に回復した。これを受けて、2019年以降マイナス成長(‘20年基準で4.8兆ウォン水準)を見せていた国内航空産業の製造業の売上高も2022年基準で6.3兆ウォンまで回復した。品目別の生産現況を見ると、2022年基準で前年比14.1%の成長率を示しており、特にエンジン分野においては2022年基準で7.3億ウォン水準へと前年比20.3%成長し、最も大きな生産額の増加傾向を見せた。

宇宙産業も同じく新型コロナウイルスの煽りを受けて、2020年には15%のマイナス成長となったが、2022年には前年比15%成長して約3兆ウォン規模に回復した。衛星、ロケットなどの宇宙機器製作分野の売上高は2022年6.4千億ウォン水準に前年比約3.3%下落した反面、衛星活用分野の売上高は2022年基準で2.3兆ウォン水準へと前年比21.1%成長した。そのうち、上位5社の売上高は約1.5兆ウォンで、売上高全体の51.5%を占めた。特に衛星放送通信分野が最も高い割合(71.4%)を占めており、衛星通信アンテナの売上が最も大きく増加している。
表2. 航空宇宙分野の売上高及び成長率
(単位:十億ウォン)
항공우주 분야 매출액 및 성장률
区分 2018 2019 2020 2021 2022
航空 売上高 4,984.6 5,799.6 4,785.9 4,737.5 6,341.0
成長率 - 16% -17% -1% 34%
宇宙 売上高 3,291 3,261 2,782 2,570 2,952
成長率 - -1% -15% -8% 15%
* 資料:航空宇宙産業統計(2023)、宇宙産業実態調査(2023)
新型コロナウイルスによって航空と宇宙産業の市場は両方とも大きな打撃を被ったが、企業の研究開発に対する投資は続いている。航空産業の場合、2022年の研究開発費用として前年比16.6%増加した約3千億ウォンを投資しており、宇宙産業も2022年に前年比8.0%増加した1,700億ウォンを研究開発に投資した。このように韓国の航空宇宙企業は長期的な観点から成長に向けて研究開発に集中的に投資している。
表3. 航空宇宙分野への投資額
(単位:十億ウォン)
항공우주 분야 투자금액
区分 分野 2020 2021 2022
航空 研究開発 270.9 276.9 322.9
施設/装置 178.8 135.1 130.3
土地/建物 142.0 57.9 58.5
その他 27.3 21.7 19.1
小計 619.0 491.5 530.8
宇宙 研究開発 134.8 150.5 168.1
施設/装置 80.2 54.6 138.9
教育訓練 2.5 0.7 1.3
その他 - - -
小計 217.5 205.8 308.2
総計 836.5 697.4 839.0
* 資料:航空宇宙産業統計(2023)、宇宙産業実態調査(2023)
한국의 항공우주 산업

航空宇宙研究開発の主要現況

最近、航空分野で脚光を浴びているUAM(Urban Air Mobility;都心航空モビリティ)と関連し、国内で市場を形成するための様々な努力が行われている。国土交通部はUTK(UAM Team Korea)実務協議体を組織し、2025年末までにK-UAMの商用化を予定しており、そのために計5つの実務分科(政策、機体・運航、インフラ、交通管理、付加サービス)を構築し、生態系全般についての議論や基準づくりなどの役割を遂行している。UTKは政府部処や政府出捐研究所のみならず、7つの大学、9つの民間企業、11の自治体で構成されている。

宇宙分野においては、政府出捐研究所である韓国航空宇宙研究院がヌリ号の打ち上げに成功し、世界で7番目に独自的な宇宙輸送能力を確保することになった。そこで政府は、3回目の打ち上げに民間企業を「体系総合企業」として打ち上げ準備と打ち上げ運用に一部参加させる予定だ。また、次世代ロケットの場合、韓国航空宇宙研究院と民間企業が開発に参加する予定である。政府は民間主導の小型ロケット産業を育成するために、「小型発射体(ロケット)開発力量支援事業」に着手し、民間企業の打ち上げ力量の確保に向けて支援している。最近、民間企業であるイノスペースが‘23年3月に打ち上げ実験に成功し、商業打ち上げサービスにもう一歩近づくことになった。

また、政府は宇宙航空庁という宇宙航空専門部処を設置する手続きを行っている。このように、現政府の大きな関心と産・学・研組織の積極的な参加に後押しされ航空宇宙生態系が活発に構築されている。これを受けて大韓民国の航空宇宙分野の成長とともに様々な機会が生み出されることが期待される。

パク・ジュヌ先任研究員(park2445@kari.re.kr)
韓国航空宇宙研究院

<本稿の内容は、筆者の個人的見解であり、必ずしもKOTRAの見解ではありません。>

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