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韓国のロボット産業の動向
韓国のロボット産業の売上規模は2020年基準で約5兆9,000億ウォンであり、ロボット会社の数は約2,510社である。国内のロボット産業はロボット市場全体の成長を受けて製造、サービスおよびロボット部品市場の売上・生産が増加しており、個人用サービスロボットの場合、最も高い市場成長率を示している。
国際ロボット連盟(IFR)によると、韓国は2022年に社員1万人当たり産業用ロボット数1,012台で世界一位となった。世界的に認められる韓国の電気・電子産業や自動車産業などにロボットが集中的に普及されており、ロボット産業が韓国経済の高い成長を牽引しているものと判断される。
区分 | 売上 | 生産 | |||||||||
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2020 | 2021 | 2022 | 増減 | 20∼22 年平均 |
2020 | 2021 | 2022 | 増減 | 20∼22 年平均 |
||
製造 | 28,658 | 28,740 | 29,747 | 3.5 | 1.9 | 25,949 | 26,514 | 27,319 | 3.0 | 2.6 | |
サービス | 8,577 | 9,077 | 9,823 | 8.2 | 7.0 | 7,896 | 8,157 | 9,225 | 13.1 | 8.1 | |
専門 | 4,611 | 5,091 | 5,417 | 6.4 | 8.4 | 4,332 | 4,478 | 5,081 | 13.5 | 8.3 | |
個人 | 3,966 | 3,985 | 4,406 | 10.6 | 5.4 | 3,564 | 3,679 | 4,144 | 12.6 | 7.8 | |
部品 | 17,501 | 18,266 | 19,363 | 6.0 | 5.2 | 16,436 | 16,938 | 18,721 | 10.5 | 6.7 | |
合計 | 54,736 | 56,083 | 58,933 | 5.1 | 3.8 | 50,280 | 51,609 | 55,265 | 7.1 | 4.8 |
グローバルロボット市場の先導に向けた韓国のロボット政策及び制度
Kロボット経済の実現に向けた「第4次知能型ロボット基本計画」の策定
韓国政府は2024年1月、Kロボット経済の実現に向けた第4次知能型ロボット基本計画(2024~2028)を発表し、グローバルロボット市場をリードするために3大中核戦略を掲げた。第一に、2030年までに官民合同で3兆ウォン以上を投資し、技術、人材、企業などの競争力を強化する。まず、減速機など5つのH/W技術と自律操作など3つのS/W技術の8大中核技術の確保を進める。なお、先端ロボット産業を導いていく専門人材を未来自動車、ドローンなどのモビリティ産業と連携して1.5万人以上を養成し、売上高1,000億ウォン以上の知能型ロボット専門企業も30社以上育成する。
第二に、製造業、物流、福祉、安全など全ての産業領域を対象にロボットを2030年までに100万台以上の大幅な普及を進め、生産性向上や事故率の低減などロボットの産業的、社会的貢献度を高める。ロボット企業が国内市場を基盤に十分なトラックレコードを積み上げてグローバル市場に進出できるように、政府間の協力を強化し、海外認証も積極的に支援する。
第三に、知能型ロボット法を全面的に見直し、技術進歩とロボット産業の変化に合わせて支援するよう新たに制度的な基盤を築く。また、開発されたロボットが市場と需要者の目線に合った安全性と信頼性を確保するよう2,000億円を投資して国家ロボットテストフィールドも構築する。

「知能型ロボット法」改正による屋外移動ロボット時代の開幕
韓国のロボット企業の動向
サービスロボット分野では大手企業によるロボット企業の買収合併、持分参加などが活発で、従来のビジネスモデルとのロボット技術の融合などを通じて、ロボット分野への投資を拡大している。サムスン電子は韓国初のヒューマノイドロボットである「ヒューボ」を開発したレインボーロボティクスの持分を買収しており、現代自動車はロボティクス分野のグローバルリーディングカンパニーと言われるボストン・ダイナミクスを買収した。
一方、米シリコンバレーに本社を置いた配膳ロボット企業のベア・ロボティクスは韓国でロボットを量産している。世界で配膳ロボットの注文が増えている中、ベア・ロボティクスは韓国をロボット生産の最適地と見て、注文の全てを韓国で生産しようとしている。配膳ロボットには多品種少量生産が必要であり、韓国はロボットの生産インフラがきちんと整っているため、ロボット製造国として適切であるという判断だ。
ソ・ジュンギョ先任研究員(sjk@kiria.org、Ph.D.)
韓国ロボット産業振興院
<本稿の内容は、筆者の個人的見解であり、必ずしもKOTRAの見解ではありません。>